36.
「ねーねー、君ってさクロノス公爵家の子だよね。王子様とどんな関係なのー?なんでお揃いのピアスしてるのー?ってゆーか女の子が騎士科ってのも珍しいね!ねーってば」
何この子。
めちゃくちゃ話しかけてくるんだけど。
でもね、その前に1つだけいいかな。
今授業中だがらぁぁぁぁ。
目立ってるよ、めちゃくちゃ目立ってるよ。
前向いたほうがいいって。
先生めちゃくちゃ睨んでるからっ。
ってか、あんた誰!
「あの、どなたか存じませんが前向いたほうが良いのでは…」
「あ、僕ねミルだよ。よろしくね」
無視なのね、OK。
「はぁ。私はリリアナ・クロノスです。では、私のこともリリーと」
「おっけ〜。リリーちゃんこれからよろしくね」
かっわい。
何そのクシャってした笑顔、可愛いかよ。
ミルって…そうか!
まさかミルーラル・ナグノニア⁉︎
私と同じ公爵家であり、ナグノニア家の次男だったはず。
フワッフワの癖毛のミルクティーのようなクリーム色の髪。
そして大きな丸々な茶色の目。
間違いない。
…にしても萌え袖似合うな。
「そこの2人、もう自己紹介は終わったということでよろしいかな?」
「「へ?」」
いつのまにか先生が私たちの横までに来ていた。
「あの、えとっ」
「後で私の研究室まで来るように」
「えー、いやだよー。僕今日リリーちゃんと放課後遊びに行くのにぃ」
メンタル強いな、今私達怒られてるんですけど。
てか約束してないしっ。
「来・る・よ・う・に。わかりましたか?」
「「はい」」
お父様、リリーは学園生活初日に居残りが確定してしまいました。
ごめんなさい。
「リリーちゃんっ。一緒に居残り楽しみだね〜」
うるさいよ。
「リリー大丈夫だった?っ、そこの貴方、リリーに迷惑かけるなんて何を考えー」
「まって!彼は公爵家の人間よ。キャシー、冷静に。ね?」
「っ。失礼しました。無礼をお許しください。私レサード侯爵家のキャシスでございます、以後お見知りおきを」
「へー」
何その面白そうな物見つけたみたいにワクワクした顔してるの。
「僕も!」
僕も?え、なにが。
「あの、よく今がわかりませんが」
キャシーの周りの空気なんか凄い重い空気だ。
「だーかーら!2人とも僕にも敬語なしで気軽にミルって呼んでよ!僕も仲間に入れてっ、ね!」
「…ぷっ。うふふ。なにそれ、そんなお願いってある?うふふっ。あははっ」
久しぶりにお腹の底から笑った。
そんなこと真剣な顔でお願いされるなんて思ってもみなかった。
「…でも私はお2人と違って爵位が低いですし」
「リリーちゃんも僕と同じ公爵家だよ、キャシーちゃん」
あら、珍しくキャシーが口で負けてる。
あくまでも仲良くするつもりないってね。
悔しそうな顔しちゃって。
「キャシー、いいんじゃいい?ミルは少しマイペースみたいだけど、授業中のことだって悪気はないみたいだし。どうせ3年間騎士科は1つクラスのみでクラス替えなんかないんだし。仲良くしよ」
「…リリーがそう言ういうなら。よろしく、ミル。でも今後リリーに迷惑かけたら許さないから。そこのところよろしくね」
キャシーがこんな黒い笑顔ができるなんて知らなかったわ。
「うん、わかった」
絶対わかってない。
その後私とミルは先生の研究室に行きこってり怒られた。
4日間、騎士科の生徒専用の稽古場A-Dを順番に掃除しろとまで言われた。
罰重すぎない?
そのことを話せばキャシーも手伝うと言ってくれた。
てか、せっかくならそのまま稽古しちゃってもよくない?
うん、ありだ。
練習相手も2人もいるしっ、なんだか逆に楽しみになってきた、へへっ。
「リリーがなんか1人でニタニタ笑ってるぅ。これほっといていーの?」
「いいの!かわいいんだから。それに心許している私の前だからこそ見せてくれてるんだからっ」
「えぇ、僕にも見せてくれてるって事は僕にも心許してるんだぁ。うれしぃ。それに確かにリリーちゃんってキラキラして妖精みたいでかわいいよね」
「そう!そうなの!リリーは妖精なの!ミルってば話がわかるじゃないっ」
リリアナが1人で考え込んでニヤついている間、2人の仲はぐっと縮まったのであった。




