西の大陸/砂浜の小さな焚き火
◆ウィスラ・レーヌ――錬金工房「ラピスの釜」
ゴポッ……ポコポコ……
青いガラス瓶の内部で、液体がやわらかく光る。
「……よしっ!
この色、この温度、この香り――成功っ!!」
ルーシーがポーション瓶を掲げた。
隣でテドラも手を叩く。
「すごい!ルーシーほんと天才!!」
「これで少しでもジージーたちを守れるなら……!」
そこへマリーヌが駆け込んでくる。
「出来ましたのね!?
第1号ポーション!!」
「うんっ! これ私たちの“はじまり”だよ!」
テドラの顔も、少し誇らしげだった。
「じゃあ、さっそく鞄に入れなきゃね!」
3人は魔法の鞄へ瓶をそっと入れる。
光が一閃、瓶がふっと消える。
「……届きますように!」
その祈りは、湖の向こう、海の向こうへ――
遠く離れた仲間のもとへ。
ぱさっ。
何かが、ジージーの横に突然落ちた。
「うおっ!? いきなり……!」
リゲロが短剣を抜きかけるが――
そこにあったのは、小さなガラス瓶。
「これ……ポーション……!」
「鞄から……飛んできたのか」
セルグレンが瓶を拾い上げる。
青い光が、焚き火の灯りを反射した。
栓には、紙の留めタグ。
《第1号! みんなを守れますように!
ルーシー・テドラ・マリーヌより》
「……!」
ジージーの目が一瞬揺れた。
ミナが隣でそっと囁く。
「よかったね……繋がってる」
「……ああ。
絶対に帰る方法が、ちゃんとここにある」
握ったポーションが、
小さく温かく感じた。
「さ、じゃあ行くか」
セルグレンが立ち上がる。
リゲロも肩を回して笑う。
「方向は? どっちへ?」
「さっきの青年が言ってた。
“灰港シャルナ”とやらへ向かうのが先だ」
「船を動かせるか、確認しよう」
青年はまだ眠っている。
安全な場所へ運ぶ必要もある。
「休んでる暇はない。
仲間も、敵も、この先にいる」
ジージーは空を見上げた。
陽が昇る。
ここが戦場の匂いを帯びているのは、もう感じている。
だが――
背中を押してくれる存在がいる。
(大丈夫だ。
離れていても、みんなと一緒だ)
短杖を握る手に、力が宿る。
「行こう――俺たちの“帰る道”を探しに」
◆西大陸編、本格始動◆
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→本話の役割
•支援班のポーション完成=成長描写
•物理的&精神的な「繋がり」を強調
•西大陸探索スタート位置を鮮明化




