蜘蛛の糸と魔力吸収勝負
予告より遅くなりました。本日2話目の投稿です
「ズバババ、ズバババ」「びよーん。びよーん」
私は魔力枯渇寸前で蜘蛛の糸繭に捕らわれ洞窟に保管されていた我が旅団員を、蜘蛛の糸繭ごとアイテムボックスに入れて、洞窟を一人抜け出して、洞窟入口で途方に暮れている。
ここが何処かも、帰る方法もわからない。8つ目の蜘蛛の魔物は居るし、討伐方法もわからない。
私より断然強い。一人で討伐するのは不可能だ。
旅団員は魔力枯渇状態で蜘蛛の糸繭(状態保存)に入っているので、糸繭を解除すると魔力枯渇で死ぬ。助けを求めれない。
夜が明ける前に解決策を見つけないと、蜘蛛が活動開始したら詰む。
はー、本当にどうしよう。まずは整理してみよう。
私がアイテムボックスに入っている戦える物。弓、小刀、異変種スライム。
異変種スライムで何とかならないかな~。
「異変種スライムは、火は消滅する。蒸気は冷麺になる、水は増殖する。お湯は合体するんだよね…。」
はっ!いけるかもしれない。
私は大急ぎで、一番大きい寸胴鍋を取り出し、火をつけ、お湯を沸かした。
寸胴鍋の中で、大量のお湯が沸騰している。私はガムを噛んだ。
できるかどうかわからないけど、やるしかない。うまくいけば蜘蛛の魔物を討伐できる。
私は大量のお湯の中に、寸胴鍋からあふれるほど異変種スライムをぶち入れた。
今私は、8つ目の蜘蛛と対峙している。変異種スライムの中で。
そう、私は今、直径2m巨大スライムの中。
お湯の中に大量の異変種スライムをいれて、巨大なスライムを作成。
巨大スライムは寸胴鍋をひっくり返し、近くにある魔力(私)を、体内に取り込んだ。
でも私は物理攻撃に対して無敵。溶けない。
あっ!息苦しい、呼吸の事、何も考えていなかった!
口、鼻の中からスライム粘液が入り込む。肺に入り込む。「ぼこ、ぼこ、ぼこ」肺から空気が抜け、空気の代わりにスライム粘液が肺を満たした。
だが、私の肺は溶けない。それどころか、胎児の時、母のお腹の羊水を泳いでいたように、スライム羊水が肺を出入りし、酸素が体内をかけめぐる。
呼吸が落ち着き、巨大スライムの中で漂っていた私は、巨大なスライムの核を掴んだ。
バレーボール大の核は、「なんだか、戸惑ってる?」巨大スライムの感情が入り込んでくる。
だが、巨大スライムはすぐ私に興味をなくし、近くの魔力を探し出した。
始めは、近くの小さな魔力(魔物)を巨大スライムの体内に取り入れていたが、一瞬揺れを止め「吸収の欲求が強くなった?」一方向へ移動速度を上げ向かい出した。
向かった先には、8つ目の3mはある真っ黒で毛もくじゃらな蜘蛛の魔物が居た。
先に攻撃を仕掛けたのは、8つ目の蜘蛛。
「ズババー。ズババー」口から大量の太い白い糸を吐き出し、巨大スライムを包みこもうとする。
「びよーん、びよーん」巨大スライムは全身を蜘蛛の糸に包まれたが、すぐに蜘蛛の糸を溶かし吸収しだした。
溶けだした糸をみて、8つ目の蜘蛛は、再度糸を吐き出し、巨大スライムを包みこもうとしてる。
両者、魔力を奪い合い、一歩も引かない。
そんな両者の魔力吸引勝負中に、私の魔力が勝手に回復しパワーアップしていく。
正確には私の中の箱型の魔力が、スライムのように柔軟に、糸を縒るように丈夫になっていく感覚がある。
すごい。魔力が回復した。巨大スライムが蜘蛛の糸を溶かして吸収することで、蜘蛛の魔力を取りこむ。巨大スライムの中に居る私も恩恵にあずかっているという事?!
これってもしかして…。
私はアイテムボックスの中から、旅団員を包んだ糸繭を一つ取り出した。
糸繭は、スライム粘液で溶けだした。どんどん中に入っている人の輪郭がはっきりしだし、「この人、騎士団員の魔術跳躍の人だ」糸繭が溶けきる前に、跳躍の人の腕に噛みついた。
私に噛まれている物は、アイテムボックスが入れる物として認識するため無敵。
なので、跳躍の人も無敵。スライム粘液でも溶けない。
”騎士団員リープ(魔力回復中)”と教示された。
やった!成功!私と一緒で、魔力回復している。
騎士団員リープ(魔力回復完了)と表示されるまで待ち、再度アイテムボックスへ。
また、糸繭を取り出し、同じ事を繰り返した。騎士団員の水魔師、土魔法師、紅団員の弓師の3名。
4人目、ヨハンが出た。「やった!ヨハンだ!」ヨハンにも、同じことを繰り返した。
5人目、紅団リーダーのジャンが出た。「ジャンだ!これで帰る方向がわかる」ジャンにも同じことを繰り返した。6人目、ストーム副騎士団長を魔力回復させ始めたとき、8つ目の蜘蛛が、突然白い糸の攻撃を辞め、逃走。
巨大スライムが追いかけるが、見失う。「何だか、がっくりしてる?」感情が流れ込んできた。
その後、ストーム副騎士団長を巨大スライムの体内で魔力回復させようとしたが、蜘蛛の魔力の供給がないからか、魔力回復できず、アイテムボックスに戻した。
次、吸魔の森まだ続きます。




