◆『装備改善編 ― バルナード武具店の荒くれ親方 ―』
【前書き】
今回は、
ジージー・セルグレン・リゲロの装備改善回!
冒険者ギルドの副長エーリッヒの案内で、
町でも評判の武具店へ向かう三人。
・店主ベルム(画像準拠)
・ジージーの“棒術向け短杖”の選定
・セル&リゲロの装備相談
・すでに広まり始めている「北送りを潰した英雄」の噂
このあたりを中心に、
コミカルかつ温かい回として描きます。
では本編へ!
【本編】
ウィスラ・レーヌの石畳を三人と副長エーリッヒが歩く。
昼下がりの市場は活気に満ち、どこか誇らしげな視線が彼らを追った。
「ね、副長さん……なんか視線、多くないですか?」
ジージーが小声で問うと、エーリッヒは苦笑を浮かべた。
「当たり前だ。お前たち……いや、特に“ジージー”の活躍は、もう町中に広まっている」
「へっ!?なんで私だけ!?」
「テドラとミーロの件で、最初に名が出たのが“金髪の小さな冒険者”だったからだ。まぁ、しかたないな」
(※マリーヌの広報力が強すぎる説あり)
セルグレンが肩を叩く。
「ジージー、こういう時は胸張って歩けばいい。町が“お前を歓迎してる”ってこった」
リゲロも頷く。
「未熟な冒険者が、命を張って子どもを救った。誇っていい」
「そんな大げさな……!」
ジージーは真っ赤になりながら耳まで隠した。
ちょうどその時。
「おお!? あれ見ろ! 例の子だ!」
「北送りを止めた勇者だって!!」
「がんばれよ、小さな冒険者さん!」
町のおばさんたちまで手を振ってくる。
ジージー:「やめてぇぇぇぇぇぇ!!」
セルグレン(満足げ):「よかったなぁ」
ミナ(透明状態):「人気者ですねぇジージーさん♡」
リゲロ:「……騒がしいが、悪くはない」
そして四人は一軒の店の前で立ち止まった。
⸻
◆◆ 「鉄と風のはざま」ベルム鍛冶店 ◆◆
軒先に吊るされた鉄器が乾いた音を鳴らす。
中から、渋い声が響いてきた。
「入るなら入ってこい! 扉の前で固まってんじゃねぇ!」
ジージー:「ひっ!?」
セルグレン:「なんだ、怒ってんのか?」
エーリッヒ:「あれで普通だ。気にするな」
扉を開けると、
そこには――
例の立派なひげの武具職人ベルムが腕を組んで立っていた。
「おう、副長。そっちの三人が、噂の新人か?」
エーリッヒ:「うむ。装備改善の相談だ。頼む、ベルム」
ベルムは三人の顔をじろりと見て……
「まずは、ちっこいの」
ジージー:「!? え、私!?」
「棒術使いだな。背丈と重心の置き方、それから“間合いの癖”が出てる」
ジージー:「(ちょ、ちょっとの動きでそんなにわかるの!?)」
ベルムは無言で棚から数本の杖を取り出し、
ジージーの手に一本渡した。
「持て」
ジージーは半信半疑で短杖を握った。
その瞬間――
手が自然に“形”を作った。
ベルム:「……ほう。やはり“杖の子”か。なら素材はこれだな」
奥から
くすんだ灰色の木――
**《風樫》**の杖を持ってくる。
ベルム:「軽いが折れねぇ。風抜けが良くて振りも速い。お前みたいに小柄なタイプには最適だ」
ジージー:「……すごい。なんか……手に馴染む!」
ミナ:「似合いますよジージーさん♡」
セルグレンも感心して腕を組む。
「へぇ……道具ってのは相性なんだなぁ」
ベルム:「次、でかいの」
セルグレン:「あいよ」
「筋骨は悪くねぇが、肩と肘に無駄が多い。鈍器よりも“片刃の中型剣”のほうが性格に合う」
セルグレン:「お、おう……なんでバレんだよ」
リゲロ:「当然だろうな。武の匂いでわかる」
ベルム:「お前さんは……細剣か。体の動かし方が軽い。無駄がない」
リゲロ:「……見抜かれたか」
ベルムはそれぞれに似合う形の武器を揃え、
店の奥に置かれた椅子にドカッと座った。
「――さて。支払いは?」
ジージー:「うっ……!」
セルグレン:「……はぁ、そろそろ財布がきついなぁ」
リゲロ(冷静):「だが装備は必要だ」
エーリッヒ:「安心しろ。領主から“礼金”が出ている」
三人:「!?」
ベルムはひげをゆらしながら笑った。
「町の子どもを救った冒険者だ。恩人への投資は惜しまんってさ」
ジージー:「そんな……ありがたい……」
エーリッヒ:「ただし――腕を磨け。弱者を救った英雄が、次に負けるようでは困る」
その言葉に三人は背筋を伸ばす。
ジージー:「……はい!!」
セルグレン:「任せとけ!」
リゲロ:「必ず強くなる」
ベルム:「よし、いい目だ。若いってのは羨ましいな」
町の外では風が吹き、
新しい杖の先端がわずかに震えた。
三人の第二段階が、ここから始まる。
⸻
【後書き】
今回は“装備改善回”として、
・ベルム鍛冶店(渋いオヤジ職人)デビュー
・ジージーの短杖=《風樫の杖》誕生
・三人の武器がそれぞれ最適化
・町に広まりはじめたジージーの名声
を描きました!
次回は――
《ギルド周辺での新たな依頼 → 町の若者エピソードへ接続》




