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私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


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めっちゃカメレオン

本日2話目の投稿です




「階層の魔物って、違う階層にも行けるの。話が違うよ」





ダンジョン3階層の真っ暗い空間から、カンガルーに追われ、ダンジョン2階層に滑り込んだ私とヨハン。

私達を追いかけて、2階層にカンガルーが足を踏み入れた。


真っ白の全身タイツの私とヨハン。足場は3階層への扉周囲の2mのみ。足を踏み外すと長くて大きな穴にダイブだ。全身タイツに付与してもらった、魔力を流すと近くの色に変化する効果を利用し、魔力を流して土の色に擬態した。私は攻撃に備えてヨハンを噛んだままカンガルーを凝視している。


カンガルーは、ゆっくり2階層を見回している。私達を見失ったのか、初めての場所が気になるのか、攻撃をしかけてこない。



「おーい、おーい。誰かいるのか」

大きな穴の下の方から、声がした


その言葉に、気を取られたカンガルーが大きな穴をのぞき込んだ。


その隙を逃さず、ヨハンがカンガルーのお尻に向かって全力の体当たり。


「ガラガラガラ」カンガルーの足元の土が砕け、カンガルーの体がぐらついた。慌てたカンガルーは振り向こうとしたが、ヨハンが大きなカンガルーの尻尾を持ち上げ、大きな穴の中にカンガルーを押し込んだ。


「ガザ、ガザ、ザザザー、バン」カンガルーは、何とか穴の壁に捕まろうと足掻くが、体勢を立て直せず、そのまま穴の中へ落ちていった。



「ドーン!」

穴の下で、大きな音が響いた。


「落ちて来たぞ」「魔物だ」「武器を構えろ」下にいた人たちは、大慌て。


「カキン、カキン」剣の交わる音がする。

カンガルーはこの高さから落ちても死ななかったようだ。


「ゴー、ゴー」穴の下から、めっちゃ熱い空気が吹きあがって来た。


「熱っ」穴の上から、穴の下を眺めていた、私とヨハンの顔に熱風が直撃。


「火魔法使ってる。めっちゃ戦ってるね。大丈夫かな。第三騎士団の皆さんだろうから精鋭揃い。カンガルーは強いけど一匹。討伐できるよね」


後ろの3階層への扉は、開きっぱなし。3階層の真っ黒い空間を眺めながら。

「今は、3階層のカンガルーが、下で戦ってるから、3階層は空だよね。4階層見に行く?」


「・・・・。いや、やめておこう」

ヨハンは、ダンジョン3階層の中の扉横にあるスイッチを押して、明かりを付けて白い空間に戻し、扉を閉めた。



しばらくすると、穴の下からの音がしなくなった。

戦いが終わったようだ。私とヨハンは、土色の全身タイツ姿のまま、ロープを使って、穴の下に降りて行った。


穴の下は、土壁がえぐれたり、焦げ跡があったりと、戦闘の跡が残っているが、カンガルーも第三騎士団員もいない。


「ドーン」

1階層のお花畑から、大きい音が聞こえた。戦いを1階層へ移したようだ。


私とヨハンは、2階層の扉から顔だけ出し、1階層の様子を窺うと、ちょうどカンガルーが討伐される瞬間だった。心臓を貫かれたカンガルーは、カンガルーのポケットから、椅子やテーブル、銀食器や、グランドピアノなど、パーティー会場にあるような物品を噴き出しながら、消えていった。


カンガルーがいなくなった1階層は、カンガルーのポケットから噴き出した物で溢れかえっている。

その中に紛れて、ヨハンのハンマーを見つけた。


「見て、あそこにヨハンのハンマーが落ちてる」

私とヨハンはうなずき合い、土色全身タイツから魔力を流し花柄全身タイツへ色を変えて、一直線にハンマーの元へ。ハンマーを素早く確保し、カンガルーのポケットから溢れ出た物品から素早く離れ、地面に伏せた。


タイツに付与した、魔力を流すと周りの色に同化する効果のおかげか、花柄タイツ姿の私達に誰にも気づかれることなく、ハンマーを取り返すことができた。





夕方、バレンシア侯爵令嬢達が、早馬で新ダンジョンにやって来た。

私達をダンジョン3階層に送り出した後、私達が3階層の扉から戻ってこない事に気付いたエリナ姉は、何も説明せず、バレンシア侯爵令嬢達をここに送り出したそうだ。


侯爵令嬢と、騎士団員をパシリに使うエリナ姉が、最強かもしれない。












一旦、これでダンジョン3階層終了です。

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