第16話 決着!
矢を受け吹き飛んだあまねに近寄る。動かないが気絶しているだけで死んでいるわけではないようだ。たぶん。
緊張の糸が途切れ、ペタンと地面に座り込んだ。周りではるるりんと李が、ステファニーと徳川が戦っていたが私にできる事は何も無さそうだ。
空に舞い上がった蛇苺さまは呪文を唱え、杖に魔力を充填していた。睦子さまに時間を稼ぐよう指示していたところを見るに、用意が大変な魔法を使うようだ。
「睦子!みんな!あいつから離れて!」
私は気絶したあまねを背負ってステファニーから距離を取るように走る。睦子さまの徳川も触手を振りほどき、足裏のキャタピラをフル稼働させて退避した。
「コードメテオ『ブレイジングスター』!」
蛇苺さまが魔力を帯びた杖を振るうと、杖が発した閃光が闇夜を切り裂く。その亀裂から隕石群が降り注いだ。灼熱の高速弾と衝撃波がステファニーを貫き、グラウンドを抉り、ゴールポストを破壊した。ステファニーの鳴き声がグラウンドに響き渡る。
「あー!ストップ、ストップ!参った!ってかやりすぎだろ!」
るるりんと戦っていた李が両手を上げて降参のポーズを取る。それを見た蛇苺さまが杖を下すと、空の亀裂が閉じ、隕石は降り止んだ。半死反生のステファニーが触手から粘液を振り撒きつつ地中に戻っていった。
「やあ、これで片付いたね」
蛇苺さまが空から降りてきて私の隣にふわりと着地する。
「片付いたっていうか…散らかったっていうか…」
見回すと、グラウンドはステファニーの開けた穴やら隕石によるクレーターやらで滅茶苦茶になっていた。
「そこは大丈夫。朝まではまだ時間がある。アンダーカバーの連中が上手くやってくれるさ。前回もそうだったろう?」
前回…?とひとしきり考えて私は綺麗に元に戻っていた制服や教室の事を思い出した。多分、そういう事なのだろう。
「さて、人が来ないうちに撤収しよう。るるりん、こいつらを連行するのを手伝ってくれ。結合ちゃんは帰っていいよ」
帰っていいよ、と言われましても。この服どうすればいいんだろう?と疑問を生じると同時に「力」で編まれた服は分解・再構築され元の制服に戻った。どうやら私が戻れと念じると元に戻るようだ。出ろと念じても何も出てこなかったのに戻す時は一瞬か。意外と不便だな、これ。
…などと一人で考えを巡らせている間にみんなも徳川も消えていた。
「聞きたいこと山ほどあるのに!」
静寂を取り戻したグラウンドで私はひとり地団駄を踏んだ。




