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私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


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銀杏の千豆の代償

本日も2話投稿予定。

 



「奥様、懐深すぎる」




 今、私はバクシューレツ国辺境伯の御屋敷に来ている。

 見つけた、銀杏の千豆の人体実験の為だ。


 被験者は、この辺境伯の奥様。

 奥様は不治の病にかかり、余命いくばくもない状態。藁おも縋る思いで、辺境伯様は人体実験を了承してくれた。


 穏やかな日差しが入る寝室。白を基調とした壁紙に、生理整頓された介護用品が置かれた戸棚。辺境伯一家の写真と、思い出の品が並ぶラック。中央のベッドには、色白を越えて灰色の顔色で頬のこけた、白髪で薄毛の60代に見える女性が横たわっていた。


「妻は、もう液状の物しか受け付けないんだ。体が千豆を食べてくれるか」

 立派なひげを携えて、大きな背中を丸め肩を落とした50代の辺境伯様が、奥様の折れそうな手をすくい上げ、切なげに呟いた。


「辺境伯様、本日はよろしくお願いします。以前に説明した通り、まずキスグに奥様を噛ませていただきます。その後千豆を食べていただき、再度キスグに噛ませていただきます。よろしいですね」

 エリナ姉が事務的に再確認している。


「ああ。わかってる」

 辺境伯さまは、奥様の折れそうな腕を私に差し出した。


 ヤバい、緊張する。この緊迫した空気。奥様に傷でもつけたら、一大事になりそう。

 私は慎重に、奥様の腕を噛んだ

 ”辺境伯婦人ビヨンセ(終末期)”うん。心を無にして、表情に出してはダメ。エリナ姉に向けて頷いた。


 私の頷きを受け、「次に奥様に千豆を食べて良だたきます」エリナ姉が奥様に千豆をもって近づき、

 ベットに寝ている奥様の口を、両手でこじ開け、奥様の口の中に手を突っ込み、喉の奥に千豆を押し込んだ。その行動わずか10秒。有無も言わさない速さで、辺境伯様も、中腰をあげたまま固まり、私も手を伸ばしかけて固まってた、「これが速くて確実です」エリナ姉はどこまでも事務的だ。


 千豆を無理やり飲み込ませられた奥様は、瞬く間に顔色が良くなり、痩せこけていた頬が、みるみるふっくらになり、髪がふさふさで、スーパーサ○ヤ人のように黄色に輝き、逆立っている。


 そう、千豆の代償で、某有名アニメの、孫○空のような髪型になっている。


 奥様はベッドの上で、上半身を起こし、「あなた…。」「お前…。」と感激の抱擁をしている、辺境伯夫婦。

 感動的なシーンだけど、誰か鏡もってきてー。

 奥様そのうち、かめは○波、打てちゃいそうだよー。


「では、キスグに奥様を噛んでもらいます」エレナ姉、業務的すぎるー。


 情報量多すぎて、噛みずらいよ。私は夫婦で抱擁中の奥様の腕に恐る恐る噛みついた。

 ”辺境伯婦人ビヨンセ(スーパーリカバリー)”なんで英語、なんなのこの表示。

 スーパーリカバリーなら、多分超回復したってことでいいんだよね。


「ありがとう、あなた方のおかげで、また生きていくことができるわ」感激の涙を流しながら、スーパーサ○ヤ人髪型の40代のかわいらしい美人がお礼を述べた。


「えーと、奥様、髪型が黄色で逆立ってますがいいのですか」おそすおそる私が聞くと、


「いいのいいの、斬新でいいじゃない。なんだかオレンジ色の服が合いそうね」奥様はニコニコだ。





 後日、辺境伯様の許しを得て炊き出しへ。

 私はエリナ姉との約束通り、炊き出しに並んだすべての人の腕を噛んで調査だ。

 銀杏の千豆を潰して混ぜたカレーは、美味しいと大好評。

「風邪気味」や「体調不良」の人々は「リカバリー」になり、回復したって事かな。

「末期の病気」や「四肢の欠損」の人々は「ペインリリーフ」になった。痛みの緩和って事かな。

 外見は、髪の量が増え、白髪の人は黄色になった。薄毛や、白髪に悩んでいた人は、代償の方を喜んでいました。






辺境伯は銀杏がら千豆が発見されたことは知りません。

千豆が世に出たら、一大事!エリナ姉が秘密にしました。

次から、マーゲン商会 眠り姫編です

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