たくさんの魔導具:①
白くまさんは台を降りると、トテトテと先を歩き始めた。
昨日のお風呂場に着くと、扉を開け説明をはじめる。
「まずは洗濯魔導具。昨日も風呂場には入っただろうが、入口の右側に身長サイズの箱がある。
これに洗濯したい衣類を入れ、そのあとに蓋を閉める。
右端の魔石を数回タッチすると、青が洗い、緑がすすぎ、黄色が脱水、赤が停止だ。
洗いから脱水まで全て行う時は、一番最初の何も光っていない段階で、魔石を長押しすれば全自動でやってくれる。
ほかも単独で行う場合は色別に長押しすればいい。
水はお風呂のお湯が残っているときは湯船の底から自動給水するようになっている。
水が無い場合、井戸からの供給に切り替わるから特別何も必要ない。
が、もし追加で洗濯物があって、蓋を開けたいときは魔石を赤にして長押しすれば緊急停止で蓋が開く仕組みだ。その後また操作すればいい。」
「…すごい、見たことない。こんなすごい洗濯魔導具。魔石一つで全部おまかせなんて。」
「まぁ、それは…私が自作したものだから市販にはないと思うぞ?」
「はぇッ!?し、白くまさんが?魔導具を作れるの??」
「販売許可は貰ってないからな、慈善修理や自作した魔導具の扱いくらいだよ。これだって人からもらった設計図を元に組み上げたようなものだからな…。」
そう言って懐かしむような目をして魔導具を見つめる。
「ね、ねぇ。お水は用意しなくていいけど、石鹸は?」
魔導具に驚いて、忘れるところだった。後で困るから先に質問しないと。
「ああ、それも半年に一回位で構わないはずだ。ここを見てくれ。」
魔導具の下側に扉があり、パカリと開くと乳白色のミルク瓶のようなボトルが二つ並んでいた。
「右と左とで用途が違うが、普段あまり使わないから今は右だけで使っている。右が濃縮した衣料用洗剤の液を入れたボトルだ。たまに覗いて下の緑線まで減っていたら新しいものを継ぎ足せばいい。」
そう言って蓋を閉めると、タオルや籠なんかを重ねて置いていた棚の一番下の両扉を開く。
「継ぎ足し用の液体洗剤はここにある。これまでの説明でわからない所は?」
「大丈夫。きちんと覚えたし、操作もむずかしくないから。」
「それなら、次は風呂の説明だ。昨日は満水だったからわからなかっただろうが、浴槽の端に床に埋め込んだ魔石がある。ここは掃除の際にきちんと洗うようにしてくれ。先程も魔石について説明したが、汚れがあるとうまく作動しないのでね。
昨日光っていた呼び出し魔石の部分も長押しとタッチで色が変わるようになっている。普段は光っていないが長押しで起動し、タッチで青、橙、赤、紫と色が変わる。青は水、橙で人肌のお湯、赤で熱いお湯、紫で停止。お湯は風呂の魔石から吐水されるから溢れないようにだけ気をつければ大丈夫だ。大体、10分程度で満水だな。
呼び出しボタンとして使う時は、紫色で三秒以上留めておけばタッチで声が届くようになっている。解除は長押しで戻る。」
「これも白くまさんが?」
「まぁ、そうだな。魔石に魔法陣を組み込むだけだったから大した事じゃないんだが。…ここで何かわからなかった所はないか?」
「操作のやり方は大丈夫だよ。でも、浴槽を洗う道具はどこにあるの?」
「それなら、さっき洗濯洗剤が入っていた棚に藁束のタワシが五つほど残っている。それを使って浴槽を磨いたあと、壁の魔石から水を出してすすげばいい。排水は埋め込んだ魔石を長押しして光が点滅し出せば、勝手に外に流れていく仕組みだ。タワシがなくなる前に教えてくれれば補充しよう。」
「わかった。次はどこに行くの?」
「向かいに小部屋があるんだが、そこが洗面所とトイレになる。」
指で指し示しながら話すと、ふと気づいたようにこちらを向いた。
※魔石⋯説明が長くなりましたが、ややこしいのでこれで理解できるかどうか⋯。
もしかしたら今後色変化を統一したり、仕様変更があるかもです。すみません(;_;)




