はい、喜んで♪(ナターシャ視点)
本日も2話投稿予定。
「はい、喜んで♪」
突然、キスグさまから連絡きた。
また、私とマーギン商会激安の殿堂でお買い物がしたいらしい。
嬉しい。推しからのお誘い。気合を入れ臨まねば。
「おはようございます。お迎えにあがりました。さあ、早速行きましょう」
「おはようございます、ナターシャさん。お迎えありがとう。今日もよろしくお願いします」
お買い物当日、マーギン商会の馬車でキスグさまの宿までお出迎え。
キスグさまの笑顔。お礼まで言われてしまった。いい朝だ。
でも、今日も私にはイーサン。キスグさまには、ヨハンさんとバレンシア侯爵令嬢がついてきた。
ヨハンさんはキスグさまの護衛だから仕方ないけど、イーサンとバレンシア侯爵令嬢は余計よね。
キスグさまとのデートの邪魔よね。
そんな感情おくびにも出さず、私は笑顔で皆様に対応。商売のプロですから。
ほどなくして、マーギン商会激安の殿堂に到着。
キスグさまは、わき目もふらず洋服コーナーへ。
何、何、何を買うの、かわいい女の子服?キスグさまは黒髪だから、かわいい赤いドレスが似合いそう。
ボーイッシュな男の子の服?短パンに、ポロシャツでもキュートよね。私がプロデュースしたい。
「キスグ、何を買うんじゃ。高い物でもいいぞ、奉仕活動に付き合ってもらったお礼だからな」
今日は、バレンシア侯爵令嬢がお財布なのね。じゃあ絞り取ろうかしら。
「キスグさん。こちらの洋服なんてどうですか、シックな赤に、小さめのメッシュとリボンを襟元、袖口にちりばめたかわいい洋服です。とてもキスグさんに似合うと思います」
私は、ちょっとお高めゴスロリ風の、キスグさまに着て欲しい服をチョイス。勧めてみたが、
「違うんだ、今日はこれを買いに来たの」満面の笑顔でキスグさまが選んだのは、
「「白タイツ!?」」私と、バレンシア侯爵令嬢の声が被った。
「何で、白タイツなんじゃ、高い洋服買ってやるぞ」バレンシア令嬢も困惑気味。
「何でかは秘密。真っ白で、伸縮性があって、蒸れにくくて、動くときに音がしなくて、絶対に破れないタイツが欲しいんだ。下半身だけじゃなくて、全身用。頭も隠したい。私とヨハンの2つ欲しい。」タイツを持って、真剣に吟味するキスグさま。
キスグさまが、全身白タイツを装着する・・・・。ぜひ見てみたい。
全力でキスグ様の要望に応えなくては。私は私欲のために使命に燃えた。
「キスグさん、激安の殿堂には、そこまで良い性能のタイツは置いていませんが、以前キスグさんが納品していただいた、幻の白い糸。あの糸を使用して作られたタイツなら、キスグさんのご要望以上のタイツができます。いかがでしょう」
私は笑顔だ。幻の白い糸は、希少価値が付き、高値で取引されている。その糸を100%使用したタイツはどれだけの高値が付くでしょう。商売的にもウハウハだわ。
「そうなの。白い糸なら私まだ持ってるから、それを使って。加工はよろしくね」
キスグさまは後ろを向いたかと思ったら、両手に大量の幻の糸を抱えて振り向いた。
私は大量の幻の白い糸を受け取り、唖然。
さすが私の推し。まだ持っていたのか幻の糸。底知れない高いポテンシャルに脱帽です。
ますます、惚れてしまいます。
「はい、これだけあれば、2人分の全身タイツが作れます。残った糸をこちらで買い取ってもいいですか。その代わり、出来上がった全身タイツに付与を施します。いかかでしょう」
「できるの、ありがとう。よろしくお願いします」
やっぱり、推しの笑顔プライスレス。キスグさまの笑顔の為に全力で取り組みます。
数日後、幻の糸で作った全身白タイツができあがった。
「マーギン商会渾身の一作です」全身タイツを納品しているナターシャさんの目がキランと光ってる。
「ぜひぜひ、お直しの調節もあるかもしれません。試着をおねがします」
ナターシャさんの圧に負け、私とヨハンは試着した。
白タイツは、つるつるして摩擦なく着れた。締め付け感も程よく、伸縮性に優れ、丈夫で刃物で刺しても破れない。付与で体温調節効果。今は白色だが魔力を流すと色が変わる付与と、撥水加工。消音効果、消臭効果も付与してくれた。
「さすが、マーギン商会。私が想像した以上のタイツだよ。ありがとう」
全身白タイツを着たまま、くるっと回ってポーズを決めると、ナターシャさんが崩れ落ちた。
「大丈夫」びっくりして近づくと、
「推し尊い。目に焼き付けなければ・・・・」小さき声で、ぶつぶつ言っててなんだか怖かった。
後ろにいた、イーサンさんからも、相変わらず殺気を頂いているので、早めにタイツを脱ぐことにした。
「マーギン商会から高額請求きたな。内訳を見ると白タイツ高性能じゃ。気候変動に強い、何より丈夫じゃ。このタイツがあれば、ダンジョンも、遠征も楽になる。よし、わしにも、ストーム副騎士団長達にも作ってあげよう」
その後、付与を施した高性能のタイツが話題となり、注文が殺到するマーギン商会。
ナターシャが、さらにキスグ推しを加速させたのは別の話。
ナターシャ視点。書いてて楽しいー。




