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推しゴト!!  作者: 朱音小夏


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32/67

episode31

「ねーねー見た?!virtusの新しい広告!」

「見た見た!駅前にドーンって掲示されてたよね!マジ翔汰色っぽかったぁ!流石私の推し!」

「翔汰もだけどさぁ、あの相手役!あれ誰なの?!初めて見たんだけど!」


道行く人々がらvirtusの広告で盛り上がっていた。そして"謎のモデル"として広告以上にMIYUKIの事が話題になっていた。


「"ベールに包まれた謎のモデルMIYUKI"ですって。想像以上に注目されちゃったわね?」

「...やめてよ、恥ずかしい...」


美幸は朝のうちにシェアハウスでの仕事を終わらせた。そしてリビングで一息ついていると、黒川が訪ねて来て、「社長がお話しがあるそうなので一緒に来ていただけますか?」と言ってきたので慌てて身支度をした。そして黒川の運転する車で事務所に向かっていると、黒川はとても機嫌が良さそうだった。事務所に着くと、喜子が一冊の雑誌のとあるページを開くと、先のセリフへと繋がるのであった。


「どう?ここまで注目を集めたのよ?"仮"はやめて本契約を結びましょう?」

「そうですよ、美幸さん。今、駅前は凄いことになっていますし、SNSのトレンドにも入っていますよ?」


「ホラ。」と言って黒川はSNSの画面を見せてきた。そこには"virtus モデル"、"MIYUKI"との文字が踊っていた。


「なんなら今から駅前行ってみる?」


その喜子の言葉により、美幸、喜子、黒川の3人は駅前へと向かった。そしてそこでは、翔汰の広告と写真を撮る人、MIYUKIの広告と写真を撮る人、人、人、人で溢れていた。


「な、なにこれ...」

「これが貴方の実力よ。ね、もっと大きな舞台へ羽ばたいてみない?」

「え?それって...」


美幸が言葉を続けようとしたその時だった。美幸は一人の女性と目が合うと女性は目を見開き、美幸を指さしながら駆け寄って来た。


「あの、あの!広告のモデルさんですよね?!えっと...たしか...MIYUKIさん!」

「えっと...一応?」

「ー!!握手してもらってもいいですか?!」

「あ、はい。」


女性はなるべく目立たないように小声で話しかけて来てくれて、握手に応えると嬉しそうに「ありがとうございます!これから全力で推します!」と言って去って行った。


「推すとまで言われたら、もう逃げられないわね?」

「...分かった。分かったから、逃げないから2人とも手を離して?」


そう言うと2人は美幸の手を離すと満面の笑みを浮かべ、


「どんどん売り込むわよー!!」


と、声高らかに宣言した。

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