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私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


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空っぽのアイテムボックス

本日2話目の投稿です。とても短いです。

「ヒヒーン」複数の馬のいななきが聞こえ。突然前触れもなく、豪華な馬車が子爵家門前に横づけされた。


馬車の中から出てきたのは、目元パッチリ黒目、サラサラストレートの黒髪。透き通るような美肌でナイスバディーな美女。もう一人、美人なお姉さんのミニチュワ版、3歳ぐらいの女の子。


「ただいま」


お隣の辺境伯に嫁いだ長女のカリン姉だ。今回は娘のエリンちゃんも一緒に連れてきたらしい。


カリン姉は、旦那の辺境伯様と喧嘩したら、子爵家へ帰ってくる。

だいたい1週間ぐらい滞在する。その間、毎日辺境伯様からの謝罪手紙とプレゼントを受け取り、辺境伯様が迎えに来て、ラブラブで帰っていくのがワンセットだ。


「お帰り、エリンちゃん大きくなったね」母がエリンちゃんを抱っこし、父は抱っこしたくて母の隣でそわそわしている。


「今回もよろしくね。はい、お土産」私が待ち望んでいた、辺境伯名物、リンゴのアップルパイだ。

外はサクッと、中はしっとり。シナモン少なめ、甘さ控えめのアップルパイ。大きく切り分けられたリンゴが入っていて、一口食べると、シャリシャリと噛み応えがあり、甘さ控えめな分、リンゴのうまみがダイレクトに舌を刺激する。危険な食べ物だ。


「ありがとう」私はニコニコだ。


「キスグ、頂いた魔術、アイテムボックスだったんだって。後で見せてよ。あっ、アップルパイ独り占めしちゃ駄目よ」美女スマイルでウインクされた。


それを聞いた母が渋い顔をする。

「キスグは、やらかしたの。1週間はアイテムボックス使えないのよ。

ねー。やらかしたキスグおねーちゃんはメよね。エリンちゃんは、食べ物にがめつくなったら駄目よ」


何も言えない私は、あいまいに微笑んで、アプルパイを切り分けてもらうために厨房に走ったのだった。





「おー。お帰り。今回は何が原因」


今、両親、ジン兄、カリン姉とエリンちゃん、私で、1階のダイニングに集まりアップルパイを食べている。兄嫁は、妊婦さんで39週、もう産まれてきてもおかしくない時期だが、産気づかず、今は部屋で安静にしている。


「聞いてよ、あの人ったら…」カリン姉が話し出したが、結局のろけだった。


家族が、カリン姉の話を聞きながら、アップルパイを堪能していると、兄嫁の侍女が、ダイニングに走りこんできた。

「奥様が産気づきました」


ジン兄が勢いよく立ち上がり駆けていった。両親、カリン姉、私も急いで、兄嫁の部屋へ向かった。


兄嫁は苦しそうに、浅い呼吸をしている。いつも冷静なジン兄は、兄嫁の周りをおろおろするばかり。

母と、カリン姉が、背中をさすり、やさしい言葉をかけ、呼吸を整えさせている。


「経験者だからわかるの、痛いよね。しっかり吐いて吸う呼吸をして、赤ちゃんに酸素をあげましょう。

出てきたいよって、赤ちゃんも頑張ってる。お母さんも頑張って」







家族みんなで、兄嫁を励ましている時、エリンちゃんは一人、子爵家の庭を歩いていた。














空っぽのアイテムボックス、次でタイトル回収します。

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