episode20
翌朝、朝食を6人でとっていると、チャイムが"ピンポーン"と鳴らされた。インターフォンを確認すると、白田と黒川が立っていた。美幸がパタパタと玄関へと向かうと、2人が「おはようございます」と言って入って来た。
「翔汰達はもう起きていますか?」
「はい。今は朝食を食べてますよ。」
「コーヒー飲みますか?」と尋ねると、2人共「いただきます。」と言ってリビングのソファーへと腰掛けた。
「黒川さんも一緒にいると言う事は...」
「お察しの通り、私は美幸と翔汰の迎えに来ました。先方が撮影前に一度お会いしたいと仰っているので。」
「な、なる程...。」
「そう固くならなくて大丈夫ですよ。...ちょっと変わった人らしいのですが...。」
"変わった人"と言う発言に美幸は少し不安になるが、黒川の"大丈夫"と言う言葉を信じる事にした。
「あ、あの今更なんですけど...。」
「?なんでしょう?」
「モデルって一体なんのモデルなんでしょうか?」
美幸がそう言うと、みそ汁を飲んでいた翔汰がみそ汁を吹き出しそうになった。ゴホッゴホッとむせて、落ち着きを取り戻すと、翔汰は大声で美幸を責め立てた。
「お、お前!何も知らないで仕事受けたんかよ!信じらんねー!!」
「そ、そこまで言わなくてもいいでしょう!」
「そうですよ翔汰。私も"モデル"としか言わなかったのがいけなかったんですから。」
黒川はそう言うと、コーヒーカップをテーブルに置き、美幸を見やった。
「今回は香水のイメージモデルです。男性の色気と魅力を引き立たせると言うモチーフだそうです。」
「い、色気、ですか?」
「はい。色気です。」
美幸は急にやれるか心配になった。自分に色気があるとは思えない。そう感じたからだ。
「美幸。ビビってんじゃねーよ。安心しろ。オレがお前の色気を引き出してやるよ。」
翔汰はそう言うとニヤリと笑った。
「と、言う訳です。大丈夫。翔汰に任せておけば自然と世界に入り込めます。」
「翔汰は他人の魅力を引き出すのに長けていますから。」黒川はそう言うと残りのコーヒーを飲み干した。そうしている間に全員がちょを食べ終えた。
「さぁさ、皆さん!今日も楽しいお仕事が待っていますよ!」
白田がそう言うと全員が動き始める。今日も今日とて、美幸にとって目新しい1日が始まる。




