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推しゴト!!  作者: 朱音小夏


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31/67

episode30

「それで?今日の撮影はどうでしたか?」

「素人とは思えない出来栄えだったぜ?な、美幸!」

「...美幸君に聞いたのに何故翔汰が答えるんですか?」


買ってきたケーキを食べながら話していると、晴と翔汰はバチバチと火花を散らし始めた。その様子を他所に澪里が「ヨシ君イチゴあげるー!あーん!」と言ってきたので美幸はありがたくいただくことにした。


「おい!何イチャイチャしてやがる!イチゴが食べたきゃオレがやるのに!」

「そうですよ、澪里!抜け駆けは禁止と言い出したのは貴方でしょう!」

「..."抜け駆け"?」


"抜け駆け"とはなんだろう、そう思った美幸が聞く前に、「早い者勝ちだよー!」と澪里が美幸に抱きついてきた。そして「ケーキ美味しいねぇ!」と美幸に頬づりをし始めた。


「わっ!ヨシ君お肌すべすべ!手入れどうしてるの?」

「い、いえ。特別な事は何も...」

「美幸は昔からハトムギ愛用よ。」

「まさかのプチプラ!やっぱり食生活もあるのかなぁ...?」


「ヨシ君の料理、栄養バランス良いし。」そう褒められると美幸は照れくさくなってしまう。自分としては当たり前の事をしているだけだからだ。それがこんなに評価してもらえるなんて...。作った甲斐があるものだ。


「そーだ。よっしー最近ログインしてないよねー?」

「あ...忙しくて夜も爆睡してました...」

「じゃー、今日クエスト行こーよ!そろそろ新しい武器作りたいし!」


聖からのゲームの誘いに美幸は嬉しくなって、「分かりました!是非ご一緒させて下さい!」と言った。すると、聖は少し黙って何かを考えているようだった。


「?聖さん?」

「よっしーさぁ、いつも敬語じゃん?もういいと思うんだよねー。」


「名前も"さん"付けだし。」そう聖が言うと、他のメンバーも「そうだ!」と気がつくのだった。


「い、いえ、それは一応雇われてる身ですし...。お名前も流石に呼び捨ては恐れ多いと言いますか...」

「じゃー、名前は"さん"付けでも良いから敬語はとってよー。」

「そーだぞ!敬語とか距離感じて寂しいじゃんか!」

「は、晴さんだって敬語じゃないですか!」


「晴のはキャラだからいいんだよ。」と真顔で言われてしまって、美幸は後がない状態だった。


「わ、分かった...。敬語は無くす...努力する。」


「これで良い?」と無意識な上目遣いで尋ねると、全員が全員、「無自覚怖い」と思うのだった。

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