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私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


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相乗効果

本日2話目の投稿です

 


 ※相乗効果とは、複数の要素を組み合わせた時に、それぞれ単独で足し合わせた以上の成果や結果が生まれる現象。





「エリナ様、ブレスレットが届きました」

 ストーム副騎士団長が、トレイに複数のブレスレットを乗せてやって来た。


「めっちゃ多いね、何個あるの」私がトレイを覗きながら話すと


「合計9個です。エリナ様がマーギン邸を訪れた時、イーサンがつけていたブレスレットだそうです」

 ストーム副騎士団長はトレイを中央の机に置いて、窓のカーテンをすべて閉めた。


 薄暗く、ランプが灯る室内で

「さあ、検証の始まりよ。ゲンスルーさんお願いします」エリナ姉が眩しい笑顔で促した。


「はい…。」

 ぐったりしたゲンスルーさん。実は、辺境伯領から王都まで20日かかるところを、騎士団員に8日で連れてこられたのだ。昼夜問わず馬での移動。今日の早朝、やっと王都へ到着したと安堵したら、この仕打ち、気の毒としか言いようがない。


 お疲れ顔のゲンスルーさんは、トレイに乗っているブレスレットを見つめ、2つ手に取った。

「確かに、この中で2つは私が作りました。2つとも、マーベル子爵家(ナターシャの家)から2年ほど前に依頼を受けた品です。

 依頼の内容は、1つ目のブレスレットは夢でも逢いたい、夢でも私の事を考えて欲しいということでバクの魔物のからとれた魔石で付与しました。2つ目のブレスレットは、正しい行いを行うなら、災いをブレスレットが吸収するように、ハイエナの魔物の魔石で付与しました。

 他のブレスレットも何らかの付与をしているようですが、私は鑑定士ではないので詳しくはわかりません」


「そう、これは、送られた本人に影響はない物なの」エリナ姉がたずねた。


「まったくないとは言えませんが、ブレスレットに付ける付与です。魔石も小さく、効果も弱い。影響はおまじない程度だと思います。もし送られた人に多大な影響を与えるブレスレットなら国宝級の物です。私などが作れるものではありません」


「そう、キスグお願い。2つとも噛んでみて」エリナ姉にウインクされた。


 ぎく!腹黒発動。断れない。

「はい…。」私は、1つ目のバクの魔石を付与したブレスレットを噛んだ。

 ”愛情集約”

 これだ、マーギン邸で、私が噛んだブレスレットだ。でも、”相乗効果状態”がついてない。


 私は2つ目のハイエナの魔石を付与したブレスレットを噛んだ。

 ”災いの執着”

 災いの執着?どんな意味なの、災い好きって事?


「なんて表示されたの、キスグ」エレナ姉が、微笑んでる、面白がってる顔だ。


 私は、今出たブレスレットの結果を、エレナ姉に伝えた。


「そう、事前に、鑑定士に鑑定してもらったの。結果は違ったわ。

 1つ目のブレスレットは、”夢見のブレスレット”効果は、ゲンスルーさんが言った通りよ。

 2つ目のブレスレットは、”物忌みのブレスレット”効果は、ある行為を控えて身を清めるって意味よ。ある行為を控えれなかった時は、どうなると思う。うふふ。」エリナ姉の笑い方が黒い。


「何でブレスレットの効果が変わったのか、それは、”相乗効果”よ。ナターシャの魔術が相乗効果なの。

 あの不気味な部屋にあった物すべてに、何らかの付与がされていたらどうなると思う。相乗効果で、何倍もの効果を発揮するわ。もともとは良い付与だった物も、ナターシャの意思で彼女の都合がいいような効果に変えられるとしたらどうかしら、それが、物だけじゃなくて、イーサンを大切に思っている人に対しても相乗効果を発揮していたら、どうなると思う」


「そうか、あの不気味な部屋は、イーサンさんを大切に思う商会長の愛情の相乗効果による収集。収集した物で力をつけたのがナターシャさん」私が、確認すると、


「そうよ。ナターシャがいる限り、イーサンは覚醒しない。千豆で回復しても、またミイラになるわ、私の予想だけどね。大きくハズレてはないはずよ」


「さて、あの嫉妬深い、独占欲の塊女。どうしましょう。使用人に、女性はいなかったし、マーギン邸の庭や、玄関を見る限り、ナターシャの言いなりね、イーサン体も限界に近いだろうし、早めに手を打たないといけないのだけど‥‥」エリナ姉がニヤリと笑った。





「明日、またマーギン邸へ行きましょ。その前に、ゲンスルーさんお願いしたいことがあるの」

エリナ姉がゲンスルーさんに向けてウインクした。腹黒発動!逃げて、逃げて、ゲンスルーさ~ん。






ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・



「どうなっている。何かわかったか」


マーギン邸の一室では、商会長と執事が話している。


「はい、辺境伯の奥方を回復させた方法は、エリナ様が辺境伯の奥様に、小さい食べ物を食べさせたようです。それが何かはまだわかりません。引き続き調査を続けます」


「宿の方から情報はないか」憔悴しきっている商会長は力なく執事に問うた、


「今のところ、宿の女将からも、回復薬についての情報はありません。

エリナ様は、辺境伯領から付与士を急遽つれてきました。その後、エレナ様達で何か話し合いがされたようですが、内容までは把握できませんでした。今は付与士は、付与の作業をしています」執事が淡々と答えた。


「うむ。エリナ様は、何を付与させているのか、イーサンを治すためだろうか」商会長は考え込んでしまった。


「エリナ様から、明日、イーサン様に面会したいという要望がきています。ただし、面会時はイーサン様の室内には、ナターシャ様だけで、その他の人は入いらないようにして欲しいと。どうされますか」


「私も入れないのか、うむ。回復薬を使ってくれるのだろうか。回復薬の情報を知られたくないという事か…。エリナ様とイーサンの面会許可する。イーサンにはもう時間がない、早く何とかせねば」




















次は、決戦?

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