episode6
「それじゃあ、今日は美幸君の歓迎も兼ねて、夕飯はお寿司かピザでもとりましょうか。」
晴がそう言うと、残りのメンバーは「賛成ー!」と声を上げた。
「そんな歓迎なんて...。別に良いですよ!オレ何か夕飯作りますよ?食生活の管理も姉から任せられてますし...。」
「まぁまぁ!初日くらい良いじゃねぇか!気ぃ遣うなって!」
「そう言って、お前が食いたいだけだろう?翔汰。オレはプロテインと鶏肉だけで良い。」
「サト君の筋肉バカ!たまには良いじゃん!僕両方が良いなぁ♪」
「澪里ー、両方はダメだよー?我儘治さなきゃ。」
メンバー達は好き勝手にどんどん話しを進めて行き、美幸の意見は流されてしまった。流石今となってはトップアイドル。結局は澪里の要望通り、お寿司とピザの両方をとる事になった。取り敢えず、美幸は晴と共にコンビニへジュースとお酒を買いに行った。
「お酒こんなに...。良いんですか?明日に響きません?」
「大丈夫ですよ。明日は午後からのダンスレッスンだけなので。それに自分達の許容範囲は分かってますから。安心して下さい。」
「それなら...。でも明日からはオレが夕飯作りますからね?特別に晴さんの好きな物作ってあげますよ?何が良いですか?」
「僕がリクエストしていいんですか?」
「今日一番掃除頑張って下さったので。」
美幸がそう言うと晴は嬉しそうに悩みながら「それじゃあ」と言葉を続けた。
「鶏肉のトマト煮込みが食べたいですかね。チーズも載せてくれると嬉しいです。」
「チーズお好きなんですか?」
「えぇ。だから正直、今日ピザが食べられるのが嬉しいんですよね。」
「フフッ。意外です。晴さん、王子様キャラで売ってるから、ちょっと子供っぽい所が見られて嬉しいです。ギャップ萌えってヤツですかね。」
「...からかわないで下さいよ。」
晴はそう言うと恥ずかしそうに少し顔を赤くした。そんな晴の様子に美幸は「晴さん可愛い」と胸をキュンとさせた。
「そ、そう言えば、美幸君は僕らの事箱推ししてくれているんでしたっけ?」
「え?はい!もう初めてライブ見た時の皆さんの輝きが衝撃的で!誰か一人に絞るなんて出来ませんよ!」
「ハハッ。美幸君は本当に熱心なファンなんですね。」
「大学の受験勉強の時、ずっと聞いてましたから。」
「ん?て事は今は大学生なんですか?」
晴のその疑問に美幸の歩く足が止まった。
「美幸君?どうしました?」
「...受験は失敗したんです。自信はあったし、家族や先生達からも太鼓判を捺されていたんですけどね...。」
「...すみません。余計な事を...。」
「いえ!良いんです。そのお陰で、姉からこの仕事を紹介して貰えたので寧ろラッキーです(笑)」
「美幸君...。」
「あ、ホラ!早く帰りましょう!皆が待ってますよ。」
そう言うと美幸は晴の手を引き歩き始めたのだった。




