もっちゅりん(希少な人材)
本日2話目の投稿です
「バイオレット、商会長が呼んでいる。執務室に来てくれ」部長が私に声をかけた。
私は、すぐさま会長室に向かった。
「パトリオットからの報告書読んだか」商会長の鋭い目が光る。
「読みました」パトリオットとは、現在コダラン国へ出張中の商会員である。
「コダラン国で新しく安眠薬を開発した者の詳細がわかった。ゾルトラーク子爵家次女エリナ様だ。
開発者をバクシューレツ国へ連れてくるように指示を出していたが、バイオレットお前が、辺境伯領から持ってきた、最高級品の白い糸。それを提供した旅団にエリナ様も同行されていたというのは本当か」商会長は、少し興奮気味に言った。
「はい、エリナ様は同行されていました」私は、あえて冷静に答えた。
「そうか。今、辺境伯でこんなうわさが流れている。辺境伯の奥方が不治の病から回復なさったと、他にも炊き出しを食べた者達の体調がよくなったと報告が上がっている。辺境伯の商会員の話では、それにエリナ様が関わっているらしいと報告があった。バイオレット、エリナ様と面識があるか」商会長が身を乗り出しながら言った、
「あります。10日ほど一緒に旅をさせていただきました」私は、得意げに答えた。
「そうかそうか、でかした。ぜひ、エリナ様をこの王都へお呼びして、マーゲン商会が出資している薬の研究所で開発していただこう」執務の椅子から立ち上がり、興奮気味に話す商会長。
「さっそく、辺境伯への出張を命じる。エリナ様の説得頼んだぞ」
そうして、私は辺境伯領へ出立した。
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「エリナ様、面会ありがとうございます」
マーゲン商会の商会員バイオレットさんが、エリナ姉を訪ねて、辺境伯の宿までやって来た。
「うふふ、そろそろ来ると思っていたの。クワワンソウの安眠薬の事かしら、それと辺境伯の奥様を回復させた事かしら?」エリナ姉は、優雅に、紅茶を飲みながら、挑発的な表情をむけている。
「さすが、察しが速い。単刀直入に言います。エリナ様、王都に一緒に来ていただけないでしょうか。
エリナ様には薬の開発をして頂きたいのです。旅費、宿泊費、研究費はこちらで負担させていただきます。ただし、研究で開発した薬に関してマーギン商会の権利とさせていただきます。いかがですか」
「ん-。どうしようかな。辺境伯領も過ごしやすいのよね。辺境伯夫婦と、よい関係を築いているし、薬の研究なら、援助してくれるって言ってくれてるの。わざわざ王都に行かなくても、ここでも十分かな」
エリナ姉は、皿に乗っているイチゴのムースに、スプーンをいれて、一口パクリ。
笑顔が引きつっているバイオレットさん
「エリナ様、王都の薬剤研究所は最新設備を導入していま。使用できる薬剤も豊富に準備。植物の保管は温冷、湿度が整った倉庫で管理していますし、珍しい植物はガラスドームで育てています。いつでも使い放題。エリナ様には研究施設の一室をエリナ様専用に準備しております。是非、是非、王都に来ていただけないでしょうか」バイオレットさん必至だなー。
「ん-そうねー」エリナ姉が、同じテーブルでイチゴムースを食べている私をちらりと見た。
「もちろん、キスグ様もヨハンさんも一緒にお越しください。エリナ様と同じ待遇で対応させていただきます」私も、ヨハンも同じ待遇すごいね。
「ん-そうねー。キスグ関して、いくつか守秘義務などの取り決めを了承してくれたら考えてもいいわ。
もちろん報酬しだいだけどね」エリナ姉が、バイオレットさんにウインクした。
バイオレットさん、エリナ姉のウインクには要注意だぞ。腹黒発動するぞ。
それから、二人は、交渉に入ったので、私はヨハンと一緒に席を外した。
「エリナ姉、バイオレットさんとめっちゃ長く話していたね。夕飯食べ損ねたでしょ。後で宿の人が軽食持ってきてくれるって、それで、決まったの?王都に行くの?」
「ええ、いくわ。私、バクシューレツ国の王都にある薬の研究所に行きたくて、バレンシア侯爵令嬢と一緒にここに来たのよ」エリン姉は、手帳を見ながら話している。
「え!そうなの。じゃあ、すぐに王都行きOK出せばよかったじゃん」
「そこは、私が行きたくて行くのと、望まれて行くのは違うでしょ。せっかく行くなら良い条件を引き出さなきゃね」ウインクされた。腹黒ウインク恐るべし。
次は、王都へ




