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第13話 イケメンに頼ってはいけない

 学校のチャイムが鳴った。


 僕達は学食で4人仲良く昼飯を食べていた。僕が頼んだのはCクラスの安いハンバーグだ。他3人もCクラスの料理を食べている。


 お金があったらBクラス、大金持ちだったらAクラスのが食べれたんだけど、あいにく僕達はお金持ちでは当然ないからな。


「そういえばみなさん来ていく服は決めましたか?」


「俺は決めたぜ」


「僕はまだかな」


「私もだね」


「アイルさんが決めてないなんて珍しいですね」


「確かに。もしかして準備なんて必要ないってことか?」


「違うよ。ただ迷ってるだけだ」


「アイルも服選びで迷うんだね」


「なら俺たちが決めてやろうか?」


「いや遠慮しとくよ」


 アイルはすぐに拒否した。それはごく普通で最も賢い選択だ。こいつらに任せたらどんなヘンテコな服になることか。


「ちなみに君たち2人はどんな服にしたの?」


「俺達はなぁ、フフフッ、いってからのお楽しみだ」


「そうですよ。お楽しみです」


「ジンはどうする?」


「僕は適当に着てくよ」


 まぁそんな服のバリエーションないしな。ティマ達からもらった服でいいだろう。


「ジンちゃんと髪整えてきなよ。いや。私が整えにいってあげるよ。今日は一緒に帰ろうジン」


「え、いやいいよ」


「ジンさんここはやってもらった方がいいですよ」


「そうだぜジン」


「……わかったよ。じゃあお願いねアイル」


 仕方なくお願いすることにした。変なことにならないといいけど。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 そして放課後。僕とアイルは集合場所の噴水に来ていた。


 僕とアイルは時間10分前到着。


 ちなみにアイルはチャコールグレーのノーカラーロングコートのようなオシャレな服を着ている。僕はティマ達からもらった日本式に似たグレーのスーツを着ている。いつものパーティーとかで着たのは異世界式のスーツを着ていたけど日本のはスタイリッシュでいいな。


 ただ問題は髪型だ。元々は崩してどこにでもいるようなモブの髪型にしてたけど、アイルに頼んでしまったせいで、こんなに整った髪型にされてしまった。


 シュースルーセンターパートで6:4くらいに分けられている。こんなオシャレを僕はしたことがない。髪型を整えるなんて僕には必要ないと前世でも伸び切った髪で、邪魔だったから結んでいたくらいだ。


 アイルは僕を見てニヤニヤしている。あいつやったな。


「なぁアイルくんやぁ」


「何?」


「なぜニヤニヤしているんだい?」


 笑うようにアイルは言った。


「いやッ、その、ジンが髪整ってるのなんか違和感で」


「やっぱり馬鹿にしてただろ」


「いや、いつもは冴えない感じだったのに、今はこんなにもかっこよくなって、それがなんか面白くて」


 こいつやっぱ馬鹿にしてるな。今すぐにこの髪型を崩したい。オシャレしてる感が気持ち悪い。


 それになんか周りからの目線が気になる。いつもは目に入っても気づかれないレベルなのに。クソがッ。


「あっこら、ジン。髪あまり触りすぎないで」


「この髪型落ち着かないんだよ」


「なら少しだけ……」


 アイルは僕の髪を少し崩して慣らしてくれた。が、あまり変わらないような気もする。


「これで我慢してね。でも髪整えるの嫌なのになんで服装はそんなにもかしこまってるんだ?それに結構いい服だよねそれ」


「もらったものなんだけど、これくらいしかなかったから」


 でも確かに冴えない普通の生徒がこのスーツを着るのはおかしいか。それになんか光沢とか質感とか高級そうな感じだ。ティマ達から送られてくるのはどれも質の良いものばかりで慣れていたから気づかなかった。


 そうして集合時間ぴったりになったころ。センとマルは来た。来たのはよかった。


 けど、なんだあの服。


 センは黒の服にドクロの絵が書いてあるし鎖がズボンに垂れている。マルはまるでお母さんに選んでもらったかのような服。


 どちらも中学生かッ。と、ツッコミたくなる服をしてドヤ顔をしている。


「どうだ俺たちの服装は」


「数日前から何度も試着をして選び抜いた究極の服装です」


 本人達はいたって真剣に誇っている。これで誇れる2人に僕は心の中で拍手を送った。


「うん。すごくいいね。今日は成功間違いなしだ」


 僕は棒読みで言った。アイルは引いた顔をして言う。


「……まぁ、2人がいいなら私は」


「なんだ?アイル。俺たちの服装に見惚れたか?困るぜ」


「そうですよ。僕達の服装をそんなジロジロ見るなんて照れるじゃないですか」


「でも仕方ないか。何せこのドクロこれはあの有名な芸術家がデザインした服だ。服屋の店員さんも超褒めてくれたぜ」


「僕のは、あの超有名ファッションデザイナーが監修する服で試着してそのまま買って帰った日は街中の女性の視線は僕に向けられていたんですから」


 こいつら頭お花畑か。流石に鈍感すぎると言うか。


「ジンさんはなんかいつもとは雰囲気が違いますね」


「確かに気合い入ってるな」


「そりゃどうも」


「アイルはもう言わずとも俺には劣るがいいセンスだ」


「僕のにも劣りますがすごくいいですね」


 上から目線で2人は言った。どこからその自信は来るのだろうか。


「ありがとう。君たちには負けるかもだけど僕もしっかり選んできたからそう言ってもらえてよかったよ」


 さすがはアイル受け答えまで完璧だ。


「じゃあ早速いくか!」


「ええ!行きましょう!我らの合コンに!」


「おー」


「頑張るぞー」


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 そして、僕達は合コン会場へ向かった。道中どこか見覚えのある商品が並ぶお店とかあったけどまぁそう言うこともある。


「ちなみに会場ってどこなの?」


「合コンがある」程度しか聞いてなかったから当然知らないのだ。


「会場はあの今有名な『サイセリア』だ」


「サイセリア?」


「今すごく有名で安いのに美味しいらしくて」


 なんかとても聞いたことがあるような名前だ。


「なんでもあの『ムーン商会』が展開するお店らしいですよ」

 

「『ムーン商会』今急速に勢力を拡大している大商会だよね。私も何度かその商会の服屋に行ったことあるんだけど、どれも見たことないようなけれどすごくオシャレで質もいいから気に入ってるんだ」


「そんなんですね。今度僕も行ってみます」


「俺も今度の合コン用に買いに行こうかな」


 『ムーン商会』……『サイセリア』、街中で見た既視感のあるお店……これもしかしてティマ達が。いやそんなわけないか。


 そんな話をしているうちに会場に着いた。見た目はオシャレな感じで、人が賑わっていた。

第十三話を読んでいただきありがとうございます。


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