episode8
「さて、と。料理も酒もジュースも用意出来た所で乾杯といきますか!」
「「ハーイ!」」
「それじゃ、美幸の同居を記念して、カンパーイ!」
「「カンパーイ!」」
「......同居って......。オレは仕事の一環で......」
「まぁまぁ!固いこと言うなって!」
「そうだよヨシ君!同居は同居だよ♪」
テーブルの上に並べられた寿司にピザ、酒にジュースを囲んで六人は少し早めの夕飯に団欒の時間を過ごしていた。彼らは本当にアイドルか?と言うくらいのスピードでどんどん酒を空けて行った。
「ちょっと......。皆さん、あんまり飲みすぎると......」
「ウェーイ!美幸、飲んでっかー?」
「翔汰さん......。絡み酒ですか」
「んー?なんだ?チューすっか?チュー」
「そしてキス魔!翔汰さんはもうお酒禁止です!」
美幸はそう言うと翔汰の酒を取り上げ、代わりにお茶の入ったコップを手渡した。
「ハイハイ。あんまり飲み過ぎると明日のレッスンに響きますので、ここからはお茶にしましょうねー。」
「んー......?お茶ァ?あ!ウーロンハイか!」
「そうそう。そうですよー」
「ったくよぉ......。あざといあざといって......。オレはもう二十歳過ぎてるんだっつーの。あー、このキャラしんどいー」
「み、澪里さん?!」
「ンだ?ヨシ。オレに抱いて欲しいんか?ん?オレは男も女もイケるゾ?」
「?!?!」
「......すみません美幸君。澪里はお酒が入るとその......キャラが崩壊......と言うか、素が出てしまうんです......」
美幸は澪里のあの可愛らしい姿からは想像もつかない、"イケてる男"、"ナンパ師"の様な風貌に絶句するしか無かった。酒が入っても変わらないのは晴と理と聖だけか。と思っていたその時だった。理は席を立つと美幸の元へとやって来て、ギュッと抱き着いてきた。
「さ、理さん?!」
「アイドルなんてヅライよォー!!筋トレもーヤダー!!」
「えっ......?」
「......理は抱き着き魔の上に泣き上戸です。それに加え、普段のストイックさは姿を消します」
「ウチのグループ酒好きだけど、酒に弱いんだよねー」
「晴さんと聖さんは変化無しなんですね」
「僕らは自分で言うのもなんですが、強い方ですし、きちんとセーブかけてますからね」
「そーゆー事ー」
晴と聖は美幸に張り付く三人をひっぺがしていき、そしてそのまま床に寝転がしていく。すると三人は一瞬で眠りについたのであった。
「......温かいお茶でも入れますね」
「ありがとー」
「ありがとうございます。......あの」
「?」
「幻滅、しましたか?」
「え?」
「ほら、三人はこの有様ですし......」
晴は心配そうに美幸に問う。しかし、美幸は思い切り首を横に振った。
「そんな事ありません!寧ろ、一ファンとして、意外な一面が見れて少し嬉しかったです」
美幸の言葉に晴はホッと胸を撫で下ろした。




