episode22
「お2人共、お疲れ様でした。これで後は撮影の日を迎えるのみです。翔汰はこれからレッスンがあるので事務所へ。...そうだ。なんなら美幸さんも見学に来ますか?」
「え?い、良いんですか?」
「お!良いじゃねぇか!美幸が来たとなればアイツらもヤル気出すぞ(笑)」
「えっと...じゃあ何か差し入れを持っていきたいのですが...。」
「翔汰さん何が良いですか?」と美幸が尋ねると翔汰は暫く考え、「甘いもんかなぁ。体力使ってっし。」と答えた。休憩の合間に手軽に食べられる甘い物...。と考えていると、黒川が声をかけてきた。
「でしたらドーナツはどうでしょう?人気の店がこの近くにありますよ。」
ドーナツか。フム。それなら皆喜んでくれるだろう。そう美幸は考えると、黒川に「そこに向かって貰えますか?」とお願いする。すると美幸の隣で翔汰がルンルン気分になっていた。どうやら"甘い物"と言ったのは自分が食べたいだけのようだ。
「翔汰さん。オレ、まだ皆さんの好みが把握出来ていないので翔汰さんに選んで貰っても良いですか?」
「!仕方ねぇなぁ!オレに任せろ!」
何ともまぁ、扱いやすい人だろう。美幸は勿論、黒川も同じ感想を抱いた。そしてドーナツ店の近くのパーキングに車を停めドーナツ店へと向かった。平日ではあるが、そこそこ列が出来ている。
「土日はもっと並ぶらしいですよ。」
黒川の言葉に翔汰は「うげぇ」と声を漏らした。
「翔汰、貴方が選ぶと了承したんでしょう?大人しく列に並びなさい。」
「...お前らは良いよな。帽子もマスクもしなくて良いんだからよ。」
「仕方ないでしょう。貴方はオーラが凄いんですから帽子とマスクをしていないと騒ぎになります。」
「...それでも、コッチをチラチラ見ている人はいますけどね...。」
それはそうだ。翔汰だけでなく、黒川もスーツを着こなし、大人の男と言う雰囲気を醸し出しているし、美幸もイメチェンのお陰もあり美形の部類に入る。そんなイケメン3人組がドーナツ店に並んでいるのだ。目立たない訳がない。そうこうしている間に順番が美幸達に回って来た。翔汰は並んでいるドーナツの中からメンバーの分、美幸の分、黒川、白田、喜子の分を注文した。黒川は財布を取り出そうとしたが、美幸がそれを阻止した。
「差し入れをしたいと言ったのはオレです。だからオレに出させて下さい。」
「しかし...。」
「良いじゃねぇか。"美幸から"って言った方がアイツらも喜ぶだろう?」
「...それもそうですね。では私はコンビニで何か飲み物を買う事にします。」
そう言うと美幸はドーナツの代金を支払い、店員から箱を受け取ると、翔汰はとても機嫌が良くなった。さぁ、これから事務所にサプライズをしに行きますか。




