勝負の行方
本日2話目の投稿です
「ガサガサ、ドコン、ぶちゃ、ガサガサガサ、ぶちゃ・・・・
私は今、8つ目の蜘蛛に引きずられ、吸魔の森を爆走中。
巨大なスライム核を出した時、縄も出し、ジン兄に教えてもらった、球体でも外れない結び方で核を縛り、反対の縄の端を自分に縛り付けた。
8つ目の蜘蛛に引きずられながら、私のアイテムボックスに入っている蜘蛛の糸繭を吐き出し、地面にぶちまけている。糸繭を吐き終わったら、水瓶や、日持ちする食料、異変種スライムなども吐き出す予定だ。
蜘蛛の糸繭から解放し、魔力回復しているのがヨハン、ジャンを入れて6名。ストーム副騎士団長は少し魔力回復できたから、糸繭から出しても死なないだろう。合計7人いれば、いまだ魔力枯渇中の6名の糸繭を運べるはず。
後ろから、ヨハンとジャンが追いかけてくるだろう。
私が引きずられた道に、糸繭や、食料が落ちているからびっくりするかな。
でもどこまで引きずるつもりだろう、あの洞窟まで行くのかな?
吐き終わったら仕掛けよう。
キスグは何を考えてやがる、蜘蛛に捕まったようには見えなかった。
蜘蛛にくっついて行ったが正しいだろう。何か案があってだろうが、無謀すぎるだろ。
「うわ!」糸が絡まった騎士団員が転がってやがる。
ヨハンは騎士団員に目もくれず、キスグを追って行った。
「おい、大丈夫か、起きろ!起きろ!」騎士団員は困惑しているが「立て、立て、とにかく走れ、追いかけるぞ」騎士団員は立ち上がり、訳も分からず一緒に走り出した。
「うわ!また」糸に絡まった騎士団員が転がっている。同じ様に立たせ、一緒に走り出した。
その後、追加で騎士団員1名と、紅団員1名も加わりキスグを追いかける。
「うあ!ストーム副騎士団長!」顔色のすこぶる悪いストーム副騎士団長が転がっている。
そうか、ストーム副騎士団長は、わずかしか魔力回復できなかったって言ってたな、「起きろ、ストーム!。起きろ!」
ストーム副騎士団長は目を開け、上半身をなんとか起こし「どうなってる」
「今、8つ目の蜘蛛がキスグをつれて逃げている。俺達は追いかけてるんだ。キスグはアイテムボックスに入っている物を、次々吐き出してる。ストーム動けるようになったら追いかけてこい」
俺たちは、ストーム副騎士団長を置いて、キスグを追いかけた。
キスグが連れ去られた道には、6個の糸繭、食料、水瓶に入った異変種スライムなどが転がっていた。
「・・・・。」険しい表情で、全速力で追いかけるヨハンがいた。
私ならできる。討伐できなくても8つ目の蜘蛛を弱体化できるはず・・・よし、仕掛けよう。
私は自分に結んだ縄を噛んで吸い込んだ。体重の軽い私は、自分が縄に引き寄せられ、核に飛びついた。
私はすかさず、核を噛んでアイテムボックスに吸いこんだ。
8つ目の蜘蛛は、魔力の塊である核を奪われ、驚き、怒り、殺気をまき散らした。私に大量の白い糸を吐き出し前足を使って、私をぐるぐる巻きにする。
かかった!
私は、私に巻き付いた白い糸を噛んで吸い込み始めた。糸はみるみる私のアイテムボックスに入っていく。白い糸は途切れない。8つ目の蜘蛛の口から、どんどん糸が出てくる。
今、8つ目の蜘蛛は、巨大スライムとの魔力吸引勝負に負け、魔力が少ない状態だと思う。
対して私は、巨大スライムの中で、魔力回復、私の箱型の魔力は柔軟性と綻ばない強さを手に入れパワーアップしている。
8つ目の蜘蛛が魔力で練った白い糸が、魔力が尽きて途切れるか、私の魔力アイテムボックスが容量オーバーになり壊れるかの勝負だ。
「ガキン」
ヨハンが、私と8つ目の蜘蛛の魔力勝負の場に到着した。
白い糸に絡み取られようとしている私を見て、ヨハンは8つ目の蜘蛛にハンマーを大きく振りかぶり、打ち付けた。
だが、8つ目の蜘蛛の外装は固く、はじき飛ばされる。
ヨハンはそれでも、ハンマーで8つ目の蜘蛛への攻撃を辞めない。
8つ目の蜘蛛は、ヨハンを鋭い前足で薙ぎ払い、地面に転がったヨハンを突き刺そうと、前足を振り下ろす。
ヨハンは、前足をハンマーで受け流し、蜘蛛の腹下に滑り込こむ。
ヨハンは中腰のまま、8つ目の蜘蛛の腹にハンマーを叩き上げた。
「グシャ」
8つ目の蜘蛛の腹にハンマーが尽き刺さった。
8つ目の蜘蛛は暴れ出し、私を糸ごと抱えたまま、ヨハンに襲い掛かる。
鋭い前足の攻撃をかわし、8つ目の蜘蛛と距離を取ったが、ハンマーは8つ目の蜘蛛の腹にささったままで、ヨハンは丸腰だ。
それでもヨハンは、8つ目の蜘蛛に飛び乗り、目を素手で殴りかかった。1つ目が潰れた。
「グギャーーーーー!」白い糸を自ら切り、私との魔力量勝負を辞めた8つ目の蜘蛛は、逃走を試みるが、足が動かない。
後ろから追いかけていたジャン、騎士団員3名、紅団員1名が到着していた。
騎士団員の土魔法師は、蜘蛛の足1本を土魔法で固め、逃走を阻止。
騎士団員の水魔法師は、異変種スライムを水で増殖させ、小さなスライムは8つ目の蜘蛛に群がっていく。
騎士団員の跳躍が、私を素早く回収。
紅団員弓師が、8つ目の蜘蛛の目を弓で射止めていく。
「グギャギャガ!グガギャガ!」逃げたいともがく8つ目の蜘蛛。魔力が少なく白い糸はもう出せない。
小さなスライムが、もがく8つ目の蜘蛛に群がり、少しずつ溶かしてゆく。
外装が溶けだし、ほとんど動かなくなった8つ目の蜘蛛に、ヨハンがハンマーを脳天めがけて振りかぶった。
「グシャリ」
8つ目の蜘蛛の頭は潰れ、絶命した。
「やった!やった!勝った!勝ったよ!」私は飛び跳ねて喜んだ。
皆、勝利を喜び、安堵の表情を浮かべていた。
その後、8つ目の蜘蛛に群がっていた小さな異変種スライムはジャンが火魔法で消滅させ、8つ目の蜘蛛の残骸は、私のアイテムボックスに入いれた。
これで、吸魔の森終了です。
でも、まだまだ旅は続きます




