31.レベルアップ
今日は図書室で本を読んでいる。
日当たりも良くお気に入りの場所…のはずだった。
うん、なんか物足りないと思ったらお兄様だ。
ここに来るといつも横にいてくれたからなぁ。
最近は忙しそうだし、部屋での勉強、また父の仕事に早くも興味を持ち色々学んでいるみたい。
簡単に言うとあまり構ってくれない。
違うか…。
いつもお兄様から来てくれていたんだ、だったら私がお兄様を構おうではないかっ。
コンコンッ。
「すまない、先ほども言ったがお茶なら結構だ。集中したいから少しの間1人にしてくれ」
がーん。
まじかぁ、せっかく部屋まで来たのに。
でもそーだよね、ここまで強めに言ってるあたり寂しいけど邪魔しちゃ悪い。
「すみません…でした。部屋にまで押しー」
ガチャ。
がちゃ?え、え?
「リリー!どうしたんだい?僕の部屋にまで来てくれるなんて」
ふぉぉぉ、お兄様の久々のハグきたぁぁぁ。
いい匂い…好き。
あ、じゃなかった。
「お、おおお兄様?あの今忙しいのではっ⁉︎」
「ん?なんの話?お茶を飲むほどの時間はないがリリーは別だよ」
私お茶に勝っちゃったよ、人間が生きるために必要な水分に勝ったって喜んでいいのかな。
シンプルに水分はとって欲しい。
お兄様はあいかわらず私と話すときは一人称が僕になる。
可愛くね?
しかも多分これ本人気付いてないんだよ。
私だけが知ってるお兄様なんだよなぁ。
うへへっ、にやける。
「リリー?ふっ、どうしたのだらしない笑顔しちゃって」
笑顔眩しいなぁおい。
久々のお兄様の天使の微笑みの威力すげぇ。
「あ!えと。お兄様と久々にお話しできて嬉しくてつい。…さっきまで図書室にいたのですが、ふと恋しくなって来てしまいました」
「リリー…」
「私、もう戻りますね!お邪魔してすみませんでしたわ」
軽くお辞儀して去ろうとすると、お姫様抱っこされた。
「おいで」
“おいで”もらいましたぁぁぁぁ。
私前世からこの言葉、年上に言われたら弱い言葉ランキング1位なんだってぇ、もう誰ばらしたの。
しかも女性なら1度はしてもらいたいお姫様抱っこも同時とは。
心臓もたん。
「うひゃぁっ!ああああ、あの、お兄様っ⁉︎」
「ん?」
「あにょ、その」
「どうしたんだい、そんなに慌てて。可愛くて離してあげられなくなるよ?」
つい噛んじゃったとかもうどうでもいい。
私、お兄様と結婚したいわ。
トサッ。
ベットに下された。
ついに禁断の壁を越えるのね。
でも、さすがにそれはーーっ。
「はいっ」
「…はい?」
ついぎゅっとつむっていた目を開けると本が差し出されていた。
え?
「あまり構ってあげられないかもけど、本読むなら遠慮せずにここにおいで」
「…でも迷惑じゃぁ」
「バカだね、リリーがこの部屋にいるってだけで勉強もはかどるから、むしろ助かるくらいだよ」
「っ!本当ですか!では明日から本当に遠慮なく来ますからねっ」
やばくね、お兄様ばかり今までシスコン扱いしてきたけど私も負けないくらいブラコンだったわ。
気づかせてくれてありがとうだわ。
「もちろん。…あーそれと、リリー」
「なんですの、お兄様」
「さっきみたいな顔は僕以外の前、特に男性の前ではしちゃいけないよ?みんな我慢できなくなるから、ね」
ちゅっ。
「な、ななななっ。」
おでこにっ、おでこにキスされましたぁぁぁぁ。
でこちゅーだよ、漫画では許されるけどこれ実際されても許されるのってお兄様くらいだよ。
兄弟だってわかってるけどさ、ドキドキするなって方が無理だって。
「返事は?」
「ひゃ、ひゃいっ!」
今絶対私の顔、ゆでだこ状態だわ。
お兄様に対しての免疫が久々すぎて落ちてるとかじゃないと思う。
絶対、お兄様のシスコン度がレベルアップしてる。
私もブラコン度は上げなくては!と斜め上の方向に意気込むリリアナ。
今日も我が家は平和です。




