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私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


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本日も2話投稿予定

 




「王都に行くことになったわ」


 現在、バレンシア侯爵令嬢と朝食中。突然エリナ姉が話をきりだした。


「ん。そうか、わしも行ってええか?」朝食のソーセージをかじりながら、バレンシア侯爵令嬢は当たり前のように受け止めている。


「もちろん。ついて来てほしいわ」


「了解」

 それで、王都行の話は終わり、出来立てのクロワッサンを、二人ともほおばり始めた。


 一緒に朝食会場にいた、ストーム副騎士団長も、騎士団員も、話を聞いて驚いてスプーンが止まっている。


「・・・・。」

 ヨハンが、ストーム副騎士団長の肩に、励ますように手を置いた。







 それから、数日後。

 私、ヨハン、エリナ姉、バレンシア侯爵令嬢、ストーム副騎士団長、騎士団員5名と商会員バイオレット、総勢11名の旅団は王都へ向けて出立した。


 バクシューレツ国の王都へは、20日ほどの馬車の旅となる。

 マーギン商会が手配してくれた、2台の馬車に乗っての移動だ。

 1台はヨハンが従者席で馬車を運転。もう一台は騎士団員が運転。ストーム副騎士団長、他の騎士団員は馬で、馬車の周りを警護しながらの移動となる。


 私はヨハンが運転する荷馬車の方に、バイオレットさんと一緒に乗っている。



「キスグ様、子爵家令嬢だったんですね。今までの非礼お詫びします」バイオレットさんの口調が丁寧だ。


「すごい、私の事調べたんだね。うん。確かに子爵家令嬢だけど、バクシューレツ国では男の子の従者だから、今まで通りでお願いね。それにしても、このクッキー美味しいね。」


 バイオレットさんが、お近づきの印に、くれたクッキー。

 3種類あって、1つ目がスタンダードの卵クッキー。まん丸お月様みたいな形で、かじるとサクッと割れて、はちみつと卵の風味が口の中に広がる、何枚でも食べたくなるクッキー。

 2つ目が、チョコチップクッキー。1つ目のクッキーより、ひとまわり大きく。チョコチップがこれでもかと入ってる。食べると、ビターなチョコと甘いクッキーとのコラボが楽しめる、大人なクッキー。

 3つ目が、ナッツクッキー。1つ目のクッキーよりひとまわり小さめ。キャラメルが混ぜ込んである生地にナッツがゴロゴロ入っている。食べると歯にくっつく硬めの食べ応えのあるクッキー。


 さすが、マーギン商会。コダラン国でも私の情報は隠匿されているのに、よく情報掴んだな。

 私の嗜好品まで把握済みとは、あなどれぬ。



 旅路は、1回オオカミに襲われて騎士団員がサクッと撃退。

 夜間は、宿に泊まることが多く、地方の郷土料理を頂きながら、のんびり王都にたどり着いた。





「すごい、人がいっぱい」


 見上げたら、首が痛くなるほど高い城壁に、どうやって開けてるのか疑問に思うほど大きい両開きの扉。道の真ん中には中央分離帯があり、右の道が王都から出立。左の道が王都へ入国。

 城壁や、門には一切の装飾はなく、機能重視な造り。

 入国関税所には、長蛇の列が続いているが、ロープで進む道を誘導しており、割り込みなどできないように仕切られている。待っている間も、ポップな立て看板が等間隔で立っており、王都での決まり事や、礼儀作法、お得情報などが掲示されていて退屈することはない。

 人の流れはスムーズで、ロープの先には、横並びの受付がずらりと並んでいた。

 馬車を降りて、ひとりひとり身分書を提示。身分書を確認後、印が押され、王都へ入国となった。



「長い旅路お疲れさまでした。お待ちしておりました」

 王都へ入国してすぐの広場に、スーツを着て、眼鏡をかけた執事風の男性が立っていた。


「紹介します。こちらはマーギン商会のマーギン邸の執事です」バイオレットさんが紹介してくれた。

 物腰柔らかな、営業スマイルの執事さん。


「お疲れでしょ、早速、本日の宿へご案内します」


 広場を抜けたら、荷馬車10台横に並んでも通れるんじゃないかと思うくらい、幅の広い道路が、真っ直ぐどこまでも続いている。

 真っ直ぐの大きな道には、いくつもの大きなアーチ状の橋がかかっており、橋の上も、荷馬車が通っていた。



 真っ直ぐで大きな道の両脇にはレンガ造りの街並み。建物に一切の装飾はなく、看板はあるが、基本的に似たような建物が並んでいる。建物一つ一つの色だけが異なっていて、


「テトリスみたいだ」私がつぶやくと、


「はい、建物の形は似かよっていますが、色の付いた建物で扱っている商品を区別しています。

 入国の際の立て看板にもあったと思いますが、赤が食品、青が職人。緑色が宿、冒険者関連など色で分けています」


「バクシューレツ国は、色で物を表示することが一般的なのですか?」疑問に思ったことを私が聞くと、


「はい、そうですね。大まかな事は色で、詳しいことは表示で表しています」執事さんが丁寧に教えてくれた。




「色で・・・・。」私は、アイテムボックスの表示の色を思い返していた。






 町の説明を聞いているうちに、馬車は、緑色の正方形の立派な建物の前に到着した。

 玄関前には、ずらりと中居さんが並んでいて、頭を下げている。

 その中でひときわ妖艶な着物姿の美魔女が、一歩前へ出て挨拶した。


「我が旅館へようこそおいで下さいました。当旅館の女将です。当旅館をご利用いただきありがとうございます。みなさまが、心からくつろいでいただけるよう職員一同、誠心誠意努めてまいります。

 長旅でお疲れと存じます、早速お部屋へご案内いたします」美魔女な女将さんは、美しい笑顔で挨拶している。ストーム副騎士団長も、騎士団員達も、女将さんの笑顔にほおけていた。





 翌日。マーギン商会の商会長がエリナ姉を訪ねてきた。

「エリナ様、折り入ってお話があります」









次は、眠り姫と対面。

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