episode35
「こちらとしては願ってもない申し出です!話題のMIYUKIさんが出てくれるなら是非!」
「...いいですよね?黒川さん。」
「ハァ...仕方ありませんね。MIYUKI、思う存分暴れてきてください。」
そうして急遽撮影に参加する事になった美幸。それに対して面白くないのはGRAYだ。
「なんでオレ様が新人と撮らなきゃなんねーんだよ。」
「ま、まぁまぁ。所詮GRAY君の引き立て役だよ。」
「フンッ。なら精々いい駒になってもらわねぇとな。」
美幸がヘアメイクをされている時、黒川の耳に入ってきたGRAYとそのマネージャーの会話である。これは面白い事になりそうだ。せいぜい今だけ可愛く吠えているがいい。黒川はそうほくそ笑んだ。
「MIYUKIさん、準備完了でーす!」
そうして出てきた美幸に言葉を失ったのはGRAYだけではない。それもそうだ。先程まで気弱そうな青年だったのが、自信に満ち溢れ、隠していた色気を全面に押し出しているのだから。
「それじゃあGRAY君。よろしくね?」
美幸はそう言うと不敵に笑う。GRAYは思わず見とれていた自分に気がつくと「そんなバカな」と呟く。
「それじゃあまず、GRAY君、椅子に座って。MIYUKI君はその足に頭を乗せて目線をこっちに!」
カメラマンの指示に従いポーズを次々に決めていく。その場にいる誰もかが息を飲んだ。カメラマンもシャッターを切る手が止まらない。
「最後に一輪の花に2人で口づけるように...そう!いいよいいよ!...ハイ!以上で撮影は終わります!」
その言葉でようやく皆が息をする事が出来るようになった。
「凄いよあの新人...MIYUKI?だっけ?リテイク無しじゃん。」
「GRAY君も途中から引っ張られてたよね...」
撮影が終わったので着替えに入ろうとした美幸だったが、その時、「あの!」と声をかけられた。声の主はGRAYだ。
「さっきは生意気言ってすんませんでした。...途中から引っ張ってもらって...助かりました。」
「少しは役に立てたかな?」
「役に立つなんて...!とんでもないっす。」
「そう?なら良かった。それじゃあ、最後にこれだけ。」
美幸はそう言うとGRAYにそっと耳打ちした。
「今度LUMINOUSをバカにしたら...許さないからね?」




