彷徨う先に辿り着くのは
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⋯⋯ふっと目が覚めた。
どうやらかなり寝ていたらしい。
夜中足を使い倒して、歩き回った。
ようやく安心できる場所で食事を取れたのだから仕方ないか。
洞は膝を抱えて少し余裕があるくらいには広かったので、身体は思いのほか休めたようだった。
―――――今は、どのくらいの時間なんだろう。
あれからどのくらい経ったのか。
耳をすませてみるも、周りに自分を探しているような音や、男達の声は聞こえなかった。
意を決して、洞から頭半分だけ出してみる。目だけで外を見るようにしてみると、どうやらあれから半日は寝ていたようだ。
外はやや薄暗いから確信は持てないが、頭上に夕方のような空の色が少しだけ見て取れた。
―――――このまま外に出て、明るいうちに水を探した方がいいよね。
独りごちて、頭を引っ込める。
ころりと食べかけていたパンが転がった。
「 そういえば、食べてる途中に寝ちゃったんだっけ⋯ 」
拾いあげてホコリを払うと、残りのパンを食べ始めた。
水分が少ない硬いパンは、しっかりと良く噛んで飲み込まないとのどに詰まりそうだ。
何とか一つ食べ終えると、自分の周りを見渡す。
動物が集めた木の実はかなりの前に集めたものだった。
あるにはあったが、食べられるようなものはなく、空や割れて中が虫に食われていたものだった。
―――食べられないんじゃな…。
仕方なく置いていく事にして、身をよじって洞から抜け出す。
そうして、もう一度耳をすませてみる。
―――あれから男達はわたしが逃げたことに気付かず、移動したのかもしれない。
怖いくらい音がしない事にうすら寒く感じ、辺りを見渡す。
―――足もとはまだそんなに湿った土じゃない。
頷いて、もう一つのパンが落ちないように布を体に巻き付ける。
わたしはまた歩き出した。
どのくらい歩いただろうか、きっと昨日よりは歩いてないはず。
足の痛みも、疲れも、昨日よりはまだ我慢出来るくらいだったから。
ふと、水音が聞こえた気がして耳をそばだてる。
チョロチョロと微かに、でもしっかりと音が聞こえる。
「 見つけた⋯ 」
安堵で泣きそうになりながら、音がする方へと歩き出した。
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結果として、水はあるにはあった。
だが、大きな川などではなく、雨水が溜まって染み出したような流れだった。
それでも喉を潤すには十分すぎる水だった。
流れる水が濁らないように、口を近づけて少しづつ飲む。
―――ずっ、ずゅるる⋯⋯っ ぷはっ
「 ふー⋯ 」
周りはもう暗くなって来ていた。昨日荷馬車から抜け出した時よりは明るめだが、ここが森の切れ間だからかもしれない。
頭上には厚い雲が半分と星が少し。風も出てきていて、どうやら今夜は雨が降りそうな気配だ。
――――雨に濡れないところに行かなきゃ。
以前、小屋に売られる前。
洗濯で服が濡れたまま疲れて寝てしまった翌日、体が冷えたせいで熱を出したのを思い出す。
―――そんなことで寝込むなんて、本当に使えないね。
おばさんの言葉を思い出す。
あの時は薬も貰えず、熱で重い体を動かして湿った服を脱ぎ、乾いた薄い布団で身体をくるみ、震えながら寝るしか無かった。
―――こんなとこで服が濡れて、もし熱でも出て寝込んたら死んぢゃうかもしれない。
あとのことを想像して怖くなり、慌てて辺りを見渡した。
―――ここみたいに見晴らしが良いとこより、茂みがある方が濡れないかも。
もう一度だけ、喉を潤すと今度は雨を回避するべく、立ち上がった。




