03:転生!、、?
俺が泣く前に俺が泣いた。
どういうことだ?
不思議に思い身体を動かそうとするも、動かない。
いや、動いてはいる。身体が言うことを聞かないだけで動いてはいるんだ。
生まれたばかりだから身体を上手いこと動かせないとか?赤ちゃんってこんな感じなんだろうか。
俺が全く解決しそうにない問題に無理やり納得しようとしていると、
–あぅ、あうあ〜−
脳に直接響いてくるような声が聞こえた。
なんだ?神の声ってやつだろうか?転生をメインにした小説なんかではよくあることだけど。それにしては知性が全く感じられない。
すると突然、目の前が真っ暗になった。
今度はなんだ?!わからないことだらけで頭がおかしくなりそうだ。
俺は混乱しながらも暗闇の中で考えた。自分が置かれている状況を。
そして、どれぐらい経ったかわからない中である1つの考えに思い至った。
できれば外れていてほしい考えだけど……。
小説を読んでいて不思議に思ったことはあった。
転生するといっても、その転生先って何なんだって。
その身体を与えられて生まれるはずだった本来の持ち主はどうなったんだって。
俺はもしかしたらこの世界に生まれた1人の人間の身体に転生、いや、言うなれば憑依してしまった?
そう考えると、動かない身体にも納得がいってしまう。
もしかしたら今はこの身体の本来の持ち主が寝てしまっているのだろうか。
そうなれば身体を鍛えるどころの話ではない。
なにかできることはないかと考えていると、ふと閃いた。
魔法だ。
魔法ならなんとかなるんじゃないか。
目が覚めてたからずっと引っかかっていることがある。
自分の根源的な部分というか、こう、なんだか胸の奥に新しいなにかがあるような気がするんだ。
それがこの世界で魔法を行使する力であるならば、使っていくうちに何とかなるかもしれない。
俺は自分の根源的な部分からなんとか力を出すように試行錯誤するーーー
が、うまくいかない。
これは時間がかかるかもしれないな…
俺はこの状況に軽く絶望しながら、とりあえずこの身体の持ち主の目が覚めるのを待ったのだった。
転生するならせめてもうちょっとまともな転生がしたかった……。




