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王妃?え、時代は騎士でしょ!  作者: 吉那 薫
35/43

35.学園生活スタートです

あれから2年経った今日は入学式だ。

王子が壇上でキラッキラの王子様スマイルで首席の挨拶をしている。

遠くから見てもわかる、王子の耳元で光る紫色のピアス。

私の耳にも金色のピアスがはめてある。

2つは特注で作った物で世界に1つしかない対になっている物だ。

なんでも友情の証なんだと。

お前の剣の腕は認めてやってるからその証として付けておけって言われた。

その時は剣の腕前褒められてルンルンで付けたけど。


やっぱりはずそうかな…。

なんか目立ってるよやっぱり。

大声で叫びたい、私と王子はただの友達ですって。

剣の腕認めてもらえればみんなピアス貰えると思うし。

「はぁ」

「どうしたの?リリー何か悩み事?」

「ううん、今日から学園生活始まると思ったら緊張しちゃっただけ」

つい出たため息をごまかす。

相変わらずキャシーは優しい。

あれから私たちの仲はさらに深まり、敬語もなく気軽に話せら間柄だ。


式が終わり教室に向かう。

ドンッ。

え、誰か今背中ぶつかったよね。

よっと。

「大丈夫ですか?」

ぶつかってきた子が地面に倒れ込む前に腰をキャッチした。

ん?このピンクのプラチナブロンドはまさか…。

「「きゃーーーーっ!」」

周りに黄色い歓声が響く。

なに?どうしたの?


「リリー、この騒ぎは?」

「お、王子。そのよくわー」

「聞いてください王子様!リリアナ様がいきなりぶつかってきて…今もこうして離してくれなくて…」

私の声を遮るように大きな声でうるうるし始めたルルビア・マイハード。

うそだろ。

こいつ私をはめやがった。

あくまでも私を悪役令嬢として学園生活スタートさせたいみたいね。


どうしようか考えているとキャシーが声を張る。

「違いますわ。リリーは私と前を向いて歩いていたところ、そちらの方が後ろからぶつかって来たのです。にもかかわらず、リリーは貴方が転ぶ前に支えてあげたのです。感謝はされど恨まれるような事はしていないはずですわよ」

出会った頃はあんなにも内気だったのに。

私のために声を張り上げてくれるなんて。

思わずジーンとしていると、周りの黄色い声をあげていた方々も声をあげる。

「あ、あの。私見ておりましたがキャシス様の言う通りですわ。リリアナ様はとてもかっこよく素敵で…あ、いえ。とにかく!リリアナ様は悪くありません」

「そうですわ、そちらの方が勢いよくぶつかっていくのを見ておりました」

などなど私を味方する意見。

みんなしゅきだわ。


「ふむ、周りはこう言っているようだがどうですか」

あいかわらず嘘くさい笑顔ね。

「へっ?あの。でも…」

さすがにかわいそうか。

今回だけだからね助けるの。

「今日から学園生活という事で浮き足立ってしまう気持ちはわかります。だからといって子供のように走るのはどうかと思いますが。それに転ばないように支えたつもりが咄嗟のことで少し力がこもってしまい怖がらせたかもしれませんね。すみません」

ここですかさず寂しそうな笑みをプラスしておく。

さり気なくお前はガキだと嫌味も言えたし。

私天才かもしれないわ。

「リリー。素敵だわ。1つも悪いことなんかなかったのに謝るなんて」

キャシーも周りも私に尊敬する眼差しを向ける。

勝ったわ。


「私の方こそ…勘違いして騒いでしまいすみませんでした」

偉いじゃん。

ちゃんと謝れるなんて、目つきはすっごい悪いけどね。

さてそろそろ退散するかな。

みんながバラバラに解散し始めた時、ルルビア・マイハードが王子の腕を掴む。

「あの!王子様!それとは別に保健室に付き合っていただけませんか?」

すごいな。

この流れでそのセリフを言えるなんて。

貴方のハート何でできてるのよ、もう鉄筋コンクリートなみだよ。


「…君転んでないはずだよね?なのにどこか痛めたのかい?」

さすがな王子も呆れてる。

それでも笑顔であり続けるなんてすごい。

「えっと、手!手首です!リリアナ様に掴まれた手首ですわ!」

おっふ。

私のせいかよ。

見てみ?

私の横のキャシーなんてもうすごい黒いオーラ出しまくってるよ。

もうめんどくさいよ、そこまでしてストーリー通りにしたいかよ。

もういいや、この空気面倒くさいし私一抜けでーす。


「王子。ではよろしくお願いしますね」

「っ、リリー?」

「残念ながら私校舎違いますもの。キャシー、行きましょ」

わざとらしく残念がって見せた。

隣を歩くキャシーはいい笑顔で話しかけてきた。

「リリー、あいつどうやってヤる?」

いやいや、ヤらないから。

だからその仕込んでる暗器しまいなさいな。

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