episode56
そうして9時になると、時間ぴったりに黒川と白田が迎えに来た。各自それぞれの車に乗ると、今日の仕事について話しがされた。
「MIYUKI。今日はもう分っていると思いますが、LUMINOUSと合同での"virtus"の広告の仕事の打ち合わせです。まぁ、見知った顔ばかりなので緊張はしないと思いますが...。」
「大丈夫です。黒川さん、いつも心配してくれてありがとうございます。」
美幸からのお礼の言葉に、黒川は目頭が熱くなるのを感じた。
「え、え?!なんで泣いてるんですか?!ちょ、黒川さん!危ない危ない!!」
「いえ、初めて持ったタレントからそんな嬉しい事を言われるとは思いもよらず...。感極まってしまって...。」
「そ、そんなに...。でも本音ですから。頼りにしてますよ。"マネージャー"!」
黒川は初めて持ったタレントが美幸で本当に良かったと感じた。それと共に、LUMINOUSのマネージャーである白田に同情した。アレをまとめるのは一苦労しそうだ、と。
「私も頼りにしてますよ。"MIYUKI"。」
お互いが良いビジネスパートナーとなった気がした2人は車内でも楽しく会話をしながら事務所へと向かった。
「いーないーなー。僕もあっちの車がよかったー!ヨシ君と一緒がいいー!」
「ほほう、澪里。私の車では納得しない、と?」
「白田さん最近怖いんだもん!それこそ、社長との関係が露呈してから!
「...美幸さんにはまだ言わないでくださいよ?」
「言おうと思ってたけど忘れっちゃたんだよね(笑)」
白田は思った。頭が足りていないメンツで良かった、と。
「いいですか?ドームツアーが無事成功するまでこの話しは美幸さんにはしない事!いいですね?!」
「「ハーイ」」
「...なんともまぁ、気のない返事で...。」
事務所まではもうわずか。話しを聞くと、森氏も来ているそうなので、なかなか賑やかな打ち合わせになりそうだ。
「MIYUKI、着きましたよ。」
「ありがとうございます。運転お疲れ様でした!」
「ほら!事務所に着きましたよ!!皆起きなさい!!」
「私、担当タレントがMIYUKIで本当によかったと今しみじみと感じています。」
「...白田さん、大変そうですね...。」
こうして合流した2組は、揃って事務所へと入って行く。そこに待ち受けていたのは、社長である喜子と、virtusのデザイナーの森氏。なんだか2人の後ろに黒いものが見える...。
「よく来たわね!迷える子羊たちよ!今回の商品は口紅!"男達を虜にする"をテーマに、MIYUKIチャンを中心にLUMINOUSのメンバーがMIYUKIチャンを取り合う的な画を撮りたいのよ!!」
要するにBL商法ですね...。はい。




