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少女は世界の英雄と共に歩む  作者: 浅見 英理
自由を掴むために
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3/19

彷徨う先に辿り着くのは

――――――――――――――――――――――――――――――


⋯⋯ふっと目が覚めた。


どうやらかなり寝ていたらしい。

夜中足を使い倒して、歩き回った。

ようやく安心できる場所で食事を取れたのだから仕方ないか。


洞は膝を抱えて少し余裕があるくらいには広かったので、身体は思いのほか休めたようだった。


―――――今は、どのくらいの時間なんだろう。


あれからどのくらい経ったのか。

耳をすませてみるも、周りに自分を探しているような音や、男達の声は聞こえなかった。



意を決して、洞から頭半分だけ出してみる。目だけで外を見るようにしてみると、どうやらあれから半日は寝ていたようだ。


外はやや薄暗いから確信は持てないが、頭上に夕方のような空の色が少しだけ見て取れた。


―――――このまま外に出て、明るいうちに水を探した方がいいよね。


独りごちて、頭を引っ込める。

ころりと食べかけていたパンが転がった。


「 そういえば、食べてる途中に寝ちゃったんだっけ⋯ 」


拾いあげてホコリを払うと、残りのパンを食べ始めた。

水分が少ない硬いパンは、しっかりと良く噛んで飲み込まないとのどに詰まりそうだ。


何とか一つ食べ終えると、自分の周りを見渡す。


動物が集めた木の実はかなりの前に集めたものだった。

あるにはあったが、食べられるようなものはなく、空や割れて中が虫に食われていたものだった。


―――食べられないんじゃな…。


仕方なく置いていく事にして、身をよじって洞から抜け出す。

そうして、もう一度耳をすませてみる。


―――あれから男達はわたしが逃げたことに気付かず、移動したのかもしれない。



挿絵(By みてみん)



怖いくらい音がしない事にうすら寒く感じ、辺りを見渡す。


―――足もとはまだそんなに湿った土じゃない。


頷いて、もう一つのパンが落ちないように布を体に巻き付ける。


わたしはまた歩き出した。


どのくらい歩いただろうか、きっと昨日よりは歩いてないはず。

足の痛みも、疲れも、昨日よりはまだ我慢出来るくらいだったから。


ふと、水音が聞こえた気がして耳をそばだてる。

チョロチョロと微かに、でもしっかりと音が聞こえる。


「 見つけた⋯ 」


安堵で泣きそうになりながら、音がする方へと歩き出した。



――――――――――――――――――――――――――――


結果として、水はあるにはあった。

だが、大きな川などではなく、雨水が溜まって染み出したような流れだった。


それでも喉を潤すには十分すぎる水だった。


流れる水が濁らないように、口を近づけて少しづつ飲む。


―――ずっ、ずゅるる⋯⋯っ ぷはっ


「 ふー⋯ 」


周りはもう暗くなって来ていた。昨日荷馬車から抜け出した時よりは明るめだが、ここが森の切れ間だからかもしれない。


頭上には厚い雲が半分と星が少し。風も出てきていて、どうやら今夜は雨が降りそうな気配だ。



――――雨に濡れないところに行かなきゃ。



以前、小屋に売られる前。

洗濯で服が濡れたまま疲れて寝てしまった翌日、体が冷えたせいで熱を出したのを思い出す。


―――そんなことで寝込むなんて、本当に使えないね。


おばさんの言葉を思い出す。

あの時は薬も貰えず、熱で重い体を動かして湿った服を脱ぎ、乾いた薄い布団で身体をくるみ、震えながら寝るしか無かった。



―――こんなとこで服が濡れて、もし熱でも出て寝込んたら死んぢゃうかもしれない。


あとのことを想像して怖くなり、慌てて辺りを見渡した。


―――ここみたいに見晴らしが良いとこより、茂みがある方が濡れないかも。


もう一度だけ、喉を潤すと今度は雨を回避するべく、立ち上がった。








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― 新着の感想 ―
エピソード3読ませていただきました。 水を飲む際の様子や、過去体調を崩した時の回想などの文章の構成が本当に綺麗です。 少女はこれからどうなってしまうのか、どんどん読み進めてしまいました。 どうぞ、執筆…
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