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私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


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やばいやばいこっちくるこっちくる

本日も2話投稿予定。

 



「「・・・・。」」



 ハメネイ国へ、マーギン商会の荷馬車と一緒に、護衛も兼ねて出発して、やっとバクシューレツ国とハメネイ国の国境に付いた。

 バクシューレツ国側の国境周辺は、難民のテントがひしめき合い、覇気のない目をした人たちが、無料の炊き出しに列をなしている。

 反対のハメネイ国側の国境は、バクシューレツ国へ入国したい難民が、我先にと押し合い、怒号が聞こえる。


 マーギン商会の荷馬車は、バクシューレツ国の国境詰め所に入っていった。

 運んで来た、野菜や、日用品を卸すのだろう。


 私達の旅団は、マーギン商会より借りたラクダでハメネイ国へ入国した。


 ハメネイ国へ入国したとたん、難民が何か恵んで欲しいと、詰め寄ってきた。ストーム副騎士団長が風魔法で威嚇し、ひるんだ隙に、ラクダを走らせその場を離れた。


「「・・・・。」」

 私達旅団は終始無言だった。


 紛争って、経験したことがないけど、だれも難民になりたくてなったわけじゃない。

 本当は、自分が生まれた土地で、暮らしたかっただろうに、それができなくなった。


 平和な生活を送ってきた私には、苦しみや、やるせなさ、今後の不安がどれほどのものか、想像できないけど、でも、みんなが生きるのに必死なのはわかる。

 何をしても、生き残りたい。

 でも、すべての人が、人の物を奪っても、紛争しても、略奪戦争吹っ掛けてでも。生き残りたいと思っているんだろうか。


 どうしたら、みんなが普通の暮らしができるんだろう。


 やるせない思いを抱えながら、ハメネイ国のダンジョンへ向け、ラクダを走らせた。





 夜になった。

 日中とは違い、ひんやりした澄み切った空気が頬をかすめる。

 ここは砂漠のど真ん中。空には満点の星空がきらめき、大きな満月が、辺り一面の砂の大地を照らしている。

 全身黒タイツになった私達旅団は、みなうつぶせになり動かない。いや動けない。

 目の前で、乗って来たラクダが噛みつかれ、始めは動いていたラクダも、毒が回ったのか動かなくなり、丸飲みされている。


 夜の暗闇の中、月に照らされ黒光りしているのは、全長何mかわからない巨大なコブラ。胴体がまだ砂の中に入り込んでいるから全容がわからない。


 こんなのが、砂漠にいるなんて聞いてないよ。

 誰だ、ハメネイ国のダンジョンまで早道だから、砂漠を突っ切ろうと言った奴。

 無理だろ。束になっても勝てないよ。無理、無理。

 おとなしく、巨大なコブラが去るのを待つのが得策。私は動かない。絶対動かないよ。


「相手に不足なし。行くぞー!!!」

 全身黒タイツのバレンシア侯爵令嬢が、剣に火魔法を絡ませ、炎剣にして巨大なコブラへ走り込んで行く。


 待て待て待て待ってー。やめてー。


「馬鹿がー!」

 全身黒タイツのストーム副騎士団長も、バレンシア侯爵令嬢の後を追うように走り出した。

 全身黒タイツの騎士団員達も同様に走り出す。


「バレンシア。もう。仕方ないわね」

 全身黒タイツのエリナ姉は、全身黒タイツでうつ伏せのまま顔だけ上げてる私を見て、


「キスグ、女神の石臼から出した塩と、異変種スライムを出しなさい」

 私は素早く、大量の塩と、水瓶に入った異変種スライムを吐き出した。


「さあ、行くわよ」

 エリナ姉は、水魔法で出した水の洪水を、塩と異変種スライムにぶつけた。

 エリナ姉の魔力入り塩水を吸収した異変種スライムは、凄い勢いで増殖。

 この中で、一番大きな魔力持ち、巨大なコブラめがけて、濁流のように襲い掛かる。


 コブラはあっとゆう間に異変種スライムに覆いかぶされた。

 激しく動き、異変種スタイムをはぎ取ろうとする巨大なコブラ。コブラが動くたびに、砂漠の上に散らばっては溶けていく、異変種スライム。


「はあ、はあ、はあ」

 魔力を最大まで使い水を出した、魔力切れ寸前のエリナ姉は、魔力ポーションを5本がぶ飲みし、

「もういっちょー!」

 私は、すばやく大量の塩と、水瓶に入った異変種スライムを吐き出した。


 エリナ姉による、第2波目の水の洪水を発生させ、塩水で増殖した異変種スライムがまたもやコブラに襲い掛かる。


 コブラも分が悪いと思ったのか、砂の中へもぐり始めた。それでも追跡を辞めない異変種スライム。コブラの後を追って、どんどん砂の中へ入っていく。


 その光景を、全身黒タイツ姿でだた呆然と見送る、バレンシア侯爵令嬢達。

 コブラは地下へ退散していった。


 コブラが砂に潜っていった穴は、閉じることなく、大きく口を開けている。


 私達は、穴の入口に集まり中をのぞき込んだん。穴の中は暗くて何も見えない。


 バレンシア侯爵令嬢が、ファイヤーボールを穴の中へ投げ入れた。


「ごごごごごごごごごヴぉーーーー

 大きな音がどんどん近づいてくる。


「ばっしゃーん!!」

 コブラが入った穴から、異変種スライムが噴き出した!

 それもエリナ姉が、出した水の洪水とは比較にならないほどの大量の異変種スライム。


「やばい、逃げるぞ」

 残っていたラクダに跨り、砂漠の中を走る走る。

 異変種スライムが追いかける。逃げる逃げる逃げる。


 なんかこんな事、前にもあったよね。


 突然、走っている砂の表面が揺れ出したしたと思ったら、異変種スライムが噴き上がる。


 ラクダの方向を変えて、回避。回避するたびに、噴き上がる異変種スライム。


 夜中、異変種スライムから逃げまわった。




 朝日が、登り始め、砂漠がきらめき始めた。

 辺り一面砂漠だった大地は、草原になり緑が眩しい。


 異変種スライムが吹き出してきた穴には、水が溜まり大きなオアシスを形成している。

 異変種スライムか、じたばた足掻いたコブラか、どちらかが地水を引き当てたようだ。


 私は、足元の小さな花を噛んでみた”女神の塩水で作られた花(大地に根付いた)”と表示された。


 結果をエリナ姉に報告すると、

「結果オーライね。異変種スライムで砂漠の一部を緑化しようとは思っていたけど、想定外に広大にできたわ。これで水があり、作物が育てられる土地があるなら、人は戻る。

作物を育てたら、飢餓が改善されるわ。美味しい物が食べれる。

食事に困らず家族で生活できれば、紛争や戦争も無くなるはずよ。

私達はこれから、その苗(希望)を提供すればいい」


「うふふ。土地は整ったわ。これから忙しくなるわね」

 エリナ姉は、元砂漠に広がる、いくつものオアシス。広大な草原を見ながら微笑んだ。























やっとコメディーらしくなったー。異変種スライムは優秀です。

キスグがスライムで砂漠の緑化に成功。え!私が聖女?になるような話を書こうと思いましたが、やめました。

次も、ハメネイ国。

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