表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
73/104

大きな墓穴

本日2話目の投稿です。珍しく長いです。

 



「やばい、やばい。開けなきゃ、開けなきゃ」






 ダンジョンの3階層の扉の中に入った。上も、下も、横も真っ白。すべて真っ白。上下左右の間隔がバグルほどの真っ白。よく目を凝らすと、遠くの方に黒い点がある。たぶんあれが4階層への扉だと思う。


「ん!?臭い?」

 何の臭いだろう、生き物、動物、排泄物、汗、口の匂い?眉間に皺寄せて鼻をつまみ辺りを見回すと、茶色い点が、すごい勢いで、こちらに近づいてくる。


「だんだんだんだんだん」足音が白い空間に、大きく響く。

 茶色い点の原型が露わになった。


「カンガルーだ」

 筋肉隆々の、2mほどある二足歩行のカンガルーが私だけを見て、勢いよく迫っている。


「やばい、やばい、開けなきゃ、開けなきゃ」

 私は急いで、3階層のノブを回そうとするが、焦って回せない。


 あっという間にカンガルーは近づき、カンガルーの右拳が私を打ち付ける前に、3階層の扉が開いて、ヨハンが飛び込んでん来た。


「ガン!!!」

 カンガルーの右拳と、ヨハンのハンマーがぶつかった。


「う・・・・。」

 右拳とぶつかった余波で、ハンマーが震える。ヨハンの手がしびれる。


「ガン!!!」

 カンガルーの左拳が、ヨハンの顎を狙って下からくり出された。ヨハンはハンマーを両手て持ち、左拳をなんとかハンマーに当てアッパーを回避。


「出ろ!」

 険しい表情のヨハンが素早く、私を3階層の扉へ押す。

 私はあわてて3階層の扉を開け、片足を2階層へ入れた。


「ヨハン、来て」

 ヨハンは、筋肉隆々のカンガルーと睨み合いながら、ずりずりと3階層の扉に近づいた。


 ヨハンが2階層に入ろうと視線を外したその隙を、見逃すはずのないカンガルー。

 両手を突き出し、脚力を使って勢いよくヨハンに飛び掛かって来た。

 ヨハンは、手に持っていた愛用のハンマーをカンガルーに投げ、2階層へ滑り込んだ。


 私はヨハンが2階層に入ったのを確認して、扉を急いで閉めた。




「「ハ~あ。」」

「・・・・・。説教は帰ってからだ」ヨハンは立ち上がった。










「おーい、おーい」


「何か聞こえないか」暁団の団員がつぶやいた。


「おーい。おーい」


「誰かが呼んでる声がする」暁団の団員は、辺りを見回したが、絶望を顔に張り付けた男達しかいない。


「おーい、おーい、生きてるかー」声は上からだ。上を見た。

 はるかかなたの上空の光が差す穴に、何かいる、手を振っている。


「おーい、生きてるぞ」暁団の団員は、勢いよく立ち上がり、上空に向かって、大声を出した。


 それに気づいた周りの男達も、上空の光が差す穴に目を向け、何かいることに気付く。

 皆立ち上がり、声をあげた。



 上空から、長いロープが降りて来た。

 長いロープを伝って、人間が降りてくる。子供の大きさと、大人の大きさの2人。


 2人は、仮面をつけていた。子供がひょっとこの仮面。大人がおたふくの仮面。

 身なりは町人風で、何も持っていない。2人ともしゃべらない。


 ふいに、子供が後ろを向いたかと思ったら、カレーの入った大鍋を抱えていた。


「グ~」「グ~」男たちのお腹が一斉に鳴り出し、いい匂いのするカレーに目がくぎ付けだ。

 カレーの大鍋を受け取った大人のおたふく仮面が、どこからか出てきた皿に、カレーを盛り始めた。


 男達は、我先にとカレー皿を受け取り、カレーを口にかき込む。かき込む。

 ちょっとピリ辛で、スパイスの効いたカレー。カレー独特の匂いが食欲をそそる。カレーをかき込み少し落ち着いて周りを見渡した。


 隣の男は、パンをかじっている。いつの間にか、大人のおたふく仮面の横に、山盛りのコッぺパンがあった。迷わずコッペパンを鷲掴み口の中へ、素朴な小麦の味がする。ふわふわコッペパンをカレーに浸して食べれば、これぞ至福の時。


 男達は、しばし至福の時間を過ごした。





 その少し前、3階層から2階層へ入った、私とヨハンは、目の前の大きな洞窟に圧倒されていた。


「この洞窟の中に、お偉いさんたち居るよね、洞窟の上って横道がないもんね。3階層への扉がある周囲に、2mぐらいの平坦な場所があるだけだよ」

 しかも、天井の光が蛍光灯だよ。前世の体育館についているような蛍光灯そっくり。土にめり込んでるけど電気はどこから供給されてんの、ダンジョンは何でもありだな。


「ヨハン、だぶんお偉いさん方、ひもじい思いをしていると思うんだ。食べ物を出そうと思うんだけど、大鍋に入っているのがカレーしかないんだけどいいかな。ついでに、銀杏の千豆も細かく砕いて溶かして入れよと思う。全回復しなくても、歩けるぐらいには回復するはずだよね」


「・・・・。それは構わないが、俺達だとバレると後々ややこしい。バレない方法はないか。あと、アイテムボックスの出し入れを人前で見せるな、特徴的過ぎて、すぐにキスグだとバレる。女神の石臼も使うな。知られたら戦争になるぞ」真剣な表情で話すヨハンに


「・・・・。ヨハンて喋れたんだね」と冗談を言ったら、ゲンコツが飛んできた。


「・・・・。カレーを食べている隙に、2階層の扉を噛んで開ける方法を探れ、いいな、よけいな事するなよ」呆れられながら、念を押された。


「あっそうだ、正体隠す為には仮面だよね。ナターシャさんから、マーギン邸の倉庫にあったんだって、もらっちゃった。ひょっとこの仮面と、おたふくの仮面どっちがいい?」

 ヨハンは、大きく肩を落とした。


 それから私たちは、大きな杭と、女神の石臼から超長いロープを取り出し、杭にロープを巻き付け固定し、洞窟へ降りて行った。






 みんなカレーに夢中だね。そのすきに、2階層の扉噛んじゃおう。

 ”2階層の扉(引き戸)”と表示された。

 え?!引き戸!引き戸って、障子や、襖を開ける時に、横にスライドする事だよね。


 2階層の扉、横にスライドしたら開くのっていうか閉まってなかったの、開け方の問題だったの。



 私は、少しだけ2階層の扉を横にスライドさせたみた。・・・・開いたよ。








2階層の開け方、昔のダウン○ウンの漫才からヒントをもらいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ