episode64
(推し達と沖縄ロケに来たはずが、どうしてこんな事に――?!)
無事撮影を終えた美幸とLUMINOUSのメンバーは中日が一日空く!沖縄観光だ!と喜んだのも束の間であった。LUMINOUSはドームツアーに向けてレッスンをすることになったのだ。と、言う事は美幸一人が暇を持て余すことになる。どうしようか......と悩んでいると、黒川が横から現れとんでもない事を言いだした。
「美幸は明日一日私と沖縄デートですよ♡」
「か、一樹さん?!」
「さぁ。ホテルでシャワー浴びましょうねー」
そんなこんなで今美幸はシャワーを浴びていた。美幸の心の中は期待と緊張が織り交ざってぐちゃぐちゃになっていた。
"明日デートなのは百歩譲っていいとして、シャワー浴び終わったらどうするの?!そういう流れになるの?!"
蛇口をキュッと締め身体を拭きバスローブ姿でバスルームから出る。すると黒川の姿がない事に気がつき部屋を見渡す。するとカーテンがゆらりと揺れているのに気付いた。どうやらベランダにいるようだ。美幸はふといたずら心に火が付き、音を立てずそろりと近寄って行った。近づくにつれ嗅ぎなれない匂いがした。......これは煙草の匂いだ。美幸は思い切って後ろから勢いよく抱き着いてみせた。
「うわっ!!美幸?!危ないでしょう!!」
「一樹さん、煙草吸うんですか?」
「あ......えぇ。嫌でしたか?」
「嫌じゃない。大人の匂いって感じで......す、好きだなァって思って」
美幸がそう言うと、黒川は煙草を一吸いすると美幸に口づけてきた。黒川が吹き出した煙を思い切り吸い込んでしまった美幸は、けほけほとむせ返った。
「ハハッ。美幸にはまだ大人の味は早かったですかね?」
「......!バカにしてます?」
「いや?ただただ愛おしいと思っているよ」
黒川はダンスへと誘うかのように美幸の手を引くと、そのままベッドのそばに来て美幸の身体をベッドへと沈めた。そして乱暴にネクタイを緩め、舌なめずりをすると、美幸の首筋に顔を埋めた。
「あぁ。このまま食べてしまいたい......」
「一樹、さん?」
「こんな無防備ではダメですよ?理性が保てなくなる......私ですら危ういのにこんな男を誘うような恰好をして......」
そう言いながら身体を離す黒川に少し不満を持ってしまった自分がいるのに驚いた。まるでその先の行為を望んでいるかのような......。
「美幸?どうしました?」
「な、んでもないです!明日どこいこーかなーって!」
「まったく......まるで危機感のない......」
「?」
「まぁ、今はいいです。でも明日も同じ様子なら"オレ"も我慢出来ねぇからな?明日はオレだけを推してろよ?」
か、かっこよすぎる......オレの彼氏が今までに見せない一面を見せてくる!もう推し達を推すとき以上かと思う程に胸が高鳴った。




