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Staff Hero ― 支える勇者 ―  作者: 和泉發仙


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第24層 ――《模造地獄・全魔物再演層》 決着篇

ジージーは、深く息を吸った。


もう、温存なんて言っていられない。

迷いも、計算も、全部――邪魔だ。


「……全てを出す!!」


棍を強く握った瞬間、

魂帯が唸った。


低く、深く、

まるで心臓がもう一つ増えたかのような鼓動。


ジージー

魂帯こんたい……

 お願い!!」


返事は、言葉じゃなかった。


棍の紋様が走り、

空気が裂ける音がした。


《響裂衝・二閃!!》


――ギィンッ!!


一閃目。


横薙ぎの衝撃波が、

視界にある魔物の“列”をまとめて削ぎ払う。


建造物に擬態していた魔物が、

石でも金属でもない“中身”を晒して砕け散った。


――ドンッ!!


二閃目。


今度は縦。


地面から空へ向かって、

一直線の衝撃が走る。


跳ね上げられた魔物が、

空中で崩壊する。


「……ッ!!」


ジージーの腕が痺れる。

視界が一瞬、白く飛んだ。


(重い……!!)


(でも――)


リゲロの声が重なる。


「今だ!!

 流れ、完全にこっちだ!!」


影が伸び、

逃げ場を断つ。


セルグレンが前へ出る。


「陣形維持!!

 突っ込みすぎるな、押し返せ!!」


聖光が盾から広がり、

味方の足を止める。


ミナは、静かに告げた。


「……全部、出す」


冥界が応えた。


骸骨、レイス、

吸血鬼に至るまで――

全眷属が戦場に展開する。


数で、

圧で、

存在感で――

魔物の群れを押し潰していく。


リテラが、息を呑んだ。


「……なにこれ……

 さっきまで“死ぬ”戦場だったのに……」


ガンドラは笑った。


「違ぇよ。

 “死ななかった側”が残っただけだ」


魔物が倒れる。

倒れる。

倒れ続ける。


経験値が、

雪崩のように流れ込む。


ジージーの中で、

何かが一段、確実に積み上がった。


(……ああ)


(これが、“前に出る”ってことか)


棍を構え直す。


息は荒い。

腕は重い。


それでも、

足は止まらない。


「次、来るよ!!」


誰かが叫ぶ。


ジージーは、

笑って返した。


「来い!!

 今度は――押し返す番だ!!」


戦場は、完全に勇者たちのターンへ入った。



◆全員で


「行くぞ!!」


 セルグレンが前へ。


 聖光を盾に集束し、

 魔物の群れを押し返す。


「影、最大展開!!」


 リゲロの影が地を覆い、

 逃げ道を完全に断つ。


「今よ!!」


 リテラの矢が、

 光の雨となって降る。


「砕けろォ!!」


 ガンドラの斧が、

 地形ごと叩き割る。


「……全員、合わせる」


 ミナの冥界が、

 戦場を支配する。


 回復。

 支援。

 拘束。


 すべてが、重なった。


「――全員で!!!!」


 ジージーの叫びと共に、


《響裂衝・連動波》


 全攻撃が、一つになる。


 爆音。


 光。


 闇。


 衝撃。


 魔物の大群が――

 面で消し飛んだ。



◆静寂


 ……終わった。


 誰も、すぐには言葉を出せなかった。


 やがて。


「……生きてるな」


 リゲロが笑う。


「奇跡だな」


 セルグレンが頷く。


 ジージーは、息を吐いた。


「……うん」


 ミナは、静かに空を見上げる。


「……経験値、来る」


 次の瞬間――


 雪崩のような成長。


 レベルアップ。

 スキル解放。

 進化兆候。


 そして――


 宝箱が、現れた。



◆報酬


【全員120回復の腕輪】

使用回数:約70回


 ジージーは、そっとそれを見つめた。


(これは……

 まだ先へ行けってことだ)


 霧の向こう。


 誰にも見えない場所で、

 モルガレンは目を閉じた。


(……生き残れ)


(それが、王の舞台だ)



第24層、突破。


だが――

地獄は、まだ終わらない。



次は

・25層への違和感

・全員の進化整理

・アンリ視点の総評

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