初恋?
本日も2話投稿予定。
王都の日曜夕市を一通り周り堪能した私達は、端の方にゲームコーナーがあり、中央の広場で大道芸人が技を披露しているスペースに着いた。ここも人がごった返している。
「いっぱい食べて、いっぱい買ったね。楽しかったね。あっ!あそこにゲームがある、行ってきてもいい?」
私はニコニコでお小遣いを握りしめ、ベンチでお茶しているエリナ姉とバレンシア侯爵令嬢を残して、ヨハンと一緒に、ハンマー叩きゲームの列に並んだ。
ハンマー叩きゲームとは、ハンマーを装置の丸い部分に振り下ろし、その勢いで鉄の球を打ち上げ、上に付いているベルを鳴らすゲームである。
「ヨハンは、よくハンマー使うから、最高得点取れるんじゃない。鐘を鳴らせば120cmぐらいのゴリラのぬいぐるみもらえるんだってよ」並んでいるのも楽しくて、テンション高く喋っている私
「・・・・。」ヨハンは、表情は変わっていないが、じっとゲーム挑戦者達の振り下ろし方を見ている。
私とヨハンの順番になった。
まずは、私。ハンマーを振り下ろしたが参加賞の飴しか貰えなかった。
次は、ヨハン。ゲーム機のハンマーを持って、全身の筋肉を使って上から下へとハンマーを振り下ろすと、勢いよく鉄が打ちあがり、「カ~ン」とベルが鳴った。
「おめでとうございます。最高得点のゴリラのぬいぐるみです」
店員さんから、ヨハンはゴリラのぬいぐるみを受け取った。
私は、ヨハンとゴリラのぬいぐるみを見比べて
「ヨハンとゴリラのぬいぐるみ、そっくりだね。兄弟みたい」と言うと、景品を渡した店員さんも大きくうなずいている。
「・・・・。」ヨハンはゴリラの顔をじっと見ていた。
始めは私にゴリラのぬいぐるみを渡そうとしたが、私は120cm、ゴリラのぬいぐるみと一緒の身長の為、人ごみの中を持ち歩くのは危険と判断。ヨハンが持ち歩いている
ゴリラ顔のヨハンが、大きいゴリラのぬいぐるみを持って、広場を歩くのは目立つ。
すれ違う人たちが、皆、二度見して、「そっくり」「かわいい」と、小さい声で呟いている声が聞こえる。
「・・・・。」耳のいいヨハンは、もちろん小声が聞こえていて、顔が真っ赤だ。
少し歩くと、ゲームコーナーの一画にワニワニパニックがあった。
ワニワニパニックとは、穴から顔を出すワニの頭を叩くゲームだ。
「ヨハンが高速でハンマーを繰り出す姿が見て見たい。やってみてよ」
「・・・・。」
私と、ヨハンはワニワニパニックの列に並び順番を待った。
ヨハンの順番がきて、お店のハンマーをかまえた。
始めは中央のワニがゆっくり顔を全て出す前に「バン」ヨハンは、ワニの頭をハンマー叩いた。
次は、両脇のワニが同時に顔を全て出す前に「バン、バン」ヨハンは、けだるそうにワニの頭をハンマーで叩いた。
次にワニは3体、時間差で顔を出した「バン、バン、バン」ヨハンは、なんなくワニの頭をハンマーで叩いた。
今度ワニは、5体同時に顔を出して来た「バン、バン、バン、バン、バン」ヨハンは、普通にワニの頭をハンマーで叩いた。
ワニの顔を出す速さが早くなり、どんどん出てくるワニの顔に「シュタ、シュタ、シュタ、シュタ、シュタ・・・・・」ヨハンは高速でハンマーを振るった。
「「「・・・・。」」」
私も、店員さんも、道行く人たちも、ヨハンのハンマー妙技に見入っている。
ヨハンは、ワニワニパニック最高得点をたたき出し。ハンマー達人の称号をいただいた。
「おめでとうございます。こちらが景品になります。ダンジョン産のサンゴのネックレスです」
歪な形の、赤やピンクなど色とりどりのサンゴが、紐に通されているネックレス。
「・・・・。」
ヨハンは、私の首に子どもの景品みたいなネックレスをかけてくれた。
「うふふ。ヨハンありがとう」
本当に嬉しい。私はサンゴのネックレスを触りながら、本当に嬉しい理由がわからなかった。
やっぱり、前振り書くの難しい。




