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推しゴト!!  作者: 朱音小夏


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episode63

さて、美幸の衣装問題はあとでクレームを入れるとして、皆でビーチへと向かう。すると、撮影準備は済んでいてあとは撮影をするのみ。


「MIYUKIさんはそこの岩に腰掛けて......そう。LUMINOUSのの皆さんはMIYUKIさんを囲うように......そうですそうです!いい感じです!晴さん、もう少し顔を近づけて。いいですよ!MIYUKIさんはもう少し視線を下げて......」

「ダメダメ!MIYUKIチャン!色気が足りてない!もっとエロスを感じさせて!」


森はイマイチ美幸の表情に納得していないようであった。そして、一旦休憩となり、美幸は黒川に渡された水を飲む。美幸はイマイチ色気の出し方が分からず、自信が無くなりつつあった。そんな様子を見て、黒川は美幸の手からペットボトルを受け取り、水を口に含むと、そのまま美幸に口移しをした。幸い誰にも見られてはいなかった。


「か、一樹さ......」

「MIYUKI。今の顔、とても色っぽいですよ?初仕事の時だって出来ていたじゃないですか。大丈夫。あの時を思い出して。そして今の口づけを忘れずに、ね?」

「撮影再開しまーす!」

「ほら。行っておいで?あなたなら出来るはずですよ"美幸"」


美幸は初めて呼び捨てされた事に驚きながら、後ろ髪を引かれる思いで撮影へと戻って行く。周りからは暑さのせいで顔が赤くなっていると思われているが、そうではない。しかし、黒川のお陰で自分に出せていない色気がどんなものか分かった気がする。


「美幸、大丈夫か?」

「え?......うん。もう大丈夫」


翔汰に声がかけられたがもう大丈夫な気しかしない。それも黒川のお陰だ。撮影が再開されると、美幸の表情は先程までとは違い、どこか危うい色っぽさが感じられる。森はそんな美幸の表情を見て「いける!」と確信した。


「MIYUKIチャン!いいわよ!その表情をキープして......うん、完璧よ!そのまま、流し目頂戴!OK!これで六人での撮影は終わりよ。あとは個別にMIYUKIチャンと撮るのみだけだから、順番にね!」


美幸はまだまだ気が抜けないと思いながら、全員とのツーショットを交互に撮っていく。もう、リテイクなどは撮る事もなくスムーズに一発OKが出た。撮影が終る頃、もう日が暮れようとしていた。


「さぁ、撮影はコレで終わりよ。もっと手こずると思って予備日設けていたけど必要なかったわね」

「......てことは?」

「明日は自由時間!......と言いたいところだけど、よっちゃんからの伝言。撮影が早く終わると思うからスタジオ借りておいてあるのでレッスンする事!......だそうよ?」

「「ええええ!沖縄旅行は?!」」

「残念ながらなしね」


美幸を除く五人は落胆しながら、ホテルへと戻って行った。美幸はそこでふと思った。"オレは明日どう過ごせば?"と。そこで黒川がヒョイッと現れてこう言った。


「明日、美幸君は私とデートですよ」と。


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