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推しゴト!!  作者: 朱音小夏


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78/82

episode77

~~♪


「あ、オレだ。......誰だろ?え?」

「どうかした?」

「いや......あまりにも久々な人からの着信で。姉さんも知ってる」


そう言うと、美幸は喜子に着信画面を見せてきた。そこに映された名前は【桐生 怜】。美幸の幼馴染だ。


「......とりあえず、出てみましょうか」

「うん。......もしもし」

『もしもし、美幸?久々だな。お前のスクープ見て心配になったから電話してみたんだけど......』

「あまり大丈夫ではない、かな?でも姉さんも事務所の仲間も信じてないしそれだけは救いだよ」

『......なら良かった。そうだ!もしよかったら今度食事でもどうだ?......ってあれか。スクープ出たばかりじゃダメに決まってるか』

「うん。ごめんね」

『謝んなって!!また、何かあったら助けになるから連絡してくれよ』

「......ありがとう。それじゃ」


通話を切ると、LUMINOUSのメンバーや黒川が質問攻めしてくる。


「今の男との関係は?!」

「いつどこで知り合ったの?!」

「まさか元カレ?!」

「......とりあえず落ち着いて。元カレだけは断じてない!!」


美幸がわたわたしていると、喜子が代わりに答えてくれた。


「桐生 怜。美幸の幼馴染で、唯一と言っていいほどの理解者。子供の頃から美幸のことを守っていた子ね。今はたしか......ごくごく普通の会社員だったかしら?」

「そう。怜はオレと同じ大学受けて、受かったから、その気まずさで疎遠になったんだけど......」


そう。大学受験が二人の道を分けたのであった。怜はそれでも美幸と繋がりを持っていたいという気持ちでいたらしいが......美幸がしんどくなってしまったのだ。


「......でも怪しいわね。もう何年も連絡とってなかったのに、スクープを見たからっていきなり連絡してくるかしら?」

「ちょと......姉さんまさか、怜のこと疑っているわけ?」

「だって怪しいじゃない。それにこのタイミング......LUMINOUSのドームツアーの準備が近づいてきてるこのタイミングでよ?」

「それは......」


そう。もうじきドームツアーの準備に取りかからなければならない。......それなのに、MIYUKIのスクープ。これはかなりまずい状況である。


「美幸。決して怜君と二人で会うような事は無いようにね?」

「......それは分かってる。それに、怜と会うより一樹さんと一緒にいる」

「美幸......」

「ほーらほら。甘い雰囲気を出さないで頂戴な。ここに失恋集団がいることをお忘れなく」

「「あ」」


そうだった。LUMINOUSのメンバーは美幸を好きだと言っていた。その目の前で、想い人が別の誰かとイチャついている。......残酷なことをしてしまった。


「......まぁ、皆。TVでのツアー告知、しっかりしてくれるなら、美幸の子供時代の写真。見せてあげるわ」


美幸はそんなもので連れる程浅ましくないだろう。そう思ったのだが、意外と皆チョロかった。


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