表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
95/104

ベビーラッシュ

本日2話目の投稿です。

 





 ハメネイ国の紛争が落ち着き、バクシューレツ国に帰って来て、数か月が過ぎたころ。


「私、ストームは、キューピ‥‥‥サーヤと結婚します」

 私、エリナ姉、バレンシア侯爵令嬢が、ストーム副騎士団長から時間を作って欲しい、報告したいことがあると言われたのが先週。


 今、ストーム副騎士団長は、キューピ‥‥パン屋の娘サーヤさんと並んで、緊張気味に結婚報告をした。


「おめでとう。ストームもやっと落ち着いたかー。よかった。よかった」

 立ち上がって、ストーム副騎士団長の肩を叩いているバレンシア侯爵令嬢。


「サーヤさん、お幸せにね。ストーム副騎士団長が、何か悪さをしたら、とっちめてあげるから遠慮なく言ってね」

 エリナ姉、紫の小瓶をポケットから出して、微笑むのはやめてあげてー。ストーム副騎士団長の笑顔が引きつってるからー。それからポケットに常時入れて持ち歩くのもやめてー。


「おめでとう。ストーム副騎士団長、お幸せにね。でも、バレンシア様の護衛はどうするの?」


「侯爵家に連絡をして、今後も続けていくことになりました。バレンシア様が我が国に帰る時は、お供し、帰国したら、またバクシューレツ国へ戻る予定です」

 ストーム副騎士団長は、バクシューレツ国のバレンシア侯爵家特捜員になるそうだ。


「ストームまさか、できちゃった婚ではないじゃろ」

 バレンシア侯爵令嬢が冗談交じりに言うと、


「今、3か月です」

 サーヤさんが、お腹をなでながら、恥ずかしそうに話す。


「そりゃ、おめでたい。体に気を付けて立ってないで、座ろう、座ろう」


 バレンシア侯爵令嬢とみんなで、2人のなりそめや、旅の珍道中など話が弾んだ。


 おめでたい。何かお祝いの品送りたいな。




 ー・-・-・-・-・-・-・-・-






 ここは、エリナ姉が所属してる、薬学研究所のエリナ姉の研究室。

 私と、ヨハンはエリナ姉に呼ばれて研究所にやって来た。


 1年ほど前、日曜夕市でヨハンからもらった、サンゴのネックレスについて、相談した件に関係しているらしい。


「突然来てもらってありがとう。2人には私の研究を手伝ってもらいたくて来てもらったの」

 机の上には、私がエリナ姉に預けた、サンゴのネックレスが2つの水槽内に分かれて塩水に浸かっている。


 私がヨハンから、ゲームの景品でもらったサンゴのネックレス、試しに噛んでみたら

 ”ダンジョン産のサンゴのネックレス(産卵前)”と表示された。産卵前?乾燥して干からびているのに産卵前?サンゴの卵は生きているって事?


 色とりどりのサンゴのネックレス。すべてのサンゴに産卵前と表示されたわけではなく、ピンクと、赤のサンゴにだけ表示された。


 わからない事はエリナ姉に丸投げ。エリナ姉は検証してくれているようだ。



「さっそく、検証していくわ」

 エリナ姉は、机の上にある2つの水槽を示した。


「1つは、普通の塩水に浸けたサンゴ。もう一つは、女神の塩水に浸けたサンゴよ。サンゴの見た目は同じよ。でも、昨日の夜に変化があったの、女神の塩水に浸けたサンゴだけ産卵したわ。凄い事よ。

 突然、水槽内の塩水が白く濁ってね。何万匹ものサンゴの赤ちゃんが生まれたわ。その光景キスグにも見せたかったー。神秘的で美しかったのよ。

 今はサンゴの赤ちゃんだけ違う水槽に入れて様子観察中よ」

 エリナ姉は興奮しながら、早口で話している。


 私も、ヨハンも、何が凄い事なのか理解できていないが、一応うなずいておいた。


「それでね、キスグにはもう一度サンゴを噛んで欲しいの。普通の塩水に入れてるサンゴと、女神の塩水に入れてるサンゴの比較ね」

 エリナ姉は、2つの水槽から、それぞれサンゴを取り出し私の前に置いた。


 まず、普通の塩水に浸けたサンゴから噛んでみた

 ”ダンジョン産のサンゴ(未産卵)”と表示された。


 次は、女神の塩水に浸けたサンゴを噛んでみた

 ”ダンジョン産のサンゴ(子宝、安産効果消失)”と表示された。


 子宝、安産効果消失?サンゴに効果があったの、消失?産卵したから?


 結果をエリナ姉に伝えると、エリナ姉は隣の部屋から、サンゴの卵が入った水槽を2つ持ってきて、そこからコップで水槽の水を、それぞれひと掬い、私の前に置いた。


「1つ目のコップには普通の塩水に浸かったサンゴの卵、2つ目のコップには女神の塩水に浸かったサンゴの卵。今度は2つともサンゴの卵を吸い込んでみて」

 エリナ姉の要望通り、それぞれのサンゴの卵を吸い込んでみると

 2つとも”ダンジョン産のサンゴの卵(子宝、安産効果あり)”と表示された。


 結果をエリナ姉に報告すると、

「凄い事よ!本当にすごい事よ!」

 目を凛凛にかっぴらき、興奮気味に私の肩に手を置き、私を揺らしている。


「な、何が、そ、そんなに、す、凄いの」私は、訳も分からず揺らされるままだ。


「まず1つ目は、乾燥したサンゴが産卵した事。

 2つ目は女神の塩を入れたけど、水は普通の水で産卵した事。

 3つ目はここがダンジョンじゃない事。

 4つ目は子宝、安産効果が、何万ものサンゴの卵に引き継がれた事。

 5つ目は普通の塩水に浸かっているサンゴの卵も、女神の塩水に浸かってるサンゴの卵も効果が同じ事よ。」エリナ姉は相変わらず、顔が高揚している話している。


 やっぱり、私とヨハンは凄さがわからない。


 ぼけーとしている私とヨハンにエリナ姉は少し冷静さを取り戻し

「簡単に言うと、ダンジョン産のサンゴを養殖できるという事。

確実な子宝、安産効果つきでね。

 今までのダンジョン産の物って、ダンジョンでは効果があるけど、ダンジョンの外に出すと普通の物と変わらなかったのよ。効果がなくなってたの。それがダンジョン外で普通の塩水で養殖できる。ダンジョンの効果の恩恵も得られるの画期的よ」


「ふーん、凄いね。つまり、子供が欲しい人は、サンゴを持ってるだけで子宝に恵まれやすくなるってこと?」


「そうよ。ダンジョンから持ち出した始めのサンゴは、女神の塩水につけて産卵させなきゃいけないけど、次からは何万ものサンゴを、普通の塩水で養殖できるのよ」

 エリナ姉は飛び跳ねて喜んでいる。


「プレゼントしたら、ストーム副騎士団長もキューピーちゃんも喜ぶね」

 2人の赤ちゃんが無事産まれてきてくれたら本当に嬉しい。






 その後、エリナ姉のサンゴの研究結果を、マーギン商会が引き継ぎ、養殖所作成、販売まで受けもち、子供が欲しい夫婦や、安産を願う人に効果付きサンゴは売れまくり。バクシューレツ国は空前のベビーラッシュに沸いたのは別の話。






出産は命がけ、本当にそんな効果があるお守り欲しい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ