第14話 新たなる戦士!
あまねは肩を貸していた李を放ってダッシュする。支えを失った李が地面にばたりと倒れた。
「今度はネイルちゃんとコーティングしてきたし!簡単には折らせないよ!」
私との距離を詰めたあまねが右手のネイルを振り下ろし、私は光の剣でそれを受け止めた。ガキン!という手応えと衝撃が腕を走った。続けざまに左手ネイルによるボディーブロー。「力」が具現化した衣装のお陰でまた心臓に穴が開くような事は無かったが、その代わりにストッピングパワーを受け止めきれずに派手に吹き飛んだ。
「結合ちゃん!」
「大丈夫!なんともないです!」
蛇苺さまの悲痛な叫びに、呼応してすぐ立ち上がる。「力」のおかげか体が軽い。間も無く飛んできたあまねの追撃がグラウンドの土を抉った。
「広いとこがアタシの領分ってヤツ?本領発揮的なー」
狭い教室だと能力を発揮できなかったと言いたいらしい。
一方その頃。蛇苺さまが地面に寝っ転がった李を杖でつんつんと突いていた。
「起きろ」
「う~ん…」
寝言をい言いながら寝返りを打つ李。ゴロンと転がった李の脚が蛇苺さまの踵に当たり、蛇苺さまは転んで尻餅をついた。
「こっ…こいつ…」
「う~い」
李が今度は寝転がったまま大きく腕を振って横臥する。腕から下げた酒壷が弧を描き、蛇苺さまの帽子をかすめた。
「これは…」
お尻をパンパンとはたきながら蛇苺さまが立ち上がる。そうこれは酔拳。
「おっ、知ってる~?そう、私は…飲めば飲むほど…強くなる~。だから言うのさ、スタッガー李ってな」
涅槃像のように横臥したまま酒壷を呷る李。近距離だと不利と悟った蛇苺さまはバックステップで距離を取った。即座に杖から氷の矢を放つ。命中するかと思われた矢だが、李が酒と共に口から噴き出した炎に巻き込まれて消滅した。李がくつくつと笑った。
「飛び道具なら勝てると思った?ざーんねーん」
李がふらふらと立ち上がる。格闘家と魔女。懐に入られれば多分、蛇苺さまが不利。だがその時。
「この勝負、私めにお任せください!」
李目掛けてドドドっと銃弾が降り注ぐ。スカートをはためかせ現れたのはメイド姿のるるりんだった。両手には大きなナイフが取り付けられたハンドガンを持っている。銃口からは硝煙がたなびいていた。
「ほー珍しい。その銃…ガナトラクトを使える奴がまだ居たとはね」
「ええ。近距離だろうが遠距離だろうが私は負けませんよ」
一瞬の睨み合い。そして舞うように繰り出される、るるりんの斬撃と銃撃。だが驚くことに李はその全てをふらふらと避け、酒壷で撃ち返した。
「やるじゃあないかメイドちゃん、名を聞こうか」
「るるりんとお呼びください。ちゃんもさんも要りません」
るるりんが蛇苺さまを一瞥し、蛇苺さまが頷く。蛇苺さまはその場を離れて結合の加勢に回った。
▲るるりん(メイドの姿)
お酒は20歳になってから。




