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邪道転生〜思ってた転生と違うんですけど!〜  作者: 玉将
第二章 願いの塔 入門編
41/58

41:さらばレナード



 レナードを地面と同化させるに至った魔法『風雷坊(ふうらいぼう)』は風と雷の複合魔法だ。

 通常、魔法は一度につき一つの属性しか扱えない。


 だが、俺は寝る間も惜しんで(寝れない)過酷な訓練を行った末についに習得したのだった。

 俺は3年前に、ユリウスとメアリーちゃんは去年習得したんだったか。

 父さんや師匠達のような凄腕狩人(ハンター)でも30歳手前でできるようになった、と言えば俺達の努力量が伝わるだろうか。


 そんな複合魔法『風雷坊(ふうらいぼう)』は空中を高速移動することができる魔法だ。『天女の羽衣』を使いながら『雷光』を使っているイメージが近いかもしれない。

 実際には単体で使うより少しだけ速度が落ちてしまうけどね。もっと訓練あるのみだ。


 ちなみに、レナードが複数の属性のゴーレムを出していたが、あれは複合魔法ではない。

 例えば、炎のゴーレムと水のゴーレムの計2体を生み出すのが単一、炎と水の属性を併せ持った一体のゴーレムを生み出すのが複合、といった感じだ。


 そいうえばあいつ、複合魔法使ってなかったな。重力魔法というネームバリューに騙されて警戒しすぎていたかもしれない。

 ……違うな、年齢的にもおそらくまだ重力魔法は発現したばかりだったんだろう。魔法の技術は俺達の方が上だっただけで、あいつが重力魔法を使いこなしていたらもっとやばかった。それこそ本気でやっても勝てないぐらいに。


 まあ、それもこの無様な姿を見れば考えすぎかなとも思えてくる。


 あれから俺は、地上に降りてメアリーちゃんと合流した。そして、またゾンビのように復活するんじゃないかと一応警戒していたものの、物凄い不恰好な姿で地面にめり込んでいる姿を見ると「あ、もうないな」と直感でわかった。

 具体的に言えば『卍』の形をして埋まっていた。

 あれだけプライドの高そうなやつに意識があったらこんな状態で埋まって黙っているはずがない。ということで、一件落着。


 母さんが祈人(デザイアー)を蛇蝎の如く嫌っていたけど、こんなやつばっかりだったら俺も嫌いになりそうだ。


 さて、後はこいつの処理だけどーーー


「こいつ、どうする?」

「放置です」[放置で]


 満場一致で放置のようだ。まあそうなりますよね。ユリウスもさっきはレナードが生きながらえていたことにホッとしていたが、さすがに今回のは頭にきたんだろう。

 ま、わざわざ殺したりはしないけど。


 運が良ければ無事に帰還できるだろう。

 ちなみに、帰るときは五階層毎に配置されている転移魔法陣を使って一階層に転移することができる。転移魔法陣は階層を囲むように地面に刻まれている。移動型クソゲー階段と比べれば、楽に帰れる転移魔法陣はとても親切設計だ。

 何気なく使われている転移魔法だが、これも俺のロマンが詰まった魔法だった。高速移動ではなく瞬間移動。憧れる……。痺れる……!


「よし、じゃあ気を取り直して先へ行こうか」

「はい!第十階層まであと半分です!がんばりましょう!」


 ユリウスに身体を返して、俺達は第六階層へと続く階層を探した。



 ーーーーーー



 階段は運良くすぐに見つかった。

 第六階層へと踏み出した俺達は、この階層もスムーズに進むことができていた。


「けど、『血熊(ブラッディベア)』級の魔物が増えてきたね」

「第十階層まで残り半分ですし、この森林エリアの難度も上がってきたのかもしれませんね」


 そう、ここにきて結構強力な魔物が増えてきていたのだ。大森林の森林地帯に住むような、バンバン魔法を放ってくる魔物達だ。平たく言えば、森林地帯の序盤に出てくるような魔物達。幸い、訓練に時間をかけたこともあって、その程度のやつらに遅れをとる俺たちじゃない。


 この調子でいくと第十階層に至るまでに大森林に出てくる魔物をコンプリートする感じかな。草原地帯に出てきた魔物が第五階層までをほとんど占めていたから、案外楽かもしれない。


 現れた魔物を斬っては魔石を回収し、それを繰り返す。魔石は今後の大事な生活資金になる。面倒くさくても全て拾う。レナードに難癖をつけられることになった魔物達の魔石は諦めたが……。あいつの魔法でほとんど吹き飛んじゃってたみたいだからね。第五階層までに出てくる魔物の魔石は極小サイズが多いから、さほど収入に変化がないのは不幸中の幸いかな。


 と、そこで眼前に階段が出現した。

 よかった。これでこの階層も無事に踏破できた。倒した魔物は100を超えたぐらいだろうか。大森林じゃここまで魔物に遭遇することはないけど、ここで狩った魔物を狩人(ハンター)組合に持っていけば結構な額になりそうだ。


 そんなことを考えているうちに、俺達は第七階層に突入した。



 ーーーーーー



 広がる青空に、目の届く限りに存在する木々。今までの階層と何ら変わらない風景。

 そんな中、俺達の頭上には今までには存在しなかったものがいた。


 草木の生命力を表すかのような深緑の鱗に、鳥類とは全く異なる翼、噛み砕けない物はないと思わせる長い牙、どれも今までの魔物とは別格の威容を放っていた。

 その魔物の名はーーー


「ーー竜(ドラゴン)ッ!」


 天空の覇者の一角、ファンタジー世界には常連さんの魔物、竜(ドラゴン)がいた。




魔法の属性と系統は違います。

属性は炎とか水のやつです。

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