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私は番様とお話した内容を、執事さんに報告した。


「ーー以上です」


「よくやりました。番様と会話が出来るとは…これでエドワード様もお喜びになるでしょう」


にこやかに言葉を紡ぐ執事さんはとても嬉しそうだ。

それもそのはず、番様はこの屋敷に来て何の反応も示さなかったらしいから。

番様とご一緒した時には部屋にエドワード様はおられなかった。自分が一緒だと番様が嫌な思いをするだろうという配慮からだ。

執事さんにとっては、そんな二人の関係にほんの少しの光が射し込んだように感じるのだろう。


「貴女にはこれから番様の付き人になってもらいます。本当でしたら、侍女にするべきなんでしょうが…貴女には荷が重いでしょう?」


よくわかってらっしゃる。

ええ、私には貴族としての教養は微塵もありませんし、何よりも「責任」というものが大嫌いだ。

…私としては、このままずっと下働きの皿洗いとかでいたかったなぁ…


「付き人って何をしたらいいんでしょうか?」


私が疑問に思ったことを口にすると執事さんは安心して下さいと言ってくれた。


「ただ、一緒にいるだけでいいです。そして番様のお話相手になって下さい。できれば、エドワード様との仲を取り持って頂けると最高ですね」


「いや、流石にそれは…荷が重いです…」


「貴女のご活躍、期待してますよ」


そうしてにっこり私に微笑む執事さんはとても顔が良かった。

う"う"…推しの顔が良い…



こうして、私は番様の付き人になった。






「アル、彼女の様子はどうだった?」


僕は己の執事に今日の番の様子を聞いた。

今日は僕の愛する番が少しでも興味を持てばと異世界人と交流をさせた日だ。


「番様はエレナと打ち解けられたようです。名前を呼ぶ許可を頂いたとか」


「なにそれ!うらやましい!!!」


僕は自己紹介すらしてもらえないのに。

仕方ないとはいえ、余りの悔しさに思ったことがそのまま口を飛び出した。


「でも、そっか…。彼女の興味を引くことが出来たんだ…良かった」


僕の番は僕が会いに行くといつも僕を睨み付ける。

僕と彼女の出逢いは最悪だった。

彼女にとって僕のしたことはとても許せることではないのだろう。

この屋敷には彼女の故郷の人は誰もいない。

ひとりぼっちの彼女は与えられた部屋でただ、じっと1日を過ごす。

彼女が好きそうな物を色々取り寄せても、何も反応せずじっと口を閉ざす。


そんな彼女が、興味を寄せた異世界人には感謝をするしかない。

僕の愛する番が、少しでも心を許せる存在が出来たのなら。

それはとても喜ばしいことだ。


「エレナには番様の付き人になるように申し付けました」


有能な執事は僕の考えをお見通しのようだ。


「そうだな、それがいい。僕の番は、喜んでくれるかな?」


そわそわと執事を見るといつもの笑顔で彼は答えた。


「喜ばれると良いですね」


僕も異世界人と話してみたいな。

僕の愛する番が興味を持った世界を知りたい。

そう思いながら、今後の話を僕は執事とした。



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