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私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


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バナナの中身は甘いのか

タイトル回収できてるかな?

「キスグお嬢様、いい加減になさいませ」



 私の専属メイドのマリーが怒るのも無理はない。


 私は今、寝る前にベッドの上で、ホテトチップスを食べている。令嬢としてあるまじき姿なのだ。

 アイテムボックスに入れて保管しておいたポテトチップスを食べているのだ。

 夜寝る前は小腹が空くのはなぜだろう。無性に甘いものや、しょっぱい物が食べたくなるよね。

 寝る前に食べるのは体に悪いことは知っているし、血糖値は上がるし、血管がボロボロになる。

 前世は血管の病気で死んでしまった。でも、誘惑に勝てるだろうか。いや、負けちゃうよね。あると食べたくなる、誘惑の時間、それが寝る前だ。


「もー。硬いなマリーは、マリーも一緒に食べる?」

「キスグお嬢様!どうしても食べるというなら、このマリーがお嬢様が寝るまで見張ります」


 私はマリーに降参して、歯磨きして就寝した。





 ある日、朝食のデザートにバナナがついた。

 このバナナ、後で食べようかな。私は今日も食べるふりをして、アイテムボックスに入れると、バナナ1本(完熟)と表示された。初めてだ、状態表示されるの。

 美味しそう。後で食べよ。


 朝食を終え、自室に帰ってくると、「キスグお嬢様。バナナを入れましたね。私見てましたよ。出して下さい」

 ぎく!やっぱり見てた。そりゃーバナナ一本皮ごとなくなれば、気づかれるよね。

 私はしぶしぶマリーにバナナを差し出した。


 そのバナナが、事件を巻き起こすとも知らずに。





 そのころ子爵家厨房では、子爵家パティシエが、頭をかかえて悩んでいた。


「どうしよう、バナナの発注間違えて、20本頼んだつもりが、20房届いた。しかも最近熱いから、バナナが熟しすぎて、黒い部分が多くなってきたぞ。今までバナナドリンクや、バナナバウンドケーキ、バナナクレープなど、いろんなデザートにアレンジして消費したが、まだまだ残っている。子爵家パテシエとして、失態はゆるされない。なんとかしなくては」






 子爵家、家政担当、子爵家夫人ビクトリアは、帳簿と、在庫が合わないことに悩んでいた。

 最近、物品がなくなるのだ。


 発注した物品は、しっかり届いている。商人との取引証書をみれば明らかだ。

 商人より納品され、所定の位置に物品を片付けた後、使用していないのに、在庫が減っている。

 一つの在庫ではなく、複数の在庫がなくなっているのだ。


「疑いたくないけど、誰かが勝手に持ち出してるわね」


 子爵家夫人ビクトリアは密かに調査を始めた。



 まず、何がなくなったかだ。

 牛乳1Ⅼ×50本。パン1斤×30個。バナナ20本×10房。リンゴ20個×3箱。バラの苗×50本。チューリップの球根×100個。庭の石像×3体。絨毯10枚。カーテン20枚。などなど。なくなった物品に、共通点はなく、軽い物から、重いものまで、いろんな物品がなくなっていた。


 次に、いつなくなったがだ。

 すべて、ここ3か月でなくなっている。


 軽い物品は量が多い、重い物品は一人で運べる重さじゃない。


 子爵家は貴族。厳重な敷地内に潜入し、複数人で、誰にも気づかれず、密かに運び出すのは不可能だ。

 しかも、価値の高い、宝石や、装飾品には手を付けず、わざわざ危険をおかしてまで、消えモノや価値の低い物品を盗む窃盗犯がいるだろうか。


 敷地内の誰かの可能性が高い。しかも複数犯・・・本当に?。

 3か月前からなくなっている・・・。

 なくなった物品は消えモノが多い・・・。


 まさか!


「誰か、キスグを、執務室に呼びなさい」





 母から、執務室に突然呼ばれたよ。執務室に呼ばれる時は、しでかした時だ。


 母は、いつもはやさしいが、怒ると怖い。数字で人を殴るから、反論できない。


 何やらかした私。あり過ぎてわからないよ。

 ここ3か月、ジン兄とアイテムノックスの検証をいろいろしたから、そのことかな。淑女教育さぼり気味だったからかな。寝る前にポテトチップス食べてたからじゃないよね。


 あー。行きたくないよ。怒られるよ。反省文だよ。


 私は、執務室の扉をノックした「キスグです」。

「入りなさい」母の返事を確認して、室内へ入った。


 室内に入った途端、レモンティーのさわやかな香りが広がった。

 部屋は、開放的な窓があり明るく、本が壁一面埋め尽くしているが、整理整頓されていて重圧感はない。母の内面を表したような執務室で、母はソファーでお茶しながら私を待っていた。


「座りなさい、レモンティーでいい?」


 私は緊張しながら、ソファーに座り、母が入れてくれたレモンティーを一口頂いた。


「キスグ、単刀直入に聞くわ。あなた、家の物を無断で盗んでない?間違えてたらごめんなさい。

 あなたじゃないと思いたいけど、現状、あなたの可能性があるの。可能性があるものは、一つずつ確認して潰しているのよ。キスグ、もし何かトラブルに巻き込まれてるなら、絶対助けるから言いなさい」


「・・・・。何もありません」


 言えない、言えない。どうしよう。


 朝食で出たバナナを、アイテムボックスに入れて、マリーに見つかって取り上げられた後。


 完熟バナナなら、早く食べたほうがいいよね。少し分けてもらえないかな?と思い、厨房に向かったら、子爵家パティシエが、大量の完熟バナナの前で悩んでた。


 使用人に私の魔術がアイテムボックスだということは、ジン兄といろいろ検証しすぎて、すでにバレてしまっているので、私の時間停止機能の中に入れてしまえば、腐らず、いつでも使える事を提案したのだ。その代わり、完熟バナナを一日1本食べてよいとゆう条件付きで。


 子爵家パティシエは助かり、私は完熟バナナが食べれる。WiNWiNだったのに、何でバレた。


 私の挙動不審を怪しく思った母からの追及は容赦なかった。


 バナナ以外の物もバレた。

 花の苗は、庭師が苗を買った後、母が庭のコンセプトを変え、余ってしまい、困っていたので保管しておいたもので。絨毯、石像など重い物品は、持ち運び大変そうだったから、アイテムボックスに入れたけど、出すのを忘れていたものだ。


「あなたって人は・・・・。」母はあきれ顔で

「1週間アイテムボックス使用禁止!

今すぐ、アイテムボックスに入っている物をすべて取り出しなさい!

今後、アイテムボックスに入れた物品は必ず報告する事。わかったわね」


「はい!すいませんでした!」私は深々と御辞儀して、庭ですべての物品を取り出した。







アイテムボックス持ちは、物がなくなった時疑われないのか?と思って、書きました。

信用第一ですね。

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