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私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


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フラグは回収するものです

本日も2話目投稿します。

 




「本当に助かった。君達が来なかったら、私達は死んでいた。感謝してもしきれない、ありがとう」

 第三騎士団長グレイシャーさん達、全員から頭を下げられた。


「「・・・・。」」私達はしゃべらない。ヨハンとの取り決めだ。大きくうなずいておいた。


「だが、どうやって君たちはここに来たんだ。ここは新しいダンジョン。この前2階層への扉が発見され、我々が初めて入ったんだ」第三騎士団長グレイシャーさんは困惑した表情だ。


「「・・・・。」」私たちはしゃべらない。その代わり、2階層の扉を指で指した。

 皆の目線が、2階層の扉に集中する。


 私は2階層の扉の前に立ち、扉を横にスライドさせた。引き戸なので開いた。

 開いた先には、1階層のお花畑が見える。




「「「「「「そんな・・・・。」」」」」」皆、絶句している。




 しばしフリーズした後、誰かが走り出した、2階層の扉を抜け、1階層へ。

 1人が出ると、次から次へと1階層へ走り出し、2階層内は、私とヨハンだけになった。


「・・・・。引き戸か、気づかなかったんだな」


「そうみたい、もとから鍵はかかってなかったよ。この扉どうしようか、開けっ放しにしとく?」


「・・・・そうだな」


 1階層からの、やさしい風が2階層内に入った。





 2階層から私とヨハンが出ると、1階層には誰も居なかった。

 ピンクの2階層への扉と、水色の3階層への扉が並んでいる。


「この3階層の扉どうしよう。私のアイテムボックスに入れちゃう」


「・・・・。そうだな」複雑そうな表情のヨハン。


「フラグ回収だね」私はにっこり、水色の3階層の扉を噛みついて吸い込んだ。








 第三騎士団員と、暁団が無事に帰還した。

 朝から、ダンジョン前の詰め所は、美味しい料理と、お酒がふるまわれ、お祭りモード。

 皆が、無事を祝い。ダンジョン2階層の話を聞きたがる。


 騎士団員も暁団も酒が入り上機嫌。2階層は、縦に長い大きな穴だった事。いろいろ試したが、穴から出られず死を覚悟した事。2人の仮面をつけた人間が助けてくれたこと。どこのテーブルでも、その話で持ちきりだが、どうやって2階層の扉を開けたかは、誰も具体的には話さない。


 端っこのテーブルで、朝食兼おつまみを食べている私とヨハン。話が耳にはいり、

「2階層の扉が、どうやって開いたか誰も言わないね」私は、裂きイカをむしゃむしゃ。


「・・・・墓穴だからな」ヨハンは、コッペパンに卵を挟んでむしゃむしゃ。


「そうだよね。始めから開いてる扉を開けれず、死にかけてたなんて言えないよね」私は、鳥ももの串焼きをむしゃむしゃ。


「・・・・。」ヨハンは、バナナむしゃむしゃ。


「ヨハンて、やっぱりバナナに合うよね。

 ねーなんか元気ない、いつもはバナナ5本は食べているのに、今日は1本だよ。大丈夫?」

 私は、ヨハンの顔をのぞき込んだ。確かに、どこか寂しそう。


「・・・・。ハンマーがない」肩を落とし、ぼそっと話すヨハン。


「ハンマー。3階層のカンガルーに投げたハンマーだね」

 私を助けるために、ハンマーを犠牲にした。


「・・・・。あのハンマーは妻からのプレゼントだ。しかも貴重な付与付き」うなだれ、両手を見つめるヨハン。ハンマーを思い出しているんだろう。


「取りに行く?。3階層への扉は私のアイテムボックスの中に入ってるよ。

 ヨハンのハンマーが24時間放置され、動かされてなかったらダンジョンに吸収されてなくなっちゃうよ。まだ、24時間たってないから消えてない。3階層の入口付近にあるかもしれない見にだけでも行く?」あまりにも寂しそうなヨハンに、提案すると。


「・・・・。無謀だ。あのカンガルーは俺より強い。3階層の扉の近くにいるかもしれない」

 泣きそうな顔で、諦めモードのヨハン。


「入らないよ。3階層の扉を開けて中を見るだけ、ダンジョンの魔物って、その階層から基本的に出てこないんでしょ。出てこようとしたら、扉を閉める。どう?」

 私は、ヨハンに元気を取り戻してほしくて提案した。


「・・・・。見るだけ」ヨハンは、顎に手を当てて考え出した。


 私は、2本目の砂肝串に手を伸ばしパクリ。3本目の皮串をパクリ。4本目のねぎま串をパクリ。

 まだヨハンは悩んでる。5本目のハツ串をパクリ。6本目のつくね串に卵を絡めたところで、ヨハンが

「・・・・。見るだけ見てみよう」気持ちが決まったようだ。

 私は、卵に浸かったつくね串を食べて、行動開始した。



 現在ダンジョンは閉鎖中、立ち入り禁止。入口には見張りが2人いる。正規のルートでは入れない。

 そこで、ダンジョン前の詰め所横、人気のない場所で3階層への扉を吐き出した。


 水色の3階層への扉。私とヨハンは、そっと扉を開き、隙間から3階層の中を覗いたら、カンガルーがハンマーを振り回している。あれは素振り。「ぶおん、ぶおん」と、白い何もない空間から、激しい音がする。なんなら、さわやかな汗が飛び散っている。あれはかなりハンマーを気に入ってる感じ。


「「・・・・。」」私とヨハンは、そっと扉を閉めた。




「もともと強いカンガルーが、パワーアップしてるじゃん!」










次は、新ダンジョン3階層編スタートです。


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