33.一方通行
「おいっ、俺のあげたやつをなぜつけない」
「ん?あげたおやつ?ドーナツのことですか?」
なになに、いきなりのなぞなぞタイム?
揚げたおやつといえばドーナツだよね。
他に何があるだろ…
「ちげぇぇよっ、誰も菓子の話なんてしてねぇ。少しはお菓子から離れろっ」
「はぁ」
久々に王宮に呼び出したかと思えば何怒ってんだろ。
「だからっ…イヤリング。気に入らなかったのか?付けてるところ1度も見たことがない」
何照れてんのこいつ。
ん?…あーぁなるほど。
確かにあれはいい笑顔だわ。
王子の少し後ろに控えているヨルロク様が凄く柔らかい笑顔で王子を見守っているのだ。
これはヨルロク様の熱い視線についつい照れてしまったという感じかな。
もう、人前でイチャつくなんて。
ちなみに、ヨルロク様は王子の側近だ。
「はいはい、イヤリングですね。ちゃんと机の中にしまってありますから安心して下さい」
「しまうなっ!普通アクセサリー貰ったらつけるだろ。なぁ、ヨルロク」
「…まぁ」
あらあら、ヨルロク様にも何かあげたのかな。
気になるなぁと思いついにやけてしまう。
「っ。何笑ってるんだよ」
「あら、失礼。えーと、イヤリングのことね。確かに綺麗だけど、毎日のように剣の稽古があるから正直使い道がないのよね」
だってそうじゃない?
金色のプラプラする大きめの宝石がついたイヤリングなんて戦ってる時邪魔でしかない。
顔にパシパシあたりそうじゃん。
今日だって、今こうやってお茶する前は王子と木刀で剣の稽古してたし。
「ぐっ。だとしても王宮に来る時ぐらいは付けてこい」
「わかりましたよ」
綺麗な女性ばかりいる王宮を汚すな的な?
わるーございましたぁ、化粧も薄いしアクセサリーもしないわで。
「お、俺なんか見ろ!毎日と言っていいほど、このハンカチを持ち歩いているのだからな」
そう言って、綺麗な白地のハンカチを見せびらかしてきた。
ハンカチ。
は?
何故いきなりのハンカチ自慢なの。
しかもほぼ毎日て。
ハンカチ1枚しか持ってないのかな、かわいそう。
てかなんて答えよう。
「ま、毎日使っている割にはきれいですね」
「まぁな、たた、大切に使っているからなっ」
へぇ、物持ちいいんだ。
なんかちょっと見直したよ。
ついふっと笑ってしまう。
「な、なんだよ」
「別に?」
「ごほんっ、リリアナ様。貴方はどのような物でしたらアクセサリーを身につけますか?」
どうしたのヨルロク様。
いきなりだな。
「まぁそうですね、戦闘の時に邪魔にならない程度の物でしたら。少なくともイヤリングは落ちる可能性もありますし大きいと顔に当たって邪魔です」
「殿下、そういうことです」
「なるほどな。確かに今回は俺の選択ミスだわ」
そう言って王子は額に手を当てた。
なにがなるほどなんだろ。
なんか今日は私はずっと蚊帳の外だ。
まぁ、2人のイチャイチャが見れたことだしよしとするか。
「リリー、今度一緒にピアスの穴を開けるぞ」
決定なのそれ。
しかも一緒にする意味あるの?




