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少女は世界の英雄と共に歩む  作者: 浅見 英理
これから、よろしく。
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19/19

たくさんの魔導具:②


「そう言えば、今朝から場所さえ知らなかっただろう?使わなくて大丈夫か?」


「えっと…実は…、ちょっと我慢してたから、使ってくるね。」

そうなのだ。実は昨日、お風呂を借りた際に聞こうと思って、そのまま寝てしまった。


起きてからも、お茶を沢山飲んでしまっていて、だいぶ、いや、かなり限界だった。

そそくさと風呂場を後にして、向かいの扉を開くと、左に鏡と水栓。奥にもう一つ扉があった。


奥の扉を開くと、おまるのような形の、黒い陶器の椅子がある。

板で蓋がされていたのを見るに、これがトイレなのだろうか。


わたしが知っているものは板張りで穴が空いた椅子の形だったから若干不安ではあったけど、限界だったので使わせてもらう。





―――スッキリした。


流し方はわからなかったので、後で聞いてこようと使った紙をくず籠に捨てて立ち上がった。


すると途端に勝手に水が流れていく。


「こんなとこまで魔導具なの?白くまさんって凝り性なのかな…?」


扉を締めて洗面所で手を洗い、備え付けのタオルで手を拭くと、白くまさんのところへ戻った。


「ただいま。白くまさん、トイレって奥の黒い椅子でいいの?お水勝手に流れていってびっくりしたよ。」


「すまない。伝える前に行ってしまったから、伝え損ねたんだ。だが何もしなくても流れていくから困らなかっただろう?」


「うん、紙はくず籠があったから、そこに捨てたけど良かった?」


「 ああ。どちらでも構わない作りにはしていてな。トイレに流してもくず籠に捨てても大丈夫なんだ。あとで籠の中身だけ回収して貰えれば問題無い。⋯⋯アレは私の親友に頼まれて作ったんだよ。実家のトイレと同じものにしろと聞かなくてな。便利すぎな気もするが。」


「そうなんだ⋯。便利すぎてほんとにこれトイレで良いのかなって怖くなったよ⋯。」


「凝り性の奴の影響が、この住居には至る所に散見している。済まないがそういう家だと飲み込んでくれ。」


「わかった。とても綺麗好きなんだろうね、その人。」


笑いながら答えると、複雑そうな顔で白くまさんは

「そうなるのか⋯?」なんてブツブツ呟いていた。


見ていない屋内の説明が一通り終わると、今度は勝手口から外にでて、井戸を挟む前と左がわの建物の説明に入った。


前が栽培小屋、左が備蓄倉庫だと言う。


栽培小屋にも魔導具がたくさん組み込まれていて、説明を聞くと温室小屋で自動水やり器搭載という理解になった。


「この壁に魔石が三つ並んでいるだろう?それぞれ役割がある。


上は屋根開閉ボタン・長押しで起動し、開いたり閉じたりする。


中は光源発生装置ボタン・太陽光の代わりのライトを屋根に魔法陣を媒介として組み込んであるんだが、それのスイッチだ。こちらはタッチで簡単に操作ができる。


最後、下は自動栄養水補給ボタンになる。小屋の外に作り貯めた液体肥料を栄養水として井戸水で希釈し、天井や壁に張り巡らされたパイプから、少しづつ自動補給出来るように作られているんだ。⋯済まないまた熱弁してしまったようだな。ここまでで質問は?」


正直わかりやすい言葉で説明はされているのだが、上滑りしてしまって頭に入ってこない⋯。


とりあえず上から屋根と太陽光と水やりって事で⋯。


「えっと、栽培野菜の収穫方法や道具の場所を知りたいかな。」


実際、手伝う際に野菜の加工の話も出ていたから、収穫も覚えなきゃいけないはずだ。場所がわかっていて困ることは無い。


⋯⋯うん。決して、難しい話から逃れたかったわけじゃない⋯。


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― 新着の感想 ―
エピソード19「たくさんの魔道具:②」、読ませていただきました。 英雄様が時々言ってい“あいつ“や“親友“という人が気になりますね。 その人の要望でここまで至れり尽くせりの家が完成しているわけですね。…
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