激安の殿堂
本日2話目の投稿です
「ご相談です。3mの8つ目の蜘蛛の死体。アイテムボックスから出したいんだけど、ダメかな」
私は今、バクシューレツ国の豪華な宿の洗面所で、朝から歯を磨いているエリナ姉に相談している。
バクシューレツ国に来て5日目。
1日目は、不味いカレーのせいで、テンションバク下がりだったけど、
2日目以降は、屋台の食べ歩きしたり、冒険者が入るような定食屋の絶品煮込み料理を堪能したりして、連日、腹パンになるほど食べた。余分に買ってアイテムボックスに保存もしている。
3日目からは糸繭から出て魔力が復活したバレンシア侯爵令嬢とストーム副騎士団長も加わりみんなで、紺色レンガの職人区画でお買い物。タオルや服など日用品から、小刀、胸当てなどの武器まで、いろいろ買ったのだ。
いろいろ買ったものを、全部私のアイテムボックスが預かっている。
そろそろ容量がいっぱいだ。
私のアイテムボックスで多くの容量を占めて居るのが、3mの8つ目の蜘蛛の死体。これがなくなれば、まだまだ入る。そこで相談しているのだ。
「ん-。どうしようかな。魔物の事はよくわからないから、一緒に、紅団リーダーのジャンに相談しましょ」
エリナ姉と共に、ジャンの部屋を訪ねた。
「おはよう。朝から何か用」ジャンは起きていて、朝食を同じ紅団団員の婚約者と食べていた。
「ごめんね、お邪魔して。キスグのアイテムボックスに入っている3mの蜘蛛の死体を処分したいの。どうすればいい」エリナ姉が尋ねると
「そうだな、忘れてた。1番はギルドへ持っていくことだ。正規の値段で取引してくれるだろうよ。
でも、解体所でキスグのアイテムボックスから出すことになるから、キスグの魔術が知られてしまう。
それでよければ、ギルドだな。もう一つは、マーゲン商会だ。支部の商会員の何人かはキスグの魔術知ってるんだろ。あれだけ大きなマーゲン商会なら解体部門もあるはずだ」ジャンが教えてくれた。
エリナ姉は、宿からマーゲン商会の商会員に連絡を取ってもらい、解体できるか事前に確認。
宿に訪れた商会員と共に、紺色の職人区画、マーゲン商会の店舗を訪れた。
「凄いね。大きいし、広いね。いろんな物が所狭しと並んでて、天井から足元までびっしりだ」
私は店のレイアウトや、ポップに興味深々。かわいい丸文字で商品紹介や、安売りを紹介している。
「はい、昔はこんなレイアウトではなかったんですが、お客様の要望を聞いて種類を増やしたり、在庫を増やしたりしたら、倉庫代と場所代がかさみまして、置き場に困りました。
せっかくある物品を売らないのはもったいないと、今の商会長がこのレイアウトを考案。その分、倉庫代、場所代分をお客様に還元しようということで、他店より安く提供しております。おほめにあずかった、ポップな文字も、お役様の目に止まりやすいように作成しております」商会員は丁寧に説明してくれた。
「凄いね。考えられてるんだね。持ち込んだ物は、ここで解体もしてくれるの」
「はい、この奥に買い取りカウンターがありまして、魔物でも何でも買い取らせていただいています。キスグ様の場合は、買い取りカウンターの地下で、取引させた頂く予定です」
「そこは、人払いしてくれているのでしょうか?」エリナ姉がたずねると、
「はい、ご安心ください。商会員バイオレットと一緒に魔の森の崖崩れを一緒に確認しに行った者達です。もしかしたら知っている者がいるかもしれませんね」
私たちは、買い取りカウンターの地下に降り、解体所に着いた。
解体職人は、見知った顔で、エリナ姉も安心していた。
私は、口に指を入れて、3mの蜘蛛の死骸を吐き出した。
「凄い、大きい」「見たことない魔物だな」「こんなものがアイテムボックスに入るのか凄いな」みんながざわめいている中、
「おー。これは珍しい金糸蜘蛛だな」解体職員の一人が言った。
「金糸蜘蛛は金の生る蜘蛛ということで、名が付けられました。この蜘蛛が吐き出す白い糸は金貨にばけるからだそうです」解体職人が教えてくれた。
「査定はどれくらいかかりますか」
「査定には3時間ほど頂きたいです。その間、店内を見て回ってはいかがでしょう。」
「やった。見て回ろう。エリナ姉。楽しそうだよ」
「そうね、そうさせてもらうわ」
エレナ姉と、私と、ヨハンは激安の殿堂を見て回った。化粧品コーナーや、文房具コーナーではしゃぐ私たちに、
「・・・・。」
ヨハンは、魔物と戦闘した後より、なんだか疲れているようだった。
女性の買い物は疲れます。(作者は女性です)




