迷い鬼⑤
鬼を食べる人である祖母に代わったものは私の最も恐れる真実を口にする。
私が何とか自分を保つことができたつたない言い訳、人造とは自分の至らなさへの言い訳。
私は人造人間ではない。私は最初から鬼だったし、人にはならなかった。
私は人造魔法使いではない。私は母と祖父を喰った。向こうから口に入ってきた、けれど味わった。
私は人造教祖ではない。育ての父と兄と弟たちは私をみてずっと怯えていた。私は「あなたたちには感謝している。恐れる事は何もない」と諭したのだ。その次の火に育ての父と兄弟たちは死んだ。
「あなたは、人造人間ではない。あなたは人間。鬼と人の区別なんてこちらの世界にはない。あなたは人造魔法使いではない。あなたはあなたの母と祖父二人に守られた人。あなたは人造教祖ではない。あなたは自分のできる限りの思い出、苦しむ人に道を示した。」祖母は泣いている。私は笑っている。
私は1枚のお札をとりだす。
祖母はなんにもわかってはいない。
私の死んでしまった育ての父はある宗教の国内の有力な寺の住職だった。
世界に二つしかない総本山はこの国には無く、どの国にでもある本山、国内の5か所のうちの一か所を預かっていた。
未来も過去も全ての人の記憶を引き出すことのできる者が開祖であり。
リトリーバーと呼ばれている。
だからいつか私がすべてを思い出すから安心していきよという教義だ。
その能力はともかくとして実在の人物である。
その宗教では信仰を妨げるものを鬼と読んでいる。
妖怪じみた意味合いは布教のための改変であると教わる。
どちらが嘘であろうか、私は何もない空間から一枚のお札を取り出した。
リトリーバー、まぁ外の世界の魔術師協会会長、和音の師匠の1人のブランドンなのだが、鬼が和音の中に生まれた時に退治するために暴走する御守りを用意していた。
恐ろしい精霊に襲われた男
恐ろしい呪いにさらされた女
子供が一人で入るとと2度と出られないといわれる森に迷い込んだ少年。
K〇6を飲んだ人(鬼)
呪いによる死を抑える代わりに恐怖を与え続ける。
そして時代を超え受け継がれる御守り、お札の中央に埋め込まれている。
私の鬼としての力を抑え続けてきた。
生きるためそうしたのだ。
私を食べに来た祖母はずっと私を食べられなかった
私の鬼としての力は御守りの護符に抑えられ無いに等しかったのだから。
けれどどうやらそれお限界のようだ。
私には二つの道がある。
護符を捨て祖母に食べられる。
そして・・・




