愛情と性癖は混ぜたら危険
本日も2話投稿します
「離せ、離せ、ナターシャに何をした。くそ、離せ!」
首に大きなチョーカーをまいて暴れている男が、ヨハンに取り押さえられている。
ナターシャさんの魔術と一緒に魔力も奪ってしまった私は、力が抜けて気を失ってしまったナターシャさんに大慌て。呆れたエリナ姉に、「魔力が少なくなったせいでもあるけど、お子様には刺激が強すぎたのよ。キスグは落ち着きなさい」と、訳の分からない事を言われ、茫然としながら、周りを見渡した。
いつの間にか部屋の扉は破壊され、穴が開いた壁や傾いたベッド、壊された人形やお面が散らばる惨事。
部屋には、商会長さんと、執事さんもいる。
傾いたベッドには、黄色の髪が逆立っている、深い青色の目をした、男の人がヨハンに取り押さえられていた。
何、この惨状、いつの間に。ヨハンに取り押さえられている男の人がイーサンさんだよね。なんでイーサンさんが魔術封印のチョーカー付けてるの?。
「どういうことですか、エリナ様。イーサンを離してください」
商会長は、ヨハンに取り押さえられてるイーサンを見て、慌てている。
「落ち着いてください。商会長。今から説明します。私の予想でしかないのですが、イーサンも復活したことですし、答え合わせをしましょう」エリナ姉が、部屋にいる面々を見回し話し始めた。
「まず、イーサンは、私がある事をして回復させました。回復させた方法は秘密です。首のチョーカーを巻いている限り同じ事は、起きないでしょう。
首のチョーカーには魔術封印の付与がしてあります。定期的にメンテナンスして下さい。後で、メンテナンス先は教えますね。
さて、話を戻して、何故、魔力封印のチョーカーをイーサンがしているのか、それはイーサンの魔術が”番への一途な愛”だからです。
そう、商会長は知ってると思いますが、イーサンの番はナターシャです。
ナターシャはイーサンの”番への一途な愛”の相乗効果でイーサンに対しての愛情と同時に、執着、嫉妬心も強くなってしまったと考えます。
商会長あなたの、イーサンへの親としての愛情も、ナターシャの相乗効果で過剰になっていました。その残骸がこの部屋の惨状です。
残骸は元付与された物品でした。良い物品も、悪い物品も、イーサンの魔術と、ナターシャの相乗効果で歪な物品になってしまった。その付与の効果が、イーサンを衰弱させていた要因の一つです。
でも、一番の要因は、イーサンの性癖です。極度のM体質。
自分を痛めつけること(空腹、不潔、依存)で得られる快楽。極度のM体質と、”番への一途な愛”が相乗効果を受けて増幅した結果が、眠り続けた原因です。
イーサンは自分の意思で眠り続けていたのです。
今、イーサンに巻いてるチョーカーは”番への一途な愛”が他者に影響を与えないように封印しているだけです。
魔術と魔力は一心同体。外に影響しないだけで魔力がある限りイーサンの中では”番への一途な愛”は消えていません。
今、気を失っているナターシャに、イーサンの魔術や性癖を聞かせなかったのは、私からの恩情です。
ナターシャが気が付いた時、どう説明するかは、あなた方次第。でも、たぶんナターシャは、あなた方が嘘をついても気づくと思います。
ナターシャはこれから苦労するでしょう。私だったら御免こうむります。
さて、答え合わせは、正しかったでしょうか、イーサン」
エリナ姉は、イーサンの黄色い逆立っている髪の毛をわしづかみ、無理やり上を向かせて、冷めた目でイーサン見降ろした。
「はい・・・・。」
イーサンは、言い訳も何も言えず、うつむいてしまった。
その後、マーギン邸でどのようにナターシャさんに説明したか知らないけど、結局ナターシャさんは、イーサンさんを許し、一緒にいることにしたようだ。
でも、私が魔術を吸ってしまったせいで、イーサンさんへの愛情はなくなり、今イーサンさんは、必死にナターシャさんの愛情を取り戻そうと奮闘している。
この前、ナターシャさんに誘われて、マーギン商会の激安の殿堂に買い物に行ったら、イーサンさんもついてきた。
何故か私に対して敵意むき出しのイーサンさん。ナターシャさんから叱られ、無視されてたけど、とても嬉しそうだった。
もともとは優秀なイーサンさん。ナターシャさんに尻を叩かれながら、マーギン商会を盛り立てていくんだろう。
眠った人ではなく、眠らせた人にキス。
これで眠り姫編終了。




