第15話 超巨大バトル!
あまねの斬撃が休みなく襲い掛かる。
「ほらほらどしたん、腰が引けてるっしょ」
「くッ」
よく考えたら元々戦闘なんてしたことがない。人を殴ったり傷つけたりした事が無い。私を殺そうとしている相手だというのに、私にはまだ迷いがあった。その迷い、油断をあまねは容赦なく刈り取る。あまねの右手が斬撃を繰り出そうとしたその時、氷の矢がその爪を弾いた。
「結合ちゃん、迷うな!」
「わかってます!けど…!」
蛇苺さまが再び私の元に駆け付けた。光の剣と魔法の杖があまねに突き付けられる。
「ちゃべ~これじゃあーし超絶不利じゃん。でも、あーしも負けられないんだよね。後がないってゆーか。…騒がしくするなって言われてるから使うつもりは無かったんだけど」
あまねはストラップがジャラジャラと付いたスマホを取り出すと、やおら通話を始めた。
「あーうん。ハカセ?そうそうあーし。緊急事態?ってやつ。アレ、やっちゃってー」
私と蛇苺さまが顔を見合わせていると、突然地鳴りがした。グラウンドの一部がひび割れ、裂け、そこから無数の吸盤が付いた巨大な触手が飛び出してきた。間も無く、その正体が姿を現す。それは背丈が校舎ほどもある巨大な怪物だった。
「正真正銘、これが奥の手!やっちゃえステファニー」
あまりにも似つかわしくない名前!あまねが指示するとそのステファニーと呼ばれた怪物の双眸が私達を捉え、触手が飛んできた。大振りの触手を躱し、光の剣で斬りつけてみたものの、大したダメージにはなっていないようだった。
「こんなものまで出してくるとは…。こちらも玩具を出すしかないようだね…」
蛇苺さまは一息吸うと、張り裂けんばかりの大声で叫んだ!
「睦子ぉーーーーー!!」
一拍遅れて空からなにかが落ちてくる。
『徳川キィーック!』
拡声器を通した声と共にそれは落ちてきた。キャタピラの付きのキックがステファニーの体躯に突き刺さる。それはステファニー同様、巨大な何かだった。ロボット?そう、ロボットとしか形容しようが無い。まるで子供の落書きか、積み木を組み上げたようなロボット。左手はCの字をしたクロー。右手にはドリルを備えていた。
「あれは徳川。睦子のオモチャさ」
つまりあの不格好なロボット…徳川には睦子さまが搭乗しているらしい。
徳川とステファニーが取っ組み合う。ステファニーの触手が徳川に絡み、徳川のドリルがステファニーを抉る。
「睦子!時間を稼いで!」
『了解!』
徳川から返事が返ってくる。それと同時に蛇苺さまは空に飛び出して行った。
その間、私はそれを黙って眺めていたわけじゃない。
光の剣を再構築する。それは弓になり、矢になった。思い切り引き絞り、あまねに狙いをつける。当たれ!
「トライスター・オリオーン」
無意識に口走る。それがこの矢の名前。アルテミスの力を宿した必中の矢。それはどんな者にも命中する矢。そう。どんな者でも!
放たれた矢が3本に分れた。
「ちょっ!」
あまねは迫りくる矢を右手で1本、左手でもう1本を撃ち墜とす。だが残る1本を捌ききれない。その矢があまねの正中を貫いた。
▲ステファニー
▲徳川




