特別話 **『レーヌ湖畔公国・ウィスラ・レーヌ領主邸 マリーヌのお部屋で会議! ― 3人のはじまり ―』**
――前書き――
この特別話では、
ジージーたち本編の裏で進んでいた
「少女たちのはじめての会議」
を描きます。
本編では触れきれない、
レーヌ湖畔公国の社会構造・街・領主家の雰囲気・少女の目線から見える“英雄”像――
を静かに描きます。
では本編です。
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【本編】
◆ ウィスラ・レーヌ領主邸・マリーヌの私室
窓の外には、夕焼けに染まる レーヌ湖 が広がっていた。
湖面は金色に輝き、町を照らす光が柔らかく部屋に差し込む。
部屋は広く、白を基調にしたクラシカル調。
机の上には“冒険者ギルドの小冊子”が積まれ、
壁には「湖の竜」の大きな刺繍が飾られている。
その中心で――伯爵家令嬢・マリーヌ・ラ=フロール(11歳) が、そわそわと足を揺らしていた。
「……遅いですわね……あの子たち……まだかしら……」
扉の横で控えるメイドが微笑む。
「お嬢さま、落ち着いてください。
ルーシーさんとテドラさんはすぐにお越しになりますよ」
このメイド、名は カミラ。
領主家付きの筆頭侍女で、真面目すぎるのが欠点。
「だってカミラ!
わたくし、今日は とっても大事なお話 を聞くのですわ!」
「……ジージー様の、でしょう?」
「そうですわ!!!✨」
(もう手遅れですねこの子……)
と内心で思うカミラ。
そこへ――
扉がノックされる。
「マリーヌ様、こんにちは! 連れてきたよ!」
元気な声は テドラ。
その後ろには、小柄で恥ずかしがり屋の ルーシー。
「よく来ましたわ!」
マリーヌは立ち上がり、両手を広げて迎えた。
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◆ 三人がそろうと、空気が一気に明るくなる
カミラが紅茶を用意し、少女三人は円卓を囲む。
「では!
本日の議題は――
“ジージーさんのすばらしさについての情報共有会議”ですわ!!」
「そんな会議名なんだ……!?」
とテドラが噴き出す。
ルーシーはくすっと笑い、
小さなポーチから折り畳んだ紙を取り出す。
「わたし、ちょっと……書いてきたの。聞いたこと、見たこと……
ジージーさんたちがテドラを助けてくれたときのこととか……」
マリーヌの目が輝く。
「まあっ!! すごいですわルーシー!!
わたくし、それを“正式記録”にまとめます!!」
どうやらこの子、既に個人用の
『ジージー観察日誌』
を持っているらしい。
テドラが呆れたように笑う。
「なにそれ……いつの間に作ったの?」
「昨日ですわ!!✨」
「昨日……」
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◆ ルーシーの“整理された目撃証言”
ルーシーは紙を広げ、3人で覗き込む。
「ええっと……まず……
ジージーさんは、すごく優しい人……」
「知ってますわ!!!」
とマリーヌ。
「でも、それだけじゃなくて……
わたし、見たんです。
あの人……人が傷つくのを見ると、すごく悲しそうな顔するの。
わたし、それが一番すごいと思う……」
マリーヌは黙り込み、息を吸う。
「……ルーシーさん。
あなた、良いところに気付いてますわね」
「えへへ……」
テドラも負けじと話す。
「あとね!
ジージーさんね、戦うときすっごい強いんだけど……
“すぐ人を殴らない”んだよ。
まず止める。
それで無理なら、倒すの。
セルのおじさんも言ってた!」
マリーヌは机を叩いた。
「まあっ!! なんて高潔な方なのですの!!
わたくし、ますます尊敬が止まりませんわ……!!」
カミラが紅茶を飲みながら(この子ほんと大丈夫かしら)と遠くを見る。
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◆ テドラ、事件の“真実”を語る
「それでね……」
少し声を落とし、テドラが椅子に座り直す。
「攫われたとき……怖かったよ。
でも、ジージーさんたちが来てくれたとき、
“あ、もう大丈夫なんだ”って分かったの」
ルーシーが肩に手を置く。
マリーヌは、息を飲む。
「テドラさん……
あなた、そんなに怖い思いを……」
「でもトドメ刺したのはリゲロ兄さんだよ?」
「そこは触れてはいけませんわ!!」
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◆ そして“ファンクラブ”が生まれた瞬間
マリーヌは胸に手を当てて立ち上がる。
「みなさま……
わたくしたち、今日をもって……!」
ルーシーとテドラがごくり。
「“ジージー様を心より応援する友の会”を結成しますわ!!
略して――
**ジー友会!!**✨」
「えええええええええ!?!?」
テドラがのけぞり、
ルーシーはクスクス笑い、
カミラは頭を抱える。
だが、マリーヌは続ける。
「これは単なる“好き”ではありませんわ。
あの方の志を尊ぶ気持ち。
優しさ、強さ、そして……あの笑顔!」
テドラが真っ赤になる。
「そ、そんな深い意味ある会だったの!?!?」
「当然ですわ!!」
ルーシーは控えめに手を挙げる。
「……入ってもいい?」
「もちろんですわ!!」
少女たちは互いに笑い合った。
この瞬間、
ジージーの小さなファンクラブ が
レーヌ湖畔公国で正式に誕生した。
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【後書き】
この特別話では、
•マリーヌの“ジージーへの敬意”の始まり
•ルーシー(ものづくり少女)の観察眼
•テドラ(芯の強さをもつ少女)の本音
•メイド・カミラ初登場
•3人の関係が深まる「ファンクラブ誕生の瞬間」
を描きました。
この三人の会話は、
今後の“町エピソード”や“ギルド編”で
確実に効いてきます。
特にルーシーは
“発明・工作・制作の才能”が後々大きく花開き、
テドラは
“未来の受付嬢ミーロの相棒”として役立ち、
マリーヌは
“領主家の窓口+ジージー推し”として物語の軸になります。




