episode61
「美幸君!気にしなくていいんですからね?!」
「いやぁ、無理があるわよ、黒川君。そ・し・て!私は別に交際を許すとは言ってないわよ!」
喜子はそう言うと、LUMINOUSのメンバーを呼んできた。
「社長?なんれすかー?」
「皆、残念なお知らせよ。黒川君と美幸がお付き合いを始めようとしているわ」
「「はぁ?!」」
皆酔いがさめました!と言わんばかりに大声を上げた。そして、誰もかが思ったことを口にする。
「普通、オレたちの中の誰かじゃないのか?!」
「え......オレ、LUMINOUSはいちファンなだけで......恋愛対象として見た事は......」
「みんなとチューしたじゃん!」
そう澪里が言うと、喜子が黙っていなかった。なんだって?みんなとチューをした?何があってそうなった!!
「美幸......どういうことなの?」
「だ、だって、あれはファンサでしょ?!違うとは言われたけどオレはそうとしか捉えられないから!」
この言葉にショックを受けた翔汰達。ぶっちゃけた話し、彼らは本気で美幸の事を好いていたのだった。それが横から黒川にかっさらわれたのだ。許せるわけがない。
「黒川さん!美幸をかけて勝負を......!」
「......受けて立ちますよ?美幸さんを手に入れるためなら」
「一樹さん......かっこいい......」
これ、勝ち目無くね?と誰もかが思った。そして、理がゆらりと立ち上がり、ビールを手に持つと、黒川の肩ののしかかり、黒川に問うた。
「黒川さんは、よっちゃんのこと幸せにする覚悟があるんだよな?」
「もちろんです。彼を幸せに出来るのは私だけだと思っています」
もはやプロポーズの様である。そして、そっと立ち上がると黒川は喜子とLUMINOUSのメンバーに頭を下げた。
「たしかに、私達は出会って間もないです。しかし、私は本気で美幸さんを思っています。......どうか交際の許可をいただくことは出来ないでしょうか」
「......公私混同はしないわね?」
「もちろんです。ですが、マネージャーとして一番近くで彼を応援したい。そう思っています」
「黒川君......合格ぅー!!合格よ!貴方になら美幸を任せられるわ」
黒川はポカーンとした顔で喜子を見た。するとLUMINOUSのメンバーも「うんうん」と頷き始めた。
「確かにオレ達も美幸には好意を持っている。だが、だからこそ美幸には幸せになってもらいたい」
「......よっしーを手放すのはしたくないけど、お兄ちゃんとして見守ってあげる」
皆の言葉に美幸は心が温かくなる。美幸は黒川に目をやると、黒川も美幸を見ていた。あぁ、この人が好きだ。この人と共にこれからを歩んでいきたい。そんな気持ちが美幸の心を占めたのであった。




