24.それぞれの悩み
「…」
何この沈黙。
長いよ。
うーん…もう泣き止んでるっぽいし、とりあえず謝る?
でも何を謝ったらいいんだろ。
つり目でごめんない?
それとも同じ人間に生まれてきてしまってすみませんでした、とか?
つらすぎなんだけど。
もはや全部私のせいじゃないっていうか。
どうしようもできないって言うか。
あーもう。
とりあえず謝ってやりますよ、謝ります。
「ごめんなさいっ」 「すみませんでしたっ」
同時だった。
「え?」
「ほぇ?あ、あの?っ!泣いたのはリリアナ様のせいじゃないですっ。私が勝手に…」
「そ、そうでしたの?私でよろしければお話しぐらい聞くことはできますが」
「…。嬉しかったんです。…私、呪われてるんです」
おいおい、まじかよ。
中二病ってやつ?
ここは私も実は…とかのるべきなのかな。
「ふふっ。リリアナ様は何も知らなかったのですね。…この見た目です。黒髪に黒い目で、周りからはいつも魔族の呪いだって言われます。しかも家が裏で、国の暗殺家業を担っています」
ぶちこんできたぁぁぁぁ。
暗殺家業とは多分それ言っちゃいけないやつだって。
家族だけの秘密だと思うよ?
何も言えねぇよ。
「…」
「この見た目で暗殺って。もう笑っちゃいますよね」
キャシス様はそう言って悲しそうに笑った。
なんかモヤっとする。
「私、つり目なのです」
「?リリアナ様?」
「なのでよく人に怖い印象あたえます。それにお菓子もよく食べるので、周りに止められます。」
「あの?」
「今だって騎士になるために色々やらかしてます」
「…」
「それがなんですの?周りになんて言われようが私は、私のやりたいこと貫きます。それに、私キャシス様の艶のある綺麗な黒髪も、黒曜石のように輝く瞳も好きです」
ま、私に好かれても意味ないかもだけど。
「キャシス・レサード、顔を上げなさい。あなたは何も悪いことをしてないわ。誰にも謝る必要なんてないし、迷惑もかけていないの。…それにあなたはそこらへんの令嬢より強いはずよ」
私、気づいちゃったんだよね。
さっき腕掴んだ時、あれは確かに鍛えてる腕だった。
それに彼女の手に剣に握ることでできたまめの後。
「…リリアナ様」
「生まれ持った侯爵という地位と、暗殺の実力の2つ兼ね備えてるなんて最強じゃない。今度、暗殺の戦術教えてくれないかしら?」
私はそう言って少し意地悪そうに笑ってみた。
「キャシー…キャシーと呼んでください!リリアナ様、私でよろしければぜひっ」
「わかったわ。では、私のこともリリーと。これからよろしくね、キャシー」
「っ!はい!」
彼女は目に涙を溜めながらそれは嬉しそうに笑った。
かっわい。
周りが何か言ってきてるのって、キャシーが可愛くて焼いてるだけじゃない?
あ、私今友達できちゃった。
うひょう!
うれしーーーよーーー。
この世界で友達初めてなんだもん。
何がなんでも私が守ってあげるからね。
…守る必要あるかわからないけど。




