表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Staff Hero ― 支える勇者 ―  作者: 和泉發仙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

242/242

第25層 ――《観測不能層》

ついに到達した第25層。

そこは、これまでのダンジョン攻略の常識が一切通用しない**《観測不能層》**でした。

階段を上り詰めたジージーたちの前に現れたのは、物理的な障害ではなく、**「世界の歪み」**そのもの。果たして、人知を超えた領域に足を踏み入れた一行を待ち受けるものとは――。

物語のターニングポイントとなる、緊迫の瞬間をどうぞ。

階段の先に、扉はなかった。


 ただ――

 空間が、歪んでいる。


「……なあ」


 リゲロが、足を止める。


「ここ、

 さっきまで“在った”よな?」


 誰も答えない。


 ジージーは、一歩だけ前に出た。


 踏み込んだ瞬間。


 ――世界が、裏返った。



◆見えたもの


 上下が、意味を失う。

 距離が、溶ける。

 色が、遅れて届く。


 遠く――

 **何か巨大な“円環”**が、ゆっくり回っていた。


 都市?

 機械?

 魔法陣?


 どれでもない。


(……これ、

 見ちゃいけないやつだ)


 ジージーの喉が、ひくりと鳴る。


 視界の端で、

 **数え切れない“視線”**が、こちらを向いた。


 敵意でも、殺意でもない。


 観測。


 ただ、見ている。



◆異変


「……ッ!」


 ミナが、即座に腕を引いた。


「戻る!!

 今すぐ!!」


「え、なに――」


 セルグレンが言い切る前に、


 床が、鳴いた。


 キィ……と、

 古い扉のような音。


 空間そのものが、

 こちらへ“寄ってくる”。


「説明は後だ!!」


 ジージーが叫ぶ。


「戻る!!

 ここは――」


 言葉が、続かなかった。


 名前が、出てこない。


(呼んだら、

 繋がる……!)


 直感が、全力で警鐘を鳴らす。



◆即撤退


「影、展開!!」


 リゲロが影を伸ばし、

 足場を固定する。


「全員、後退!!」


 セルグレンが盾で道を作る。


 ミナは一瞬だけ振り返り、

 23層を“見ないように”して呟いた。


「……ここ、

 ダンジョンじゃない」


 次の瞬間。


 全員が、第22層へ弾き戻された。



◆戻った後


 しばらく、誰も喋れなかった。


 やがて、ガンドラが低く言う。


「……あれは」


「説明、無理」


 ジージーが即答した。


「たぶん、

 今の私たちじゃ――

 立ち入る資格がない」


 ミナが、静かに頷く。


「うん。

 “来る順番”が違う」


 リゲロは肩をすくめた。


「じゃあ、

 今は見なかったことにしようぜ」


 セルグレンが、盾を背負い直す。


「賢明だな」


 階段の奥。


 23層は、何事もなかったかのように、

 静かに待っていた。



◆小さな締め


 ジージーは、最後に一度だけ振り返る。


(……また来る)


(その時は――

 ちゃんと“立てる”状態で)


 階段は、閉じた。


最後までお読みいただきありがとうございます!

今回は、これまでの冒険とは一線を画す**「コズミックホラー(宇宙的恐怖)」**的な演出を取り入れた回でした。

今回のポイント

• 「円環」と「視線」:これらが何を示唆しているのか、今後の物語の大きな鍵となります。

• ジージーたちの決断:がむしゃらに進むのではなく、自分たちの「資格」のなさを認めて即座に撤退する。これは、彼らが真の冒険者として成熟してきた証でもあります。

「ダンジョンではない何か」に触れてしまった一行。彼らが再びこの場所に「立てる」ようになるまで、どのような成長を見せてくれるのか。

引き続き、彼らの歩みを見守っていただければ幸いです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ